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安住淳が斬る!

「安住淳が斬る!」では現在の政治情勢を皆様にリアルタイムでお伝えいたします。

「政治の出番」

2008年06月27日(Fri)

千葉県沖での海難事故の犠牲者や行方不明者の多くが私の郷里の
人々であった。 冥福を祈るとともに、行方不明者の発見に全力を尽
くして貰いたい。 私の地元の石巻地方は、江戸の昔から船乗りが日
本一多い所である。 私も小中学校の同級生や前後の学年の何人
かが亡くなっているし、毎年今回のような遭難で多くの犠牲者が出て
いる。 それだけ海で生きるということは厳しい環境であるのだ。

このところの原油高はその沿岸漁業や遠洋漁業の経営をこれまで以
上に厳しいものにしている。 実は先週も三陸地域のアナゴ漁の漁師
の面々が上京して、原油高への国の対応を陳情した。 私も同行して
山田水産庁長官はじめ、水産庁の幹部の方々に現場の厳しさを伝え
た。 その矢先の事故であった。三角波が原因とも言われるが、台風
波が来て船体がひっくり返ったのであろう。船主の会見で、「原油高で
燃料代がかさむので、船長に無理させてしまったのではないかと悔や
んでいる」と沈痛な表情で話をしている姿が映っていた。 痛ましいこ
とだ。私はこういう時こそ、政治の出番であると思う。 漁業者の救済
の為に財政出動をすべきだ。 そのかわりに漁港の整備の予算を崩
しても仕方がないと思っている。福田首相のリーダーシップが必要だ。

ところで国会が閉幕して多少時間が出来た。 国会中は、国対の責任
者なので誰よりも早く国会に出て、誰よりも遅くまでいた。 それだけで
も相当なエネルギーを費やしたが、その任務から解放されてホッとして
いる。 これから秋にかけて、いろんな現場を歩こうと思っている。 先
に記した漁業の現場、また、医療現場や災害の現場、介護や福祉さら
には過疎地の自治体など、国会にいてはわからないいろんな現場を見
て回って、そこに携わっている方々と時間の許す限り話をしてみたい。
役人のように東京で机の上で仕事をするのではなく、政治家は現場で
生きた声を聞き政治に反映させるのが使命だと思う。まさに 「書を捨
てて街に出よ」 だ。

6/30TVタックルに出演いたします。

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「地震災害と復旧作業」

2008年06月20日(Fri)

先週の土曜日の朝、小学校3年生になる息子と自宅でキャッチボールを
していたところにグラッと来た。 かなりの横揺れでビックリした。すぐにテ
レビを見ると、私の石巻で震度5強。 岩手と宮城の山間部で震度6強と
出ていた。私はこれは大変だと思った。 私の住む石巻市は地震の常習
地域である。 5年前にも震度6強の宮城北部地震で、大きな被害を出す
など、日常的に震度4程度の地震もくる。 だから少々のことでは驚かな
いが、震度6強は別だ。 あえて言えば「次元」が違う。

今回の地震はさらに余震の回数も多かった。 時間が経過するにつれて
状況がわかってきた。 日程を大幅に変更して、私も、小沢代表らと現地
を歩いた。 被災地では市役所の職員や自衛隊も必死の救出作業にあ
たっていた。 一日も早い被災地への支援が必要だと痛感した。 

災害が起こったとき、日本で復興支援をやるとなると、激甚災害の指定を
受ける必要がある。 ところがこの指定を受けるのには、時間がかかる。
たとえば、宮城北部地震のときは地震が8月だったのに、局地激甚災害
の農業関係の指定は翌年の3月であった。 また住民にとって必要な橋
の復興はそれから3年かかった。 とにかく遅い。 被災住民に対しての
仮設住宅の建設も二ヶ月以上かかる。 当時私は被災者からいろいろと
話しを聞いて感じたことがあった。 それは、多くの住民は建設会社など
で使っているワンボックスのプレハブがあれば自宅の庭先で、当面生活
が出来て、不自由な避難所生活から解放されるということだ。 その一ヶ
月の賃貸料は、ワンボックスあたり2~3万円で済むこともわかった。

しかし当時、日本ではそうした被災者への貸与制度はなかった。 そこで
後日、当時総務大臣だった麻生議員にそのことを話したところ、麻生大臣
はなるほどとうなづいてくれてその日の内にプレハブの貸与を自治体が出
来るように手配をしてくれた。この貸与が今、どれだけ自治体に行き渡って
いるかはわからないが、被災者が望んだらすぐにやってあげればいい。
特に田舎では助かるはずだ。話を戻すが、激甚災害の指定を、半年も待
たせるのではなく、地元の自治体に一ヶ月程度でお金が行き渡るような
仕組みに変えるべきだと思う。 被害の査定に半年以上かけ被災自治体
に陳情を繰り返させるのはまさに江戸時代の発想だ。 教訓を次に生か
してこそ防災対策は生きてくる。


