日本IBMは2012年6月14日、大量データ分析ソフトの新版「IBM InfoSphere BigInsights V1.4」を発表した。6月15日に出荷する。新版では、ライセンス価格を変更することなく、別製品のストリーム処理ソフト「IBM InfoSphere Streams V2.0」を同梱した。蓄積された非構造化データの分析に加え、リアルタイムに流れてくるデータの処理/分析が可能になる。

 BigInsightsは、大量のデータを分析するシステムをHadoopを使って構築するためのミドルウエアである。Hadoopを活用するためのツール群を、企業向けにパッケージ化している。MapReduce処理を扱いやすくする上位言語(Jaql、Pig、Hive、その他)、統合開発環境、ジョブスケジューラー、ワークフローエンジンなどを一式提供する。

 一方、今回BigInsightsに同梱して提供するStreamsは、ストリーム処理/CEP(複合イベント処理)ソフトである。流れてくる(入力されてくる)データに現われる、データ同士の関連性などのイベントをリアルタイムに分析し、こうしたイベントに応じて業務ルールを逐次実行する。BigInsightsとStreamsを同時に使うことで、蓄積データとリアルタイムデータの両方を分析できるようになる。

 BigInsightsの価格(税別、以下同)は、処理データ量1Tバイト当たり114万円から。一方、Streamsの単体の価格は、560PVU(CPU処理単位)で638万4000円である。今回、BigInsightsにSteamsを同梱し、BigInsightsのライセンスを購入するとStreamsのライセンス(560PVU、638万4000円)が付いてくるようになった。ただし、同梱版のStreamsは、単体で販売している版とは異なり、必ずBigInsightsと組み合わせて使う必要がある。

 BigInsightsの新版(V1.4)ではまた、開発用のライセンスとして、処理できるデータ容量を20Tバイトに抑えることで低価格化を図った「スターター・キット」を、55万5000円で新たに用意した。なお、従来版(V1.3)の時には、2012年5月に、それまでの価格である1Tバイト当たり285万円を114万円に下げている。