日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2013年7月9日、運用自動化ソリューションの最新版として、サーバー管理自動化ツール「HP Server Automation 10」、ITプロセス自動化ツール「HP Operations Orchestration 10」(HP OO 10)、ハイブリッドクラウド管理ツール「HP Cloud Service Automation 3.2」(HP CSA 3.2)の3製品を発表した。
日本HP 常務執行役員 HPソフトウェア事業統括の中川いち朗氏(写真1)によると、IT管理の自動化は「HP OpenViewの時代から20年以上にわたって取り組んでおり、HPが最も得意とする分野」だという。CTCテクノロジーや鉄道情報システム(JRシステム)、ソネットエンタテインメントなど大手企業での導入も進んでいるほか、「東日本大震災後にクラウド環境への移行が進んでデータセンターの見直しに拍車がかかっていることもあり、HPの自動化製品は引き合いも非常に多い」(中川氏)としている。
今回発表した3製品は、クラウド環境での運用自動化のニーズに対応するためのものだ。米HP 最高技術責任者(CTO) HPソフトウェアのジェローム・ラバット氏(写真2)は、モビリティ、クラウド、ソーシャル、ビッグデータといった新たなトレンドがITの環境と運用を変えていると指摘、「この変革はチャンスでもあり課題でもある。これらのニーズをサポートしていかなくてはならない」と述べた。
Converged Cloud戦略に基づいた製品を強化
HP Server Automation 10は、サーバー導入から廃棄までのライフサイクル管理を自動化するツールで、プロビジョニングやパッチの適用、構成管理、コンプライアンス管理などを自動化する。新バージョンでは、VMware ESXiベースの仮想アプライアンス製品「HP Server Automation Virtual Appliance(SAVA)」を新たに提供する。SAVAは、仮想サーバー環境の構成管理に必要なモジュールをVMイメージとしてパッケージ化するため、HP Server Automationのセットアップが1時間以内に完了できるという。
HP OO 10は、ITプロセスを効率的に運用するためのワークフロー自動化ツールだ。運用自動化のテンプレート機能「OO Content(Processes Automation Library)」の数の多さが特徴で、「競合が用意するテンプレートは数百レベルだが、HPではこれまでの4000種類からさらに拡大し、新バージョンで5000種類を超えるテンプレートを提供することになった」と中川氏。
中でも、Amazon EC2やOpenStackなどのパブリッククラウドリソースや、vCloud Director、Hyper-V、KVMなどのサーバー仮想化製品に対応するテンプレートを強化した。これにより、オンプレミスやハイブリッドクラウドなどさまざまな環境に最適化した運用自動化が可能になるという。