東京地検は2013年3月22日、2月10日に逮捕された「遠隔操作ウイルス事件」の容疑者である30歳の男性を、威力業務妨害、偽計業務妨害、ハイジャック防止法違反の3つの罪で東京地裁に起訴した。報道各社が一斉に報じた。

 男性は、「iesys.exe」と呼ばれるコンピュータウイルス(マルウエア)を作成し、他人のパソコンを遠隔操作した容疑をかけられている。遠隔操作によって、ネット掲示板で大量殺人予告をしたり、航空会社に「爆発物を仕掛けた」というメールを送信して安全運航を阻害したりした疑いがあるとして起訴された。

 男性は東京地裁で2度開かれた勾留理由開示手続きにおいて、容疑を否認し、無罪を主張している。

 遠隔操作ウイルス事件を巡っては、一連の捜査の過程でこの男性以外に4人が誤認検挙され、捜査当局の信頼が大きく揺らぐ事態になった(関連記事:大阪府警などが遠隔操作ウイルス事件の検証結果公表、「極めて遺憾」)。男性が2月10日早朝に逮捕された時には、報道各社はこの種のコンピュータ犯罪としては異例の大きな扱いで報道した(関連記事:容疑者が逮捕された遠隔操作ウイルス、その経緯と正体)。