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「問責と信任」

問責決議と信任決議。 2日のうちにその両方が可決するのは、憲政史上
初めてのことだろう。 さて、解散のない参議院での問責決議と法律でその
権力が明記されている衆議院の信任、不信任決議ではどちらが重いのか。

法律的にはもちろん衆議院での決議である。衆議院では、不信任決議の可
決の場合、首相には対抗する手段として、解散権が与えられている。
この権力は衆議院議員全員をクビに出来るのだからわが国で最高最大のも
のである。これに対し参議院の問責はどうかというと、 確かに法律上の権限
はないので政治的道義的問題は発生するが首相の権力はしばられない。 し
かし、現実には、問責をくらった首相が、何事もなかったようにまた参議院に顔
を出せるかというとなかなかそうはいかないのではないか。だから問責も案外と
重いものといえる。 

今回のように衆参の意思がはっきりと分かれた時は、民意に判断してもらうと
いう他にはあるまい。 しかし現実には、解散しないことで福田首相は求心力
を維持している。 もし解散のにおいでもすれば、たちまち自民党では、福田
降ろしが顕在化する。 逆に解散しませんとがんばれば命脈は保てる。 つま
りこれまでの逆である。 解散権をちらつかせて政治状況を静めてきたのが歴
代首相であった。 これと真逆の不思議な低高飛行を続ける福田内閣は果たし
て、どこまで続くのか。 

今国会は去年の臨時国会から引き続きだったため10ヶ月ぶち抜き国会となっ
た。 休んだのは、わずかに1月の中旬の4日間である。 その終着駅が、問
責決議と信任決議の両方の可決であった。民主党は途中大連立騒動など、き
わどいこともあったが何とか乗り切り、道路特定財源や年金問題では国民のた
めにさまざまな情報を提供出来たと思う。ここにきて、霞ヶ関のいわゆる居酒屋
タクシー問題が発覚して、改めてわが国の官僚社会の腐敗のあり様が明らかに
なった。 止めどもなく続く不祥事。 さらに思いやりに欠けた高齢者医療制度の
施行など自民党は明らかに国を統治する力を失った。 
 
しかし解散しない福田内閣は続く。 つまりは日本の構造改革を阻んでいるのは
首相と自民党だと私は結論付ける。日本の政治を動かそうとするなら一日も早く
選挙をすることだ。 いずれの選挙の結果でも政治は劇的に動く。 国民も政治
が動き出すことを望んでいると思うのだがその声はどうやら福田さんには届かない。


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「修正協議と問責」

今週は問責決議案をどうするかでずいぶんと党内で時間を費やした。
結論的には、道路問題や後期高齢者医療制度への政府の対応につ
いて、党としての明確な意思表示が必要ということで、来週には提出
の方針となった。 

支持率20%ということは、すでに国民から不信任を受けているような
ものであるが、参議院としての意思も必要だ。 ただしこの問責の為
に、オウム被害者の救済法や、アスベスト対策法など人道上成立させ
たい法律を犠牲に出来ないので、国対で自民党と話し合いを続けてい
る。 終盤国会は、公務員制度改革を皮切りに与野党の法案修正協
議の連続であった。 前向きな修正は悪いことではない。しかし、現場
では委員会質疑を飛び越えて、いきなり修正合意となるケースが多い
ので私の方から担当者に厳重注意をした。 何故かというと、国民から
見て、法律のどこに問題があって、与野党はどこを修正協議したのか
議事録に残しておきたいからだ。 そうでないと、修正協議のプロセス
がまったく歴史に埋もれてしまう恐れがある。 民主党の各委員会の責
任者は政策通が多いので、時にのめり込んで、与党との話し合いには
まってしまう。 しかしこれは、与党にとっては、一つの作戦でもある。
政策実現も大事ではあるが、あまりにも修正協議をやりすぎると対決色
が薄まってしまう。 

本当にねじれ国会の対決はいろんなバリエーションがあってこちらも勉
強になる。 悩ましいことの連続だ。 やはり法律の対応にはメリハリが
必要だ。対決するところはとことんやる。 逆に人道上必要なものについ
ては修正合意をめざす。 この辺をうまくハンドリングしないと現場が混乱
してしまう。 たぶん、来週で国会は終わるだろうが今国会での教訓を次
の国会に生かしていく必要がある。 すべてのことが初体験だったので、
その最前線にいた者の一人として、貴重な経験を今後に生かしていきたい。


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