コンテンツにスキップ

津村節子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
津村 節子
つむら せつこ
文化功労者顕彰に際して公表された肖像写真
誕生 北原 節子
(1928-06-05) 1928年6月5日(96歳)
日本の旗 日本福井県福井市
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
教育 準学士
最終学歴 学習院女子短期大学文学科国文学専攻
活動期間 1959年 -
ジャンル 小説
代表作 『玩具』(1965年)
『さい果て』(1972年)
『白百合の崖-山川登美子・歌と恋』(1983年)
『流星雨』(1990年)
『智恵子飛ぶ』(1997年)
主な受賞歴 芥川龍之介賞(1965年)
女流文学賞(1990年)
芸術選奨(1998年)
勲四等宝冠章(2001年)
恩賜賞日本芸術院賞(2003年)
川端康成文学賞(2011年)
菊池寛賞(2011年)
文化功労者(2016年)
紺綬褒章(2018年)
デビュー作 『華燭』(1959年)
配偶者 吉村昭
テンプレートを表示

津村 節子(つむら せつこ、1928年昭和3年)6月5日 - )は、日本小説家。本名は吉村 節子(よしむら せつこ、旧姓北原)。日本芸術院会員、文化功労者

福井県福井市生まれ[1]1965年「玩具」で芥川賞1990年『流星雨』で女流文学賞1998年『智恵子飛ぶ』で芸術選奨文部大臣賞2003年「長年にわたる作家としての業績」で恩賜賞日本芸術院賞受賞。同年日本芸術院会員となる[1]2011年「異郷」で川端康成文学賞受賞[1]。ふるさと五部作に『炎の舞い』、『遅咲きの梅』、『白百合の崖』、『花がたみ』、『絹扇』がある[1]。夫も小説家の吉村昭

略年譜

[編集]

