カラパイア生物班の一人であり、海の中に存在するお星様のようなをヒトデに魅せられ、大学院で研究していたというヒトデマニアKさんが、素敵な情報を紹介してくれたよ。
ヒトデの内部に寄生する「シダムシ」という寄生虫なんだけど、まるでシダ科の植物のようにヒラヒラしてて、心をくすぐる造形をしているんだ。ヒラヒラの植物みたいなのにエビやカニなど節足動物の仲間だという「シダムシ」の世界に迫ってみることにしようそうしよう。
ヒトデの寄生には外部寄生と内部寄生があるそうだ。外部寄生では、ヤドリニナと呼ばれる貝類が有名で、内部寄生だと今回の記事にでてくるシダムシが有名なのだという。
シダムシは世界で約30種ほどいると報告されている。触った感触は柔らかく、ピンセットで強く摘むとプチっと切れてしまう。分類は節足動物門,甲殻亜門,キンチャクムシ下綱(嚢胸類)、ざっくり言うと甲殻類の愉快な仲間たち。
モミジガイシダムシ(メス)
シダムシの1種(メス)
ヒトデに寄生した状態だとこんな感じになっている。
赤色に塗ってある部分が、体内に寄生しているシダムシだ。
【シダムシの特徴】
甲殻類の仲間の特徴として、幼生の時(子ども)の形態がエビやカニと同じ節 (フシ)を持っている。幼生にはいくつかの形態があって「ノープリウス幼生」と「キプリス幼生」がある。
ノープリウス幼生
キプリス幼生
メスが大きく、オスは極端に小さくてメスの体内にいるという。かかあ天下 ってやつだね。その形もなんかヒモっぽくて、人間界でいうところのヒモっぽさがにじみ出ているみたいなんだ。ちなみに、チョウチンアンコウも同じような雌雄関係で、オスが小さいそうだよ。
シダムシのオス
メスの体を破ってみたらオスが鎮座していたよ
オスとメスの大きさを比べてみると・・・(左上のちっこいのがオス)
また、シダムシはメス・オス共に全くと言っていいほど動かない。ヒトデに食わせてもらっている状態だし、動く必要もないわけだ。オスはメスの体内でヌクヌクと過ごし、メスはヒトデの中でヌクヌクと暮らす。まさにパラサイト天国ニート夫婦といったところだろう。
卵や幼生はメスの体内にある。オスがメスの体内にいるので、メスの体内で受精して、卵→幼生となっているのだ。しかも、メスの体全体に卵や幼生が詰まっている。もはや体全体が卵巣のようになっているという。
【謎の多いシダムシ】
・シダムシがどのようにヒトデの体内に侵入し、寄生しているのかは未だ解明されていないという。また、入ると同じく、出る方法も分かっていない。
・卵→ノープリウス幼生→キプリス幼生と成長することは分かっているのだが、その後、どうやって、オスやメスのような形に変化していくかも謎に包まれているという。
・シダムシに寄生されると、何故かヒトデの生殖巣(精巣・卵巣)の発達が著しく悪くなる。内に入ることで、ヒトデから何らかの形で栄養を奪っていると思われるのだがどうやって奪っているかも謎。
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ということで謎に包まれているシダムシの生態だが、謎が多い理由として、シダムシを調べても基礎研究にしかならなず、利用価値がないので研究者が少ないのもそのひとつの理由であるとも言われているんだそうだ。
だがもしかして、シダムシが人類の将来の鍵を握る何かをもっている可能性も否定できなくもなくもないわけで、シダムシをとことん研究してくれる未来の研究者がカラパイア生物班から出てきてくれることを切に願うわけなんだ。
ヒトデに関して興味をもったおともだちは、ヒトデマニアKさんのブログを見に行くと、ヒトデの飼育方法や食べ方や食べられる種類など、面白い情報がたくさんでているよ。
【ヒトデ@海のお星様|飼い方・種類・食事など奴らの謎について迫る!】
また、今回の記事に関しての質問は、このままコメント欄に書き込んでおけば、ヒトデマニアKさんが親切丁寧に教えてくれると思うんだ。ヒトデマニアKさん。面白い記事をありがとう!ということで、みんなの面白い情報は引き続き募集しているので、メールをくれるとうれしいよ。
か、かゆい!
