ソーシャルメディア炎上事件簿の第2回は学生が引き起こした事件。全国高校野球の準優勝校出場選手がブログ上で飲酒を自ら書き込んでいた。大学生がTwitterでカンニング告白ツイートや、ブログに暴力行為を書き込んだりもしている。書いた本人は匿名で書いたつもりでいても、ネット利用者たちは、時にはいともたやすく個人を特定してしまう。
劇的な試合の連続で、例年になく盛り上がった2011年夏の全国高校野球。青森県勢42年ぶりの準優勝という快挙を成し遂げ、8月22日に地元の八戸に凱旋した光星学院ナインを待ち受けていたのは、街を上げての祝福ではなく、学内での取り調べだった。
試合にも出場していた主力選手3人が、昨年暮れに帰省した際に飲酒したことを自らブログに書き込み、それについての“タレ込み”が学校側にあったためだ。部員3人はその事実を認め、停学処分に。祝賀ムードは吹き飛んでしまった。
部員が書き込んでいたのは、ミツバチワークス(東京都渋谷区)が運営するケータイ向けのブログサービス「デコログ」。ユーザーの8割が16~21歳と未成年が多いため、出会い目的のキーワード検索からユーザーを守ろうと、2008年にはブログ内のキーワード検索機能を廃止している。そうした配慮から「安心して投稿できるサービス」との定評がある。では、なぜ部員の投稿は表沙汰になってしまったのか。
もし女子マネージャーのブログが特定されたら…
きっかけは同校の女子マネージャーのブログだった。『もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら)』人気の影響もあってか、雑誌で女子マネ企画が組まれたり、試合中もアルプススタンドから応援する姿が映し出されたりすることがあった。
とりわけ同校のマネージャーは、最近テレビなどで話題の人気女子タレントに似ていると話題になっていた。ネット上の掲示板でまず彼女のブログが特定され、そこからリンクが張られていた野球部員の過去の記述をたどっていくと、昨年末に選手が記述した飲酒の件が見つかったという流れだ。
みちのく旋風を巻き起こして被災地を勇気付けた同校の戦いぶりだったが、一方でベンチ入りメンバー18人のうち15人が県外出身者で大阪出身者が大半を占めていた。問題の飲み会は、選手が大阪に帰省した際に地元の友人と開いたものだった。
選手のブログには、前出の女子マネとの2ショットプリクラ写真が複数掲載されていたことなどもあり、「見なかったことにしておこう」という寛容な心を失わせたようだ。そして、野球部員を悲劇が襲った――。
日大でカンニング告白3連発!
最近、学生がTwitterやブログで不謹慎な投稿をしてはネットでさらし上げられ、“炎上”する事件が多発している。法律に抵触すること、また触れなくても明らかになれば単位取得が無効になったり、停学に追い込まれるようなことを、平気でツイートしてしまう。由々しき問題である。
日本大学では前期試験シーズンの7月、立て続けに3件のカンニング告白ツイート事件が起きた。
1件目は7月12日の夜。「今日はあと2つテストあるしカンニングスキルあげよ」「カンニングのプロだからばれるわけないわ!」といった無防備なツイートを、ネットの掲示板にさらされた日大2年生は、Twitterのプロフィール欄にmixiで使っているニックネームを記載していた。mixiで検索すると、所属大学・学部や名前が分かるようになっていたため、あっという間に個人が特定され、大学側にも通報されてしまった。
2件目は7月22日、「簿記人生初のカンニングで10分で終わった ○○○(恐らく答案を見せてくれた友人の名前)ありがと」とツイートした日大1年生は堂々としたもので、Twitterアカウントはローマ字でつづった実名フルネーム。プロフィール欄には学部・学科・学年まで載せていた。そのため、mixiやブログに載せていた写真、アルバイト先の情報なども流出した。