著書

[編集]
  • 『華燭』次元社 1959 - のち中公文庫 1985 - 「明日への盛装」の題で映画化(中村登監督)
  • 『浮巣』光風社 1960
  • 『玩具』文藝春秋 1965(芥川賞 1965) - のち集英社文庫(解説:広部英一)
  • 『海鳴』講談社 1965 - のち文庫
  • 『女の椅子』講談社 1967 - のち集英社文庫 1984(解説:安西篤子) - 昼ドラマ「愛の劇場」で「愛ってなに」の題でドラマ化
  • 『青い実の熟すころ』集英社 1968
  • 『夜光時計』新潮社 1969 - のち集英社文庫(解説:中村八朗
  • 『石の蝶』新潮社 1970 - のち集英社文庫(解説:落合清彦
  • 『風の吹く町』月刊ペン社 1970 - のち集英社文庫
  • 『銀座 老舗の女』 東京書房社 1970
  • 『白い焔』読売新聞社 1971 - のち集英社文庫 
  • 『さい果て』筑摩書房 1972 (新潮同人雑誌賞 1964)
  • 『ふれあう心 女の生きがいと幸せの在処』 大和書房 1972
  • 『婚約者』毎日新聞社 1972 - のち集英社文庫(解説:松本徹
  • 『欲望の海』講談社 1972 - のち文庫 1985
  • 『葬女』筑摩書房 1973 - のち集英社文庫(解説:進藤純孝
  • 『女』読売新聞社 1973 - のち集英社文庫 1984(解説:松本徹
  • 『炎の舞い』毎日新聞社 1975
  • 『日本やきもの紀行2』平凡社 1975 
  • 『娼婦たちの暦』講談社 1975
  • 『星がゆれる時』光文社 1976 - のち集英社文庫(解説:大河内昭爾
  • 『書斎と茶の間』毎日新聞社 1976
  • 『春の予感』文藝春秋 1976.5 - のち文庫
  • 『みだれ籠 旅の手帖』読売新聞社 1977 - のち文春文庫 1989
  • 『ガラスの階段』文藝春秋 1978 - のち文庫
  • 『遅咲きの梅』中央公論社 1978.10 - のち文庫 1979、講談社文庫
  • 『ひめごと』実業之日本社 1978 - のち集英社文庫 1984(解説:森常治
  • 『凍蝶』読売新聞社 1979 - のち集英社文庫
  • 『春のかけら』講談社 1979 - のち文庫 1988
  • 『重い歳月』新潮社 1980 - のち文春文庫
  • 『遊園地』中央公論社 1980
  • 『風花の街から』毎日新聞社 1980
  • 『冬の虹』新潮社 1981
  • 『心をつむぐ 伝統の美をささえるもの』大和書房 1981
  • 『冬銀河』読売新聞社 1982
  • 『空中楼閣』毎日新聞社 1982 - のち集英社文庫 1986
  • 『母の部屋』集英社 1982
  • 『白百合の崖-山川登美子・歌と恋』新潮社 1983 - のち文庫 1986
  • 『海の星座』毎日新聞社 1984 - のち文春文庫
  • 『女の引出し』文化出版局 1984 - のち中公文庫 1988
  • 『千輪の華』新潮社 1985
  • 『土と炎の里』中央公論社 1986 - のち文庫 1989
  • 『女の居場所』海竜社 1987 - のち集英社文庫
  • 『惑い』読売新聞社 1987
  • 『幸福村』新潮社 1989
  • 『青ほおずき』學藝書林 1989
  • 『霧棲む里』講談社 1989 - のち文庫 1993
  • 『流星雨』岩波書店 1990(女流文学賞) - のち文春文庫
  • 『恋人』講談社 1990 - のち文庫
  • 『花がたみ』中央公論社 1992
  • 『茜色の戦記』新潮社 1993 - のち文庫
  • 『黒い潮』河出書房新社 1995
  • 『星祭りの町』新潮社 1996 - のち文庫 
  • 『光の海』文藝春秋 1996 - のち文庫
  • 智恵子飛ぶ』講談社 1997(芸術選奨文部大臣賞 1998) - のち文庫 2000
  • 『幸福の条件』新潮社 1998
  • 『花時計』読売新聞社 1998.11
  • 『合わせ鏡』朝日新聞社 1999
  • 『瑠璃色の石』新潮社 1999 - のち文庫
  • 『菊日和』講談社 2002 - のち文庫 
  • 『絹扇』岩波書店 2003 - のち新潮文庫 
  • 『似ない者夫婦』河出書房新社 2003
  • 津村節子自選作品集』全6巻 岩波書店 2005
1.初期の短篇と、自伝作品「茜色の戦記」「星祭りの町」「瑠璃色の石」
2.「白百合の崖」、「智恵子飛ぶ」-山川登美子高村智恵子の評伝小説
3.長編作品2編(「花がたみ」「絹扇」) 
4.歴史小説2編(「海鳴」「流星雨」) 
5.長編作品2編(「石の蝶」「黒い潮」) 
6.短篇作品16編(解説:高橋英夫) 
  • 『土恋』筑摩書房 2005 - のち文庫  
  • 『櫻遍路』河出書房新社 2008  
  • 『ふたり旅 生きてきた証しとして』岩波書店 2008
  • 『遍路みち』講談社 2010 - のち文庫 
  • 『紅梅』文芸春秋 2011 - のち文庫 2013
  • 『夫婦の散歩道』河出書房新社 2012
  • 『人生のぬくもり』河出書房新社 2013
  • 『似ない者夫婦』河出書房新社 2013 
  • 『三陸の海』講談社 2013 - のち文庫 
  • 『遥かな道』河出書房新社 2014
  • 『果てなき便り』岩波書店 2016
  • 『時の名残り』新潮社 2017 - のち文庫
  • 『明日への一歩』河出書房新社 2018
  • 『虹色のあじさい 津村節子自選作品集』鳥影社 2022

共著編

[編集]

評伝

[編集]
  • 坂本満津夫『小説家・津村節子』おうふう、2003年
  • 川西政明『道づれの旅の記憶 吉村昭・津村節子伝』岩波書店、2014年
  • 谷口桂子『吉村昭と津村節子 波瀾万丈おしどり夫婦』新潮社、2023年

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ この文学賞の名前は津村の随筆集『風花の街から』に由来する。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d ふるさとゆかりの作家について
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah 津村節子の軌跡
  3. ^ 津村節子文学室(1998)津村節子の軌跡Ⅴ
  4. ^ 「秋の叙勲 晴れの受章者 勲四等―勲六等」『読売新聞』2001年11月3日朝刊
  5. ^ 津村節子展(2018)p59

参考文献

[編集]
  • 津村節子『津村節子自選作品集 6』岩波書店、2005年6月。ISBN 978-4-000271264 
  • 仁愛女子短期大学国文学科郷土文学研究センター 編『津村節子文学室-資料集』仁愛女子短期大学国文学科郷土文学研究センター、1998年9月。 
  • 福井県ふるさと文学館 編『津村節子と吉村昭果てなき旅』福井県ふるさと文学館、2015年2月。 
  • 吉村昭記念文学館 編『津村節子展 生きること、書くこと』荒川区、2018年10月。 

関連項目

[編集]