コンテンツにスキップ

中村昌生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
なかむら まさお

中村 昌生
生誕 1927年8月2日
日本の旗 愛知県
死没 (2018-11-05) 2018年11月5日(91歳没)
出身校 彦根工業専門学校(現滋賀大学[1]
職業 建築家建築史家
配偶者 あり
テンプレートを表示

中村 昌生(なかむら まさお、1927年[2]8月2日[3] - 2018年11月5日)は、日本の建築家建築史家日本建築史)。京都工芸繊維大学名誉教授[2][3]福井工業大学名誉教授[4]京都伝統建築技術協会を設立[5]、理事長を務める[6]。専攻は日本建築工学博士[7]

愛知県出身[1]。それまで建築史研究の対象としてはまれであった茶室数寄屋建築を本格的に研究し、研究によって得られた知見を生かして設計活動を行った。また、桂離宮修理事業をはじめ、伝統建築の保存に貢献した[3]

来歴

[編集]

1927年愛知県名古屋市生まれ[3][5]彦根工業専門学校建築学科(現滋賀大学)を卒業した後、京都大学工学部の研修員となる[4]。同大学助手等を経て、1973年京都工芸繊維大学教授[1][4]。この間、文化財保護審議会専門委員や桂離宮整備委員、茶の湯文化学会会長等を歴任した。また、木造建築の伝統の継承と発展を目的とした京都伝統建築技術協会1980年に設立。京都工芸繊維大学退官後は福井工業大学で教鞭を執る[1]2001年京都迎賓館伝統的技能活用検討委員会委員長[8]2015年、京都の数寄屋大工平井家旧蔵の「小堀遠州後藤勘兵衛宅茶室」(擁翠亭)を発見した。

2018年11月5日、呼吸不全で死去。91歳没[9]。叙正四位[10]

受賞歴

[編集]

作品

[編集]

他多数

著書

[編集]
単著
  • 『茶匠と建築』鹿島出版会、1971年1月1日。ISBN 978-4306050532 
  • 『茶室の研究』墨水書房、1971年。ASIN B000J92WNU 
  • 『茶室百選』淡交社、1983年1月。ISBN 978-4473008015 
  • 『数寄屋建築集成―細部集 第6巻 床の意匠』小学館、1983年5月28日。ISBN 978-4096980064 
  • 『京の町家』河原書店、1994年8月。ISBN 978-4761101268 
  • 『茶室の見方(茶の湯案内 (7))』主婦の友社、1984年9月。ISBN 978-4079181174 
  • 『現代の数寄屋―公共施設集』毎日新聞社、1990年9月。ISBN 978-4620802534 
  • 『待庵―侘数寄の世界』淡交社、1993年4月。ISBN 978-4473012890 
  • 『日本の匠―六十三人の棟梁と語る』学芸出版社、1995年6月。ISBN 978-4761540517 
  • 『茶室のある邸宅(数寄屋邸宅集成)』毎日新聞社(普及版)、1995年9月。ISBN 978-4620604732 
  • 『大広間のある邸宅(数寄屋邸宅集成)』毎日新聞社(普及版)、1995年10月。ISBN 978-4620604749 
  • 『図説 茶室の歴史―基礎がわかるQ&A』淡交社、1998年9月1日。ISBN 978-4473016140 
  • 『建築講座 古典に学ぶ茶室の設計(建築知識スーパームック)』エクスナレッジ、1999年9月30日。ISBN 978-4767800486 
  • 『数寄の空間―中村昌生の仕事』淡交社、2000年5月。ISBN 978-4473017161 
  • 『茶室の研究―六茶匠の作風を中心に』河原書店(新訂版)、2001年1月。ISBN 978-4761101312 
  • 『数寄屋と五十年―茶の建築の研究と和の創造をたどる』淡交社、2007年3月1日。ISBN 978-4473033390 
  • 『茶室を読む―茶匠の工夫と創造(裏千家学園公開講座PELシリーズ)』淡交社、2008年10月1日。ISBN 978-4473019424 
  • 『茶室集成』淡交社、2008年10月30日。ISBN 978-4473033796 
  • 『和の佇まいを-中村昌生の茶室随想-』宮帯出版社、2011年11月30日。ISBN 978-4863668140
共著

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e デジタル版 日本人名大辞典+Plus. "中村昌生 なかむら-まさお". コトバンク. 2018年5月10日閲覧
  2. ^ a b ソフィア 京都新聞文化会議 - 中村昌生氏 暮らしに日本の伝統技術を 京都新聞 2013年03月24日掲載
  3. ^ a b c d e 『現代日本人名録2002』3巻p1235 2000年11月
  4. ^ a b c 神戸芸術工科大学|環境・建築デザイン学科|2008年度特別講義:中村昌生「日本建築の空間」 2009/01/21
  5. ^ a b 伝統未来塾 「中村昌生先生の伝統建築探訪」 2009年05月09日改訂版
  6. ^ 理事長よりご挨拶, 京都伝統建築技術協会
  7. ^ 中村昌生『数寄屋と五十年―茶の建築の研究と和の創造をたどる』淡交社、2007年3月1日。ISBN 978-4473033390  - ASIN 4473033392商品説明の著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」)より抜粋。
  8. ^ 京都迎賓館 コミュニケーションレター第3号 平成14年1月
  9. ^ “茶室研究の第一人者、中村昌生さん死去 91歳”. 朝日新聞デジタル. (2018年11月8日). https://www.asahi.com/articles/ASLC83F1FLC8PLZB008.html?iref=pc_ss_date 2018年11月10日閲覧。 
  10. ^ 『官報』7407号、平成30年12月11日
  11. ^ 【歴代授賞者一覧】日本芸術院
  12. ^ 京都府文化賞受賞者 (PDF)
  13. ^ 中村昌生【京都工芸繊維大学名誉教授・福井工業大学名誉教授】 文化・社会部門
  14. ^ “重文の茶室再現、光る匠の技 中之島香雪美術館が開館へ”. 朝日新聞デジタル. (2018年3月20日). https://www.asahi.com/articles/ASL3J5HRYL3JPTFC00S.html?iref=pc_ss_date 2018年11月10日閲覧。