ブツブツ…!
見ているだけで、ぞぞぞとくる。
すげえ!なんというニッチ!
これを甲殻類に分類した生物学者もすげえwww
幼生を追って分類するとか、なんという執念wwwww
こういう利用価値のない研究を研究するマニアが大好きだw
うわあ、これは生理的に来るな…そして俺も甲殻類ってのに驚いた。
生姜みたいだなw
※4
>生姜
分かる分かるw
単体で見るとなんか妖精(?)みたいでちょっと可愛かったけど、寄生中のは…駄目でした。うわん。
てか過去のブツブツ甲羅記事までリンクされてるし~!!
ざわざわぞわぞわ…
世界は神秘に満ちているなあ
はっはっはっはっはwww完全ニート生命体www
こういう変な生き物とか見ると進化論も話半分なんだな、って思うよねw
どこかで見たことあるなって思ったら
フクロムシと生態がそっくりだね
極端に退化したオスとか全身卵巣とか宿主の
生殖機能破壊とか…
栄養を奪う方法とかは、有用技術の基礎な気がする
僕も実家に寄生してるから親近感が湧きます
ヒトデの内部グロすぎ泣いた
ほほう、実に興味深い。
生態は殆ど植物だな。
食えるのかい??
おもろい生き物だなぁ。
これは、喰えるの?食べちゃえるの?
甲殻類は美味しいと思い込んでいるのだけど
こいつはどうだろう?
矮雄って男として理想の生き方だなぁ…
>シダムシに寄生されると、何故かヒトデの生殖巣(精巣・卵巣)の発達が著しく悪くなる
これを応用して、珊瑚を食い荒らす、オニヒトデの退治に使えないのかな?
シダムシの養殖技術を確立すれば可能だと思うよでもシダムシを養殖業者が認知してくれるかどうか
このオレンジのところって
うにみたいでウマーとかテレビでやってたやないの・・・
風子スレだと思って開いたらただのグロスレだったでござる
ネオディディモゾイデス・ミクロストーマ思い出した。
カリフラワーとかブロッコリーっぽい体をしていて、カジキ類の筋繊維に絡まって寄生してるヤツ。
ただしネオディディモゾイデス・ミクロストーマは甲殻類じゃない (ハズ)。
>8のいう通り、生態は同じ甲殻類のフクロムシとそっくり。
寄主の生殖器官を自分と置き換えちゃってる感じだし、もしかしたら中間宿主を必要としない生活環までフクロムシと共通なのかもしれない。
こんな複雑な形なのに寄生してて窮屈じゃないのかな?
つーか、どの辺が節足動物なんですか。
浜釣りしているとヒトデばかり釣れてゲンナリしたことが有りますが、こ奴らも釣れていたんですな。
新ポケモン候補ですね、
まさか寄生虫がモデルになるとはお子様は思わないだろう
何という形でしょう。寄生してしまったら動く必要がないからでしょうね。
いや、こういう生物にとって寄生という考えはなく、自分がいるべき場所にいるだけなのでしょう。
それは、同じ鞘甲亜綱のフジツボだけでなく、人類にもいえることです。
進化の神秘ですね。
生殖巣の発達を阻害ってのが、栄養奪取でなく何かの「阻害物質」を出してるんじゃないか?という気もするが、たいして研究が進んでるでもないのにそうした可能性が提唱されてないのならやはり素人考えか。
蟹のフクロムシもそうだが、繁栄するほど住処である宿主が減っても自分のほうも後追いで減るから共倒れは無いんだろうが、絶妙な増殖・分布の具合で完全に宿主を根絶させて共に絶滅するということも、パラレルワールドの地球では起こってたりするんだろうか
探偵ナイトスクープでヒトデ食ってたけどまさか…
ヒトデの優しさに包まれヒダヒダな奴らは運命を共にするのであった…
襞ヒダなんて パルモの えち
なんかタイノエみたいね トラウマだわ
ヒトデの中グロすぎて泣いた
自分の投稿した記事が載ってるのは何だか嬉しいですね。
?が付いてる質問には、わかる範囲で答えてみます。
>14:食えるのかい??
