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ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
同名エントリーが(#173)が削除されたので再掲載
サンケイニュースの【断 久坂部羊】電車を勉強部屋にする小学生より:

電車の中で化粧をする女性が昨今、批判されている。しかし、先日もっとすごいものを見た。小学校の高学年とおぼしき少年が、地下鉄の中で勉強に没頭していたのである。鞄(かばん)を横の座席に置き、その上にジャンパーをのせ、筆箱などの勉強道具一式を周囲に配置して、膝(ひざ)に問題集を広げている。座席を1・5人分占領したその空間は、驚くほどプライベートな感じだった。近くには立っている老人もいたが、少年は気にも留めるようすもない。....もし、あの少年が医師を目指しているならと考えて、背筋が寒くなった.....勉強するのは自由だが、その前にまず学ぶことがあるだろう....



通勤で満員の電車のなかで”座席を1・5人分占領”する子供に対する不快感は、その場にいたものにしか完全には理解できないであろうから、”電車を勉強部屋にする小学生”を批判することも100%わかります。ここではバランスをとるためにあえて違った考えを.

まず、私自身学生のときは電車の中で国家試験の勉強をよくしました。一つ電車を遅らせて座って勉強できるようにしたこともあります(座席を1・5人分占領することは、おそらくなかったと思いますが)。約1時間あまりの通学でしたが、非常に集中できました。そんな中で時間を有効に使う方法や、短時間で集中して勉強する方法を養ったように思います。

0.5人分よけいに座席を占拠したことはその小学生に落ち度があるとして、「こいつよく勉強しているな。末は博士か大臣かな。俺も若いときはこれくらい勉強したな。まあ、体に気をつけてがんばれよ」と、やせ我慢して子供を応援できる”おとな”でいたいと思います。

おそらく、やせ我慢もできないぐらいに”おとな”を疲弊させる、システムに問題があるのでしょうが....


私も十三駅で同じような小学生を見たことがあります。その時は、産経ニュースのコラムニスト氏と同じように、疎ましい感情を覚えました。島岡さんのブログを見て、そんな自分の小ささを恥じています。島岡さんの発言には、たとえ人間として未熟であっても、一生懸命に努力している子供に対する温かい眼差しが感じられます。アメリカで苦労しながら研究室を運営しているからこそ、人に対する大きな心を持つことができるのだろうと思います。「やせ我慢もできないぐらいに”おとな”を疲弊させる、システムに問題がある」と”おとな”を擁護されていますが、引用符のついた”おとな”という言葉からは、「システムのせいにして片付けようとする姿勢は自立した大人の態度ではないよ」という声が聞こえてきます。島岡さんという人間の大きさがこの文章から伝わってきました。ありがとうございます。

【2008/01/14 Mon】 URL // Coherence #- [ 編集 ]
Coherenceさん、
コメントありがとうございます。
”おとな”に対する深い読みを興味深く拝見しました。
【2008/01/15 Tue】 URL // Motomu #- [ 編集 ]
初めまして
東大医学部志望の小学一年生男児を持つ親です。
最近は便利なもので、Nintendo DSというゲーム機で遊びながら勉強が出来てしまうんです。
そしてよりによって通勤・通学ラッシュに巻き込まれての通学。
息子には少し戻って始発駅から乗車し、座って行くようにと言っていますが放っておくとそのまま飛び乗ってしまう息子。
1.5人分どころか1人のスペースを切る中で苦学生しています。
我が子ながら変わった息子だなと思い遠目で見ていますが、将来は大リーガーにウルトラマン、中には「東大生」がいたって面白いかもしれません。
ただ・・・親の私が無理強いをしている、教育鬼ママだという誤解が非常に痛く、この息子のおかげでママ友達が激減しました(苦笑)
【2008/05/25 Sun】 URL // March #- [ 編集 ]
この(記事タイトルの)行動が「良いか悪いか」の判断基準にするべきポイントは
勉強がどうこうは、正直どうでもよくて、
「他の乗客に迷惑をかけてるかどうか」 だよね

みんな電車の中での勉強について思うところがあるから、そっちについて長々と語ってるけど。

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ところで、上の書き込みの方、どうせここは見ないだろうけど、
ネット用語でよくいう「自虐風自慢」の自分語りに持って行っちゃうその性格が主婦友達を減らしている一つの原因だと思う
【2010/11/17 Wed】 URL // DDD #- [ 編集 ]

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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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