●名称:openSUSE 10.3 CD-GNOME,CD-KDE ●提供元:The openSUSE project ●URL:http://www.opensuse.org/ ●対応機種:PC AT互換機,PowerPC搭載機 |
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「openSUSE」は,openSUSEプロジェクトが主導するコミュニティ・ベースで開発されている,無償で入手して利用できるLinuxディストリビューションです。コミュニティのサイトなどから自由にダウンロードして使用できます。openSUSEとその製品版ともいえる「SUSE Linux」の関係は,「Red Hat Enterprise Linux」と「Fedora」の関係でいえば,Fedoraに相当するのが,openSUSEです。SUSE Linxは,openSUSEがベースとなっており,Red Hat Enterprise Linuxに相当するといえるでしょう。
openSUSEの大きな特徴は,「YaST」と呼ばれる独自の管理ツールを備えていることです。YaSTを通じて,ハードウエアやシステムの一元管理が可能です。またGUI環境では,YaSTをグラフィカル・ユーザー・インタフェースに対応させた「YaST2」が利用できます。
openSUSE 10.3からは,パッケージ管理ツールが「libZYpp」に刷新されました。この新しいパッケージ管理ツールでは,コマンドで管理可能な「zypper」が用意されており,「zypper install パッケージ名」などと実行することで,パッケージのインストールなどが行えるようになりました。また,グラフィカルな管理ツールである「zypper tool」も用意されており,このツールを使ってもパッケージのインストールやアップデートなどが可能です。
openSUSE 10.3では,数種類のインストール・メディアが配布されています。多くのパッケージを含んだDVD版,デスクトップ環境にGNOMEを採用したCDサイズのCD-GNOME版,デスクトップ環境にKDEを採用したCDサイズのCD-KDE版があります。いずれのインストール・メディアでもopenSUSEのサーバーから追加パッケージを入手してインストールすることも可能です。
ここでは,openSUSE 10.3のCD-GNOME版とCD-KDE版を用いた導入方法を紹介します。両者のインストール手順に大きな違いはありません。
openSUSE 10.3 DVDでのインストール方法については「インストール完全ガイド openSUSE 10.3」を参照下さい。
ちなみに,openSUSE 10.3のCD-GNOME版およびCD-KDE版のイメージ・ファイルは,日経Linux 2007年12月号の付録DVD-ROMに収録されています。
インストールの前にopenSUSE 10.3を利用する前に次の4点を確認してください。 (1)まずCD-ROMから起動するようにパソコンのBIOSを設定します。BIOSの設定方法はパソコンやマザー・ボードに付属しているマニュアルを参照してください。また,openSUSE 10.3 CD-GNOME版およびCD-KDE版には,フロッピ・ディスク用イメージは収録されていません。 (2)マルチ・ブート構成にする場合は,あらかじめWindowsの起動ディスクを作成しておくことをお勧めします。Linuxのインストールが正常に終了しなかったときにWindowsを起動するには,この起動ディスクが必要な場合があるためです。Linuxを削除してWindowsだけが起動するように戻すときには,ハード・ディスクの先頭領域にあるMBR(マスター・ブート・レコード)に,Windowsを起動するプログラムを書き込む必要があります。それには,Windowsの起動ディスクを使って起動し,コマンド・プロンプトで「fdisk /mbr」を実行します。Windows XP/2000/Vistaの場合は,Windows回復コンソールを利用します。回復コンソールが起動したら,Windows 2000/XPの場合は「fixmbr」,Windows Vistaの場合は「bootrec /FixMbr」,「bootrec /RebuildBcd」の順に入力します。 (3)パソコンによってはopenSUSE 10.3の機能すべてを利用できない場合があります。例えば,比較的新しいネットワーク・カードや無線LAN機器,テレビ・チューナなどは利用できないことがあります。各ベンダーがLinux用ドライバを用意している場合がありますのでそちらを個別にインストールしてご利用ください。 (4)3次元デスクトップを使用する場合は,アクセラレーション機能を持つグラフィックス・カードがパソコンに搭載されており,かつopenSUSEで対応している必要があります。また,NVIDIAといったグラフィックス・カードを利用している場合は,ドライバを独自に入手してインストールする必要があります。 |