2012-11-06

干豆腐(かんとうふ)の魅力とは:白菜の炒め物

IMG_1218豆腐の魅力を端的に伝えるとしたらどう表現したらいいだろうか。今日の料理で紹介する干豆腐が、豆腐の加工品であることは言うまでもないが、今までにどれほど豆腐を賞賛してきたことかと振り返ると、この干豆腐に関しては考えこんでしまった。とにかく豆腐の中の豆腐と言った味がする、ゴムにも似たような弾力のある食感が特徴だ。この「ゴムにも似た」というのもあまり良く言い当てているとも言えないのだが、語彙が貧弱で干豆腐には本当に申し訳ないと思っている。

中国から輸入された中国食材であるにもかかわらず、なんとも日本の豆腐らしい味がする。私の言うこの豆腐らしさの基準とは何か、これも説明しないと人それぞれだと思う。私の基準は、豆腐製造中にしか食べられない「おぼろ豆腐」と呼ばれている、型に入れて水を抜く前の温かい豆腐がそれだ。豆腐製造には幾つか工程があるのでかる~く説明しちゃうとこう。

茹でた大豆をミキサーでペースト状にし、これを大量の水から煮立つ直前まで煮る。これを布で漉して白い液体だけにする。残ったカスがおからである。この液体を鍋で加熱し、沸騰直前ににがりを投入した時できる塊がおぼろ豆腐である。これをお玉で掬ってそのまま食べるのは格別である。残りの濁り水が豆乳である。このおぼろ豆腐の大豆の香りと甘みがなんとも美味しいのだが、このおぼろ豆腐を型に入れて重石をし、四角く切って売っているのが豆腐である。水分を抜いて味気なくしたのが豆腐の正体で、つまり、大豆のカスを食べているようなものだ(と、私は思っている)。豆腐を手作りした人なら、豆腐の美味しさが何たるかは知っていると思う。で、知らない人にその風味と味を教えてあげたいと思う時、なかなかサンプルになるような美味しい豆腐に出くわさないので困る。そこで、豆の香りが豆腐くささなのだということを証明できるのは、干豆腐ではないかと思えた。
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この干豆腐の具体的な製造工程は知らないが、豆腐を圧縮して硬いシート上にしたものを何枚も重ね、たたんで袋詰めされている。別名、百頁(ばいいえ)とも呼ばれている。使い道に合わせて適当な大きさに切り出し、湯通ししてから使う。今日は、3センチ角くらいに切って白菜やキノコ、牛肉などと炒めあわせたり、千切りにしてきゅうりや錦糸卵と一緒に中華和えものにしてもいい。何かもう一品アクセントに欲しいという時、干豆腐の食感がそれを助けてくれると思う。また、シート状で広げるとそこそこの広さがある、春巻きのように何か具を包んで揚げたり蒸したり、何にでも応用できる豆腐である。

さて、どこで入手するのかと言えば、横浜中華街の食材店にはもちろんあるが、横浜に限らず、全国の中華食材店で扱っているはず。今回は、上野に行ったついででアメ横に寄ったので「亜州食品」(参照)で400円(500g)で購入した。冷凍保存なら二三年は十分持ちこたえるというもので、一度解凍して残りは使いやすい分量に切り分けて再冷凍しておくと良いとアドバイスされた。
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干豆腐の風味を味わえるよう、淡白な白菜とキノコに少し牛肉を使ってオイスターと醤油ベースの味付けにしてみた。味がよく絡むように最後に片栗粉で少々とろみを付けるだけの簡単な炒めものだ。レシピは参考までに。

材料(3~4人分)
・ 干豆腐・・100g
・ 白菜・・4~5枚
・ キノコ(えのき茸、エリンギ、キクラゲなど)・・70g
・ 牛肉切り落とし・・70g
・ 長ネギ10cm・・あらみじん切り
・ 生姜みじん切り・・大さじ2
・ 片栗粉・・小さじ2(同量の水で溶いたもの)
・ オイスターソース・・大さじ1
・ 醤油・・大さじ1
・ 酒・・大さじ1
・ 塩・胡椒・・適宜
・ 炒め油・・大さじ1

