100年のプロパガンダと「孤独はいやだ!」
19世紀末、フランスのギュスターブ・ル・ボンが、
画期的な本『群集心理』(講談社学術文庫)を書いた。
彼が攻撃したのは、啓蒙主義と民主主義だ。
ル・ボンはこう言う。
「中産階級の個人は群集に入ると知能が下がる」
ゆえに、群衆が政治決定をするのは危険だ、
そう言うのである。
中産階級の人間が、一人で本を読んでいる。
この状態では、啓蒙主義は有効だが、
彼が「群衆」の中に入ると、バカになる。
理性を失う。感情のみで行動する。
この説を援護したのが、元アメリカ社会党員、
進歩的ジャーナリストのウォルター・リップマンだ。
彼が攻撃したのは、社会主義、組合運動だ。
リップマンは『世論』(岩波文庫)のなかで、
いかに、知性ある人間が現実を歪めて見ているか、
そのことを徹底して書く。これまでのいかなる思想家も
「公衆がメクラであることを考慮していない」
この理論をひっくり返せば、
「私(リップマン)は、メアキだ」ということになる。
もっともらしいでしょ?
だから今でも本屋に文庫本として置いてある。
大問題だと思いませんか?
この二人は、差別思想の上に立って、民主主義を否定している。
さらにその差別思想をビジネス化したのが、エドワード・バーネイズ。
<世の中の一般大衆が、どのような習慣を持ち、どのような意見を持つべきかといった事柄を、相手にそれと意識されずに知性的にコントロールすること--は、民主主義を前提とする社会において非常に重要である。この仕組みを大衆の目に見えない形でコントロールすることができる人こそが、現代のアメリカで「目に見えない統治機構」を構成し、アメリカの真の支配者として君臨している>
その名も『プロパガンダ』という本の冒頭の言葉である。
出版は、1927年。この本は今も、広告人のバイブルだ。
1920年発行、リップマンの『世論』は、ジャーナリストの教科書。
原発事故が明らかにしたのは、民主主義の衣をまとった、
差別!! 侮辱!!
この国、わが祖国、日本で最もひどい
「差別統治」「侮辱政治」「人を人と思わない報道」が
90年近く続いてきた!
100年の孤独?
いや、孤独がいやだから、
わしらは、差別思想に統治されてきた。
ウェイク・アップ! マトリックス・レボルーション!!
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