中田潤ジャーナル「プロパガンダをぶっとばせ！」

　プロパガンダの歴史を調べていくと、この疑問に行き着きます。

　文明とは何か？

　プロパガンダの始祖、ギュスターヴ・ル・ボンはこう主張する。

　王権が国家のあり方を決定する時代は終わった。

「群衆」が決定権を持つ時代になった。１９世紀の終わりです。

　つまりは民主主義なのですが、ル・ボンはこう言う。

　群衆はバカなので、今の文明を破壊し、原始時代に戻す。

　階級社会にしか文明は築けない、という考え方。

　正しい社会を作れるのは一握りの頭のいい人たちだけ。

　原発事故が明らかにしたのは、このアンチ民主主義の

　考え方が日本で１００年続いてきたことです！

　６５年以上、民主主義国だった日本で！

　文明とは何か？　って言われても即答できる人はいないと思います。

「３・１１」以降、わしも数え上げています。

　快適な寝床。安くてそこそこうまい食べ物。靴（笑）。衣服。

　石けん。お湯が出るシャワー。電気。パソコン。ガス。酒。たばこ。

　音楽。本。テレビ。映画……。

　毎日お金がかかるのはたばこだけです。

　願わくば博奕なのですが……。なんか体質が変わってしまいました。

　どこに「王の文明」がありますか？

　うちからサンシャインビルに向かっていくと

「まったく必要のない王の文明」がいくつもあります。

　六つ又交差点ってのは、クソくだらねえ文明の極致。

　自動車も人間もそこでじっと待っているんです。非効率です！

　映画街に行くと「へルター・スケルター」などという、人が、おそらく、

　数人しか入っていない映画館をガンガンに冷房しています。

　そして、サンシャインビル。あの空間を同じ温度にするために、

　どれほどのエネルギーが浪費されているのでしょうか！？

「必要最小限の文明」

　日本人が求めていくべきはそれでしょう。