作り方
1. 白菜は白い芯の部分と葉を切り分け、芯の部分は6~7cmの短冊に、葉は3cmほどのぶつ切りに切る。
2. キノコは適当な大きさに裂く。
3. 牛肉は3cmの幅に切る。
4. 干豆腐は3cmに角切りして1分程鍋で沸騰したお湯で湯通しし、ざるに上げておく。
5. オイスターソースと醤油、酒を一緒に合わせておく。
6. フライパンに分量の油から小さじ1ほどの油を回して牛肉を広げて中火にかけ、肉の色が変わり始めたら他の牛肉を広げて焼く。出てきた肉汁はキッチンペーパーで吸い取る。(毒出し:「水島シェフのロジカルクッキング」参照)
7. 肉の色が変わったらいったん取り出し、キッチンペーパーでフライパンの汚れを拭き取り、みじん切りの生姜と長ネギ、残りの油をフライパンに入れて弱火にかけ、ゆっくり香りを出したら一旦火を消す。
8. 7のフライパンに野菜とキノコ、4の干豆腐をほぐして入れてよく混ぜあわせてから弱火にかける。
9. 野菜は時々上下を返して混ぜ、出てきた水分はキッチンペーパーで吸い取り(毒出し)、10分ほど野菜がしんなりするまでゆっくり炒めあわせる。
10. 6の牛肉を戻し入れ、塩・胡椒で2~3分弱火で炒めたら5の合わせ調味料をまわしかけて全体に2~3分炒めてなじませる。
11. 最後に水溶き片栗粉をまわしかけて2~3分炒めて片栗粉を安定させて出来上がり♪

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2011-12-24

にんにくの芽と烏賊、ベーコンのビーフン炒め

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 二週間前に塩漬けして乾燥という行程を経た豚バラの燻製が昨日、ようやく仕上がった。大型のスモーカーをこの夏に購入し、これがすこぶる調子がいい。燻製する材料の量に合わせて一段か二段にして使い分けができ、火起こしの際、円筒形の本体が風よけの役目をしてくれるため、迅速に準備が整う。朝、火を起こして肉を温燻にする楽しみは、午後のお昼寝をすっ飛ばしても待ち遠しい方が勝るんだな、これが。レシピもよかったら☞こちら

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 出来上がったばかりのベーコンは、イマイチ味が馴染んではいないという減点はあるものの、人に差し上げる前のお味見で何か作って食べようと言う訳で作ったシロモノが、ビーフン炒め。ベーコンの脂から軽く塩味と風味が染み出して、モンゴイカとにんにくの芽にしっかり馴染んだ味わいは格別なもので、味付けは、オイスターソースと醤油だけというからシンプルの極みだと思うよ。当初は、炒め物として考えていた献立てで、家族がこの料理を見たら「あ、知ってる、これ。」と悲鳴が上がるかもしれない、我家の定番の炒め物メニューで、皆、大好き。どういう訳か、このレシピがここでは欠落していることに昨夜気づき、急遽、ビーフンの炒め物として登場させる事にした。まあ、味付けを薄くしてビーフンを除けば炒め物なので、今日のレシピは、アレンジと思ってもらうと良いと思う。
 ベーコンの燻製から作ってください、とは言わないまでも、出来れば良く熟成されたベーコンを使用するに越したことはない。が、無ければ、普通に売っている豚バラベーコンを用意すると良いと思う。  にんにくの芽は、もちろん中国産。日本人は世界一潔癖症で、農薬の残留とか噂が出るとだれも買わなくなる。数年前、にんにくの芽もその槍玉に上がったようだったが、また、復活も早いようだ。昔と違って品種改良も行われたのか、とても柔らかくて甘い。これに関しては、外れが無い。この料理の場合は、思い切って沢山使って欲しいな。因みに一袋300gくらいで売っている。一人、100g位を見当に用意すると良いと思う。親指の第一関節に人差指の先端を当てて出来る小さな円くらいの束が約100gかな。
 烏賊は、冷凍のモンゴイカを使用したけど、生のスルメイカも味わいがあって美味しい。「松かさ」や「唐草」などの飾り切りにすると味が絡んで格別なものになる。切り方は、文字の上をクリックすると、わかりやすい動画がみられる。この画像は、なんだか、教育用の画像素材だって。シンプルでいい感じだと思ったけど、どうかな。
 因みに、画像の烏賊は「唐草」に切ったが、冷凍前の処理で、表面の皮がきれいサッパリ剥がされていたのだと思う。丸く縮まなかった。

