「プロジェクト管理(PM)ツールや情報共有ツール、継続的インテグレーション(CI)ツール、継続的デリバリー(CD)ツールの導入状況は、どうなっているのか?」。
この実態を明らかにすべく、日経SYSTEMS編集部では3月15日から4月18日にかけて「開発支援ツール徹底調査2013」を実施した。同調査は以前の記者の眼で協力をお願いしたものだが、結果が出そろったので、ここに詳細を報告したい。
なお、調査ではカテゴリーを「PM/情報共有ツール」「CI/CDツール」の2つに分けて、カテゴリーごとに利用状況や利用しているツール名、利用開始時期などを尋ねている。有効回答件数は1532件となった。
PM/情報共有ツールは使い分けが進む
まずは、PM/情報共有ツールの調査結果から見ていこう。直近2年間でPM/情報共有ツールを利用したことがあるという回答は、846件に当たる55.2%だった。回答者の2人に1人は、何らかのPM/情報共有ツールを利用している結果となった。
直近2年間でPM/情報共有ツールを利用したことがあるという回答者に対して、実際にどのツールを利用しているのかを尋ねた。トップは「Microsoft Project」(MS Project)で48.7%、2位はオープンソースソフトウエア(OSS)の「Redmine」で40.4%、3位も同じくOSSの「Wiki」で32.4%だった(図1)。
利用しているツールを複数選択できるようにしたため、調査結果からは併用しているツールを調べられる。上位3つのツールについて併用の状況を調べたところ、MS ProjectとRedmineを併用するという回答が125件、MS ProjectとWikiを併用するという回答が121件となった。調査では同一プロジェクトでの併用なのか、異なるプロジェクトでの個別利用なのかまでは把握できないが、それでも思っていた以上に、MS Projectと他の2つのツールとの併用者が多いように感じられる。
3つのツールのうち、MS ProjectとRedmineはPMツール、Wikiは情報共有ツールと用途が分かれる。このため、Wikiが他の2つのツールと併用されることには納得がいくが、同じPMツールであるMS ProjectとRedmineが併用される理由は何だろうか。実際に2つのツールを併用するSIベンダーに話を聞くと、「顧客と情報共有するときはMS Project、現場で情報共有するときはRedmineと使い分けている」というケースが多いようだ。
Redmineとは、タスクの割り当てと進捗を管理するためのツールである。特徴は、タスクごとにチケットを作成することで、チケットに作業内容の指示や担当者名、ステータスといった情報を記入する。基本的にはプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーがチケットを作成し、担当者を割り当てる。割り当てられた担当者は、チケットに記載された指示を参照して作業を開始し、進み具合に応じてステータスを更新していく。