オバマが独断でTPP交渉妥結に持っていくためには、かたわれのTAA法案も可決されなければならない。
再採決は、16日に予定されている。
TPA法案は僅差で可決したものの、セットのTAA法案は大差で否決
ホワイトハウスがライブ中継する12日下院でのTPA/TAA法案の採決のライブ映像を観ていた。
結果は、「TPA法案、米下院通過ならず」。
といって安心できる内容ではない。
ロイターは、30分おきに加筆・更新するありさまでやや混乱気味。
正しくは、以下のとおり。
“ファストトラック”、つまり大統領貿易促進権限(TPA法案)が大統領に与えられると、米議会の要望を一切無視して、完全な独断でTPP交渉妥結が可能になる。
ただし、その条件として、TAA法案も同時に可決されることが条件となっていた。いわば「セット」販売。もしくは、ギョーカイで言う「バーター」。
TAA法案とは、TPPのような貿易自由化で職を失った人を支援する「貿易調整支援制度」のことで、そもそもが、米・政府は、TPAとTAAの抱き合わせでTPP妥結に向けて動いていた。
だから、TPA法案だけ可決されても、(TPPによって失業した人などを救済する)TAA法案も同時に可決されなければ、TPAの可決も無効となる。
両方の法案が同時に可決されることが必要十分条件で、今回は、TPA法案だけが薄氷を踏む僅差で可決されたものの、TAA法案のほうは、圧倒的な大差で否決されたので、条件を満たさなかったことから、事実上の否決となった。
それで、今のところは、これまでどおり、オバマ大統領にはTPP交渉の権限がない、ということになっている。(米TPA法案の推進派、12日の下院通過目指し最後の一押し)
今回の下院でのTPA法案の採決の結果は、《賛成219、反対211》だった。
もともと民主党の議員の大半が大統領にファストトラックを与えることに反対していたが、この19人の民主党議員が(おそらく金のために)寝返ったため、僅差でかろうじてTPA法案は可決されてしまった。
これらの寝返った下院民主党議員たちは、ネット上で、裏切者!、人間のクズ!とボロクソに叩かれている。
それでも、最初から国民の声を一切遮断すると固く決心し、徹底的に騙し続ける自民党の犯罪議員たちより、よほど上等だ。
こうした議員たちは、次の選挙では確実に落とされるだろうし、タダの人となったときには、ご近所の主婦からホースで水をかけられるだろう。
もう一つのTAA法案(TPP締結によって生じた失業者を支援するための労働者支援関連法案)の採決の結果は、
《反対302、賛成126》で、圧倒的に反対が多かった。
さて、次は、来週の16日に、今日、否決されたTAA法案だけ再採決が実施されることになっている。
このとき、TAA法案のほうも可決されれば、先に可決されているTPA法案とも可決、という要件を満たすので、晴れてオバマは署名することができる。
しかし、これだけの差がついているのに、わずか4日後に賛成が反対を上回ったら、米国民が大荒れになるだろう。常識で考えて、この数字がひっくり返ることなどありえないからだ。
つまり、16日の再採決も否決される公算が高い・・・とはいうもの、最近の米議会もヨレヨレで何が起こるか予断を許さない状況。最後まで気を抜けない。
TPPに反対する米市民は、下院議員たちに猛烈に電話攻勢をかけている。
日本は、というと、デモ以外、何もしない。
その上、日本のメディアは正確に報道しない。読売、産経、日経は、まさに犯罪新聞と言う以外にない。
これは、一番速く報道した日経新聞だが、論調は悲観的な見立てをするロイターと正反対で、あたかも、再採決では可決に持っていくことができるようなトーンで書いている。
これでは、日本のオッチョコチョイの有権者は、すぐに、そう思いこまされてしまうだろう。
16日の再採決でTAA法案が一転して可決されれば、相当な金が動いたということだろう。
ここしばらくは、すべての手を止めて反対の意思表示をすることだ
この様子を見ていて、形式的であろうが、どうであろうが、ちゃんと民主主義の手続きをしっかり踏んでいるアメリカの議会がうらやましくなった。
そして、アメリカの有権者の勇気には恐れ入った。
日本人はというと、まだ戸の隙間から、怖々と外を覗き見している人が大半だ。それをやっていると、ますます寿命を縮めることになるというのに、まったく世間に対して不感症なのだ。
もう、いくらなんでも気がついただろう。
2012年12月の衆院選は、明らかに不正が行われた状況証拠でいっぱいだ。
自民党から立候補した議員は、ほとんどが「TPP断固反対!」を掲げて当選した。その一ヵ月後には、なんと賛成に回る議員が出てきた。
そして、今では、99%の自民党の議員がTPP推進だ。
だから、いい加減に気づきなさい!・・・ といっても無理だろう。
自民党の立候補者は、最初から有権者を騙してもなんでも、とにかく政権を取れば天下だと考えていたのだ。
あなたは、最初から騙されているのだ、今でも。
この1、2週間で、将来、遺伝子組み換え食品をたっぷり食べさせられ、虫歯になっても歯医者にも行けず、体調が悪いと会社に連絡を入れれば、「明日から出社に及ばす」と切り捨てられ、いつまで続くか分からないカツカツ生活に苦しめられ、増税の嵐に吹き飛ばされないように、立っているだけで精いっぱい。
それだけではなく、オギャーと生まれたばかりの赤ちゃんにさえ政府から800万円以上の借金を背負わされ、カードローンの残高は日に日に膨れ上がり、とうとう仕方なくなって「日本防衛軍」に志願して戦地に行かされるかどうかの瀬戸際に立たされているのに、まったく自分の立ち位置さえ認識できず、ひたすらロボットのように生きていく生き地獄を強いられるかどうか、この数日で決まってしまうかもしれない。
というのに、私に「記事を書いて、書いて」と言ってくる、そこの僕くん、とお嬢ちゃんたち。
人を頼らないで自分で考え、自分で行動し、自分で表現しなさいと、いくらアドバイスしても理解できず、ツイッターやフェイスブックで、せこせこやってお茶を濁すような自己欺瞞に満ちた生き方を続けている、そこの僕くん、とお嬢ちゃんたち。
もっとも、まだ私ごときに、3.11前の初歩的な質問をしてくる、そこの主婦たちも似たようなものだ。そんなことで「子供を守る」などと嘘を言ってはならない。少しは己の偽善に頬を赤らめるほどの羞恥心を取り戻してほしい。
それでも、いい大人が、未だにこんな基本的なことさえ分からないのであれば、一度は地獄を見てくるのもいいいかもしれない。それは、あなた方のささやかな権利だ。
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