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 今日は、三人分のレシピのため多目。残ったら明日、温め直すとよいし、冷めたままでもこれが美味しい。なんというか、ビーフンに風味が移り、にんにくの芽と烏賊に味がしっかり絡んでいるため、寂しさや哀愁が漂わないんだな。
 では、そろそろレシピに行ってみよう。

材料(3人分)

  • にんにくの芽・・・300g
  • モンゴイカ(冷凍)・・・150g
  • 豚バラベーコン・・・60g
  • ビーフン(乾麺)・・・180g
  • オイスターソース・・大さじ3
  • 醤油・・大さじ2
  • 塩・胡椒・・少々

作り方

  1. お湯を沸かし始める。
  2. にんにくの芽をよく洗って4~5cmにぶつ切りする。
  3. ベーコンは薄くスライスする。
  4. お湯が湧いたらボールにビーフンを置き、熱湯をたっぷりかけて蓋をして5~6分固めに戻す。少しコシが残るくらいで止めておく。
  5. 烏賊を飾り切りにする。
  6. ビーフンの水気をすっかり切り、蒸気を飛ばして固めに戻しておく。
  7. 中華鍋(フライパンでも可)に油を薄く引き、弱火でベーコンから脂を出す。
  8. 火を強めてにんにくの芽を炒め、軽く塩と胡椒で炒める。
  9. にんにくの芽が色づいてきたら烏賊を加えて炒め合わせ、烏賊に九分通り火が通ったらオイスターソースと醤油で味付けする。ビーフンを加えるのでやや濃い目の味付けが良い。
  10. 最後にビーフンを加えて鍋を振リながら炒め合わせる。ビーフンが長い場合は、炒める前に食べやすい長さに切ると良い。

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2010-12-18

糖三角(タンサンチャオ)ウー・ウェンの「北京小麦粉料理」から-寒くなってきたら蒸し饅頭!

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 寒くなってくると中華饅頭のほかほかふわふわが嬉しくなります。我が家でも、この時期になると豚まん(☞レシピ)が大変人気のおやつでした。「でした。」というのは、子ども達が家から学校に通っている頃は、お腹を空かして帰宅し、夕食までのちょいの間のつなぎのおやつでした。暇な時に多めに作って冷凍しておき、中華蒸篭で蒸したり、レンジでチンすれば直ぐにほかほかの中華饅頭が食べられます。

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ウー・ウェンの
北京小麦粉料理
By ウー ウェン

 きょうはウー・ウェン先生の「北京小麦粉料理」から「糖三角(タンサンチャオ)」の紹介です。粉料理は、作るのに時間がかかるとか、難しいと思われている節もあるかと思いますが、糖三角は、本書でも比較的簡単な部類だと思います。粉料理だからということで敬遠していては勿体無いと思い、人気のあるウー先生の本から紹介します。簡単なものを手始めにチャンレンジして見るとわかると思いますが、とても楽しいのです。きっと欲が出てきて、どんどん作りたくなると思います。この本の料理は丁寧な解説も手伝って、思ったほど難しさを感じずに作れると思うので、私としてはお勧めの一冊です。かく言う私も、勧めてもらって知った本でもあります(参照)。
 糖三角はちょっと不思議な蒸し饅頭で、餡に特徴があります。黒砂糖と小麦粉を混ぜ合わせて饅頭の生地に包むただけのものですが、蒸しあがってみると、画像のように餡子のようなモッチリとした食感に早代わりします。種明かしをしても信じてもらえないほど、意外で面白い作り方です。生地は、イースト菌で膨らませるのでそれなりの待ち時間はありますが、ぬるま湯を使っていますし、手のぬくもりでこね上がった生地の温度は醗酵にとっては適温で仕上がるため短時間で醗酵します。目安は、最初の生地の大きさの倍くらいです。分割した生地を丸く手で押しのばし、餡になる黒砂糖と小麦を混ぜ合わせたものを包んで蒸せば出来上がるというスピードも魅力なのです。

