丸善は2007年6月26日、同社が独自に運営しているオンラインショッピングサイト「丸善インターネットショッピング」を8月をめどに閉鎖し、それに代わってアマゾン ジャパンのシステムを利用した同名のサイトへ移行すると発表した。
新しいサイトはいわば、Amazon.co.jpを丸善向けにカスタマイズしたようなもので、商品管理や配送など一切合切でAmazon.co.jpのシステムを利用する。丸善独自の出版物や文具なども取り扱っていく予定だが、商品ラインアップは基本的にはAmazon.co.jpのもので、約1000万点すべてに対応する。このため、検索では書籍や文具以外もヒットしてしまうが、「書籍と文具を主に扱う会社なので、(ベビー商品や健康商品など)自社の性格と合わない製品をプッシュするつもりはない」(丸善の小城武彦社長)という。
Amazon.co.jpで利用できるポイントや、2007年6月に開始した会員サービス「Amazonプライム」も新しい丸善インターネットショッピングで利用できるようにしていく。Amazon.co.jpのマーケットプレイスに出品されている中古本に関しては「丸善が売るわけではなく、飽くまで場所を貸しているだけ。見せ方をどうするかは未定だが、基本的にはAmazon.co.jp同様取り扱う予定」(小城社長)だという。
既存の丸善インターネットショッピングのユーザーは新たに会員登録し直す必要がある。Amazon.co.jpのユーザーは、Amazon.co.jpで利用しているIDとパスワードで新しい丸善のインターネットショッピングを利用できる。
丸善は「既存の丸善インターネットショッピングは正直弱かった。アマゾンの力を借りて、サービスを改善したい」(小城社長)と考え、1年前にアマゾン ジャパンと協議を開始した。小城社長は「同業者という意味では違和感があるかもしれないが、ユーザー満足は得られる」というが、事実上オンラインのB to C市場からは手を引く形だ。丸善は売上に応じて、アマゾン ジャパンから一定金額をもらう形になる。これにより、「システム運用の投資は2億~3億円レベルで下げられる。売上は減収となるが利益は上がると考えている」(小城社長)と見込んだ。
- 新しい「丸善インターネットショッピング」(2007年7月6日からインフォメーションページを開設予定)