Fedoraは、Fedora Projectが提供するLinuxディストリビューションです。さまざまな先進機能をいち早く実装することを重視して開発されているLinuxディストリビューションです。また、Fedoraでテストされた機能については、Red Hat Enterprise Linuxに採用されます。
本インストールガイドでは、2010年5月25日にリリースした「Fedora 13」のDVD版を利用したインストール方法を紹介します。
Fedoraをインストールする際には、以下の注意事項を確認の上、慎重に行ってください。
(1) Windowsとの共存
Windowsが既にインストールされたパソコンにLinuxを追加インストールする際には注意が必要です。同一ハードディスクにWindowと Linuxを共存させ、起動時に選択する「デュアルブート」の設定も可能ですが、もし手順を誤るとハードディスク内のWindows領域を消去してしまう可能性があります。Linux専用のパソコンやハードディスクを用意して、そこにインストールするのが理想です。
(2) マルチブート構成にする際の注意点
マルチブート構成にする場合は、あらかじめWindowsの起動ディスクを作成しておくことをお勧めします。Linuxのインストールが正常に終了しなかったときにWindowsを起動するには、この起動ディスクが必要な場合があるためです。Linuxを削除してWindowsだけが起動するように戻すときには、ハードディスクの先頭領域にあるMBR(マスターブートレコード)に、Windowsを起動するプログラムを書き込む必要があります。それには、Windowsの起動ディスクを使って起動し、コマンドプロンプトで「fdisk /mbr」を実行します。Windows XP/2000/Vista/7の場合は、Windows回復コンソールを利用します。回復コンソールが起動したら、Windows 2000/XPの場合は「fixmbr」、Windows Vista/7の場合は「bootrec /FixMbr」、「bootrec /RebuildBcd」の順に入力します。
(3) ハードウェアの動作について
使用するパソコンによっては、Linuxをインストールしただけでは利用できないデバイスがあります。デバイスのベンダーがLinux対応ドライバを公開しているかどうか、ベンダーのWebページをチェックしてください。
(4) ディスク容量について
Fedoraには多数のパッケージが用意されています。インストールの手順13で「グラフィカルデスクトップ」「ソフトウェア開発」「Webサーバー」のチェックを外してインストールすることで総容量を2Gバイト程度にできます。また、その手順上の「今すぐカスタマイズする」でインストールするパッケージを独自に選択し直すことでさらに容量を減らせます。
免責事項
インストールによって動作しなくなった、データが消えてしまったなどのトラブルが発生しても、弊社および著者、ディストリビュータは一切の責任を負いません。また、インストールに関する質問についても承けかねます。自己の責任においてインストールを行ってください。