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 包み方は、出来上がりが三角形になるように中心に向かって張り合わせるように指で摘まんで閉じます。

材料(8個分)

  • 薄力粉・・200g
  • ドライイースト・・小さじ1
  • 砂糖・・大さじ1
  • 塩・・一つまみ
  • ぬるま湯(40度くらい)・・110cc
  • サラダ油・・大さじ1

  • 黒砂糖・・大さじ6
  • 薄力粉・・大さじ4

作り方

  1. 大き目のボールに生地の材料を全て軽量し、菜箸で混ぜながらぬるま湯をちょろちょろ加え、粉っぽさがなくなるまでよく混ぜ合わせる。
  2. 菜箸についた粉を綺麗に取って生地を台の上に移し、手首の付け根で生地を手前から向こうへ押しながらキメを細かくする。
  3. 2の生地を5分ほどこねたら再びボールに戻してサラダ油を加え、指で掴むように馴染ませる。
  4. ボールの周囲の油がなくなって生地に艶が出てきたら丸くまとめる。
  5. ボールで乾燥しないようにぬんれ布巾をかけて、ビニールの袋に入れて生地が倍に膨らむまで醗酵させる。(夏場は室温で30分、冬場はストーブの傍などで1時間ほど)
  6. 醗酵が終わったら生地をそっと取り出し、30cmほどの棒状にそっと丸める。
  7. 目分量で8等分すし、断面を潰して円形にする。
  8. 黒砂糖と小麦粉をボールで混ぜ、目分量で8等分する。
  9. 生地を10cmの直径に丸く手で潰してかたどり、左手に乗せ、黒砂糖の餡の元を中央に乗せる。
  10. 生地の手前を一部摘まみ、そこから半周分摘まんで閉じる。
  11. 残りの開いているところを両方から同じように摘まんで閉じて三角系にする。
  12. オーブンシートにのせて蒸篭に間隔を置いて並べて30分ほど二次醗酵させる。(ない場合は台に置いてぬれ布巾をかけ、ビニールで覆う)
  13. 強火で沸騰している中華鍋に蒸篭を二段に重ねて蓋をし、10分蒸す♬

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2010-11-20

麻婆春雨(マーボーはるさめ)なるもの、作りました

 「麻婆春雨」なる料理は、本当に中華料理にあるのだろうか?いや、これ、テレビのコマーシャルでやっていたよ。ふーん、料理の雰囲気はわかる気がします。ググってみてもこの料理自体を説明するサイトはなく、商品としての味付け調味料やレトルトばかりヒットします。おそらく正式に中国料理ではなさそうです。勿論手持ちのウー先生の本にもありません。でも、 「麻婆春雨」の響きから、あの味が染み込んだ春雨をツルッと食べるのを想像するといかにも美味しそうです。そこで、市販のものを意識しないで、オリジナルの「春雨の炒めもの」として、食べたいイメージのとおりに作ってみました。

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 まず、味付けのベースには豆鼓を使います。豆鼓は、日本では「豆鼓醤」という名称で調味料として製品化されています。以前買った製品は甘い味付けで、ペースト状で、色も形態もちょうど八丁味噌のようでした。腐すわけではないのですが、調合した味が付いている調味料を使うと、何でも同じ味のベースになってしまい、料理が面白くないと感じました。全てではないのですが、中華料理は、シンプルな調味料を絶妙に使いこなすことに面白みがあるので、私は豆鼓醤の原料となっている豆状のものを使っています。
 豆鼓は、大豆を塩漬けし、発酵させたのち乾燥させたものです。このコクと香りがとても深い味を持っていて、少し加えるだけで、料理全体に中華料理らしさがひろがります。この特徴が料理全体に広がるように、紹興酒と醤油を使って鶏ガラ出汁と一緒に煮こみ、最後に春雨に吸い込ませました。
 まず、豆鼓の香りを出すために、最初に葱の粗未みじん切りと一緒に気長に炒めます。油に味が染み込んだところに豚の挽肉を炒め合わせ、鶏ガラスープでしばらく煮込みます。ここに、熱湯をかけて蒸した中国春雨(緑豆春雨)を適当な長さに切り、木綿豆腐を千切りながら加えて春雨が透き通るまで煮込みます。最後に合わせた調味料を回しかけ、千切りの生姜を炒め合わせて仕上げます。ぴり辛にするには、注ぎ分けた後にラー油(☞レシピ)をかけて好みの辛さにします。