>15:これは、喰えるの?食べちゃえるの?
食べたという勇気のある報告はいまだに聞いたことがないですね…
卵をもった個体なら、プチプチした食感が…あるかも??
>19:これを応用して、珊瑚を食い荒らす、オニヒトデの退治に使えないのかな?
おそらく難しいかと…
シダムシは決まったヒトデにしか寄生しないのです。(宿主特異性が高い)
・【モミジガイシダムシ】は【モミジガイ】というヒトデにしか寄生しない
・【オカダシダムシ】は【ヤツデヒトデ】にしか寄生しない
なので、モミジガイシダムシはオニヒトデに寄生しない…と思われます。
24>こんな複雑な形なのに寄生してて窮屈じゃないのかな?
>つーか、どの辺が節足動物なんですか。
シダムシの体が柔らかいので、ヒトデ体内に体を折り曲げて寄生してますね。
きっと狭いところが好きなんでしょう。
節足動物とわかるのは、幼生の時の形態でわかりますね。
>25:浜釣りしているとヒトデばかり釣れてゲンナリしたことが有りますが、こ奴らも釣れていたんですな。
釣りの時に引っかかってくる「モミジガイ」なら、何割かは寄生されていたかもしれないですね。地域によって、寄生率が高かったり、低かったりしますが。
>28:生殖巣の発達を阻害ってのが、栄養奪取でなく何かの「阻害物質」を出してるんじゃないか?
ひょっとしたら、阻害物質かもしれませんね。
私の後輩も研究をしていたようですが…あまり研究が進んでないようです。
>33:ヒトデの中グロすぎて泣いた
かなり綺麗な解剖画像なんですがね~(^^;
自分もまだまだ精進不足ですね。
ヒトデマニアKさんのHPが
面白いんだけど異様に重いのは私だけでしょうか…?
内臓の一部になっとる・・・
やるせないほど理不尽だ・・ 甲殻類?
茹でだらくえるのかな?
こうゆうの好きだけど初めて知りました。
短期間の飼育とかできるのかな?
ヒトデのそとで。
ところで最初のほうに外部寄生と書いてるヤドリニナ。
あれは内部寄生じゃないの?
>41:面白いんだけど異様に重いのは私だけでしょうか…?
なんか重いです…こんなに大量の人が来たことがないもので、サーバーに負荷がかかって遅くなっているようです…しばらくすれば落ち着くかと。
詳しくないものですいません。
>43:やるせないほど理不尽だ・・ 甲殻類?
オス・メスは寄生にいらない部分を退化させていった結果、甲殻類とは思えない形になっていったようです。
コメントの欄に度々でてくる『フクロムシ』も甲殻類なんですが、やはり甲殻類とは思えないような形態をしてます。カニなどの甲殻類に寄生するのですが、一見すると卵にしかみえないです。
>42:内臓の一部になっとる・・・
内蔵より卵巣の一部のようになっているように見えます。
写真はかなり大型のシダムシですが、小型のシダムシだとヒトデの卵巣と見間違うくらいそっくりだったりします。
卵巣に擬態している、という意見を聞いたことがありますが…ヒトデの内部で擬態してどうするのだろう?という疑問があったりします。
>45:短期間の飼育とかできるのかな?
>ヒトデのそとで。
メスや卵、幼生をしばらく飼育してみたことあるんですが、しばらくしたら死んでしまいました…やはりヒトで内部の何か栄養が必要なのかもしれません。
>ところで最初のほうに外部寄生と書いてるヤドリニナ。
>あれは内部寄生じゃないの?