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 味をよくしみ込ませるためには、豆腐や春雨に火が通っている事が条件です。この点に注意すれば誰にでも美味しい「麻婆春雨」が簡単にできます。
お弁当に

材料(4人分)

  • 豚挽肉・・150g
  • 中国産緑豆春雨・・100g
  • 鶏ガラスープ・・500cc
  • 木綿豆腐・・150g
  • 長葱・・10cm
  • 豆鼓・・大さじ2
  • 生姜の千切り・・1片分
  • 醤油・・大さじ2
  • 紹興酒(なければ酒)・・大さじ1
  • 塩・・一摘み

作り方

  1. ボールで春雨に熱湯をかけて蓋をし、20分ほど蒸しながら戻してざるに上げる。
  2. 豆鼓は細かく砕き、長葱は粗いみじん切りにし、生姜は全切りにする。
  3. 鍋に油を少々引き、豆鼓と長ネギを弱火で焦がさないように炒めて香りを出す。
  4. 3に挽肉を加え、中火で色が変わるまでゆっくり炒める。
  5. 鶏ガラスープを加えて10分ほど煮込む。
  6. アクを掬って、適当な長さに切った1の春雨を加え、一緒に豆腐も手で千切って加えて煮込む。
  7. 春雨が透き通って来たら予め合わせた調味料を加えて煮込み、味をしみ込ませる。
  8. 最後に千切りの生姜を混ぜ合わせてでき上がり♬

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2010-11-18

旬の小松菜と豚ロースのオイスターソース炒め

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 寒さが増すごとに秋蒔きの小松菜が甘くなってきます。夏を除いてほぼ一年中入手可能な野菜ですが、美味しい時期は晩秋から春先です。この時期は朝夕の寒暖の差が大きく、そのお陰で野菜全般が美味しくなります。特に、小松菜の茎の部分が甘くなるのが特徴ですから、せっかくの茎が美味しく味わえるように料理に生かします。

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 今日の炒め物はウー・ウェン先生の方式に習って、スライスの肉をさっと茹でて、余分な脂を抜く下ごしらえをします。この方法は、先日の「ピーマンと胸肉の回鍋肉風」(☞レシピ)で、鶏の胸肉でも柔らかくできました。
 水気を吸いとってから片栗粉を軽くまぶし、小松菜と炒め合わせます。味付けは最後に合わせ調味料として一気に加えます。肉にまぶした片栗粉の効果で、まろやかなオイスターソースの味が絡み、加えて滑らかな食感となった豚肉と小松菜は絶品です。また、肉は切らずに大きなまま炒めるのもちょっといつもと違った趣で、自然に肉で小松菜を包んで口へ運ぶようになるので、食べ方がとても上品です。

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 ウー先生の料理哲学と言うと大げさなようですが、でも、組み合わせる野菜や肉は、シンプルなものが素材の味が味わえるということです。これは私も同じ考えで、ウー先生の料理が好きな理由の一つです。また、使用する調味料もシンプルで、日本の醤油、酒、塩、胡麻油、胡椒が主ですから、家庭にある調味料で作れる身近な中華料理として嬉しいです。
 今日の調味料は、オイスターソース、醤油、酒、塩を一つまみだけです。

 

材料

  • 小松菜・・1束
  • 豚ローススライス(薄めの焼肉用)・・7枚(160g)
  • 片栗粉・・小さじ2
  • 鶏がらスープ・・50cc
  • オイスターソース・・大さじ1.5
  • 醤油・・大さじ1/2
  • 酒・・大さじ1
  • 塩・・一つまみ