比較的メジャーなヤドリニナを外部寄生の例えにしたのですが、ヤドリニナはご指摘の通り内部寄生する種もいます。『アカヒトデヤドリニナ』は【アカヒトデ】の内部に寄生し、ヒトデの体液を吸っています。
外部寄生のヤドリニナとしては『トゲモミジヒトデヤドリニナ』が【トゲモミジガイ】や【スナヒトデ】に寄生します。
長くなりすぎるかと思って、そこら辺を省略してました。すいません。
他の外部寄生の例としては、『クラゲムシ』『ウロコムシ』がヒトデに外部寄生するそうです。
キモイけど面白かった。
カラパイアと語呂がいいから今度はフィエステリアを取り上げてほしいな。
ヒトデマニアKさん
どうもです。
モミジガイ勉強になりました、ヒトデなんすね。
今度からボウズでも楽しみが増えましたw
本記事もそうだけどヒトデマニアKさんのコメントも面白かった。
ありがとう!
>かなり綺麗な解剖画像なんですがね~(^^;
いやいや、どんな綺麗な解剖画像でもグロいと言う人は出る。
こういうのが好きで研究してると、そこらへんの感覚が一般人とかけ離れるからなあwww
よっ、ヒトデマニア!
>49 ヒトデマニアKさん、ありがとうございます。
とても面白い記事でした。
ヒトデって、阻害されても滅んでないのだから、
阻害がなかったら繁殖力が爆発的に上がる程
繁殖力が強いって事なのかな?
気になります!
51:1972さん>今度からボウズでも楽しみが増えましたw
モミジガイ頑張って解剖してくださいw
かなり体表の皮が硬いので、注意です★
52:mさん
コメント面白かったと言っていただけて良かったです。
ヒトデマニアと一般の人の感覚のズレ…仕方ないですね(ノД`)シクシク
投稿用ヒトデ画像を探していた時に見つかったあの解剖画像のファイル名「芸術的ヒトデ解剖」でしたからね…当時の俺、素敵(^^;
53:tsutinokoさん
楽しんでいただけて嬉しいです。
寝る時間を削って投稿して良かった……
54:RYさん>ヒトデって、阻害されても滅んでないのだから、阻害がなかったら繁殖力が爆発的に上がる程繁殖力が強いって事なのかな?
あまり詳しくはないですけど、宿主(ヒトデ)と寄生虫(シダムシ)の関係は絶妙ですからね。
宿主が絶滅したら当然、寄生虫も生きていけません。
ヒトデは再生力も高い、さらには食べる生物がほとんどいない、という点で繁殖力…増えていきやすい生物かもしれませんね。
たまに大発生して、牡蠣とかホタテの養殖場を襲ってます★★★=3=3=3
ちなみに、最多産卵数のヒトデは困ったことにサンゴ礁食い荒らしでお馴染みの【オニヒトデ】です。1回の産卵で最高2400万個の卵を生むとか…
オスの形がシンプル過ぎて吹いた
パトリックェ…
>【オニヒトデ】です。1回の産卵で最高2400万個の卵を生むとか…
そんなに卵をうみやがるのか。グムムムム。
61:>
小さい卵を多く産むタイプの繁殖戦略を持っているのです。
卵や幼生、稚ヒトデの段階で捕食されたり死亡して、成熟個体になるまで生存できるのはわずかですが、卵や幼生・稚ヒトデの死亡率が少しでも減少するとオニヒトデの大発生に繋がるそうです。
まことに恐ろしいです。グムムムム。
原発に水と一緒に投げ込んだらスターミーに超進化するのん?
★ヽ(`・ω・´)ノ★
>7
>こういう変な生き物とか見ると進化論も話半分なんだな、って思うよねw
いや、まさに適応放散を証明する出来すぎな位の実例だと思う。
生物学100年の謎「Y幼生」との近縁性が有力視される辺りも、
まだまだ面白い事がありそうな生物。
今まで「ルソンヒトデシダムシ」と思われていたのが新種の「アカヒトデシダムシ」だと分別できたということで、鳥羽水族館で一般公開を始めたそうですよ。
成体の形に甲殻類の面影がまったくないのがすごい
目や口は必要無いから、寄生することに特化してるんだろうなぁ