作り方

  1. 小松菜は軽く下茹でする。詳しい方法はこちら☞godmotherのHint&Skill
  2. 小鍋にお湯を沸かし、豚肉を一気に入れ、色が変わったら引き上げて水を切る。
  3. キッチンペーパーに2の肉を広げて水分を吸い取り、両面に片栗粉をまぶす。
  4. 小ボールに鶏がらスープより以下の調味料を合わせておく。
  5. 1の小松菜を7cmくらいに切り揃え、熱したフライパンに油を引いて炒める。
  6. 続けて3の豚肉を加えて炒め合せ、4の調味料を炒めながら絡めて出来上がり♬

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2010-11-09

ウー・ウェン先生の回鍋肉風ピーマンと胸肉の炒め物:鍋を回すべからず

 どうして「ホイコウロウ」は「回鍋肉」というのでしょうか?
こんなことに今更な説明ですが、ウー・ウェン先生の「台所革命」から引用します。

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中国の一般的なお惣菜。漢字の「回鍋肉」のもともとの意味は、塊肉をゆでて保存したものを必要なときに切り分け、他の材料と合わせて料理すること。
手軽につくりやすい薄切り肉なら、さっとゆでることにより、肉の余分な脂分が落ち、下ごしらえが簡単にできます。
季節の美味しい野菜とあわせて作ってみてください。

 つまり、「回」というのは、鍋や肉を回すのではなく、保存用に一旦ゆでた塊肉を切り出して使うことで、鍋に肉が戻ってくる、というような意味ではないかと思います。

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 さて、我が家は少人数家族と化してしまったので、塊肉が保存されていると大変重宝します。普通は、スライス肉を使い切る分だけ買ってくるか、傷まないうちに二回くらいで使い切ると考えがちです。私もそういう方法が多いとは思いますが、塊肉の使いこなしとして、ハーブに漬け込んで下味をつけて茹でたり(☞レシピ)、低温で焼いたりして保存した(☞レシピ)肉も実は大変重宝なのです。この方法は、ウー先生も話している通り、余分な油が落ちて旨味が凝縮されるので、コクのある肉になります。このように下処理された肉は、冬場なら冷蔵庫で一ヶ月はもちます。夏場でも2週間は楽に保存に耐えます。
 今日は、下味をつけて茹でた鶏の胸肉を切り出してスライスし、厚めに輪切りにしたピーマンとパプリカと一緒に炒め合せ、醤油ベースの味付けをしました。この料理でなるほどと、頷いたのは、茹でたスライス肉にもかかわらず、炒める前に片栗粉をまぶすとよいのだということです。この方法は、片栗粉が水分と馴染んで肉や野菜に味が良く絡むということは充分わかりますが、私の片栗粉の使い方として、柔らかくジューシーに仕上げるという目的が大半だったので、この工程は意外でした。
 ウー先生のレシピは、「豚ももにくの薄切り」を使っているのですが、湯で豚ではないのに、わざわざお湯で完全に火が通るまでまず茹でるのです。片栗粉をまぶすのはそのあとなのです。生肉スライスを最初から使うのでしたら、私なら、片栗粉をまぶしてから油で軽く焼いてしまうところです。
 思ったのは、どんな肉でも良いのですが、先の引用にあるとおり、肉をゆでる目的は余分な脂を落とすためだとあるので、ウー先生の方法はその理由から?そこが良く分りません。

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 早速作り方ですが、ウー先生から「考え方」と「案」だけ頂いて、材料は、鶏肉に変えてパプリカを加えました。作ってみれば分ることですが、野菜や肉を大きく切る意味が分ると思います。食感が残っていて、豪快に食べる時の満足感が他の切り方では味わえません。
➠お弁当に

材料

  • ピーマン・・3個
  • パプリカ・・1個
  • 茹で鶏のぬね肉スライス・・150g
  • 片栗粉・・小さじ1
  • 醤油・酒・・各大さじ1
  • 胡椒・・適宜
  • 塩・・一つまみ

塩茹で鶏胸肉の作り方(1枚分250g)

  1. 鶏胸肉は皮を剥いで大さじ1の塩を良くまぶしつけ、手で揉みこむ。
  2. 鶏肉と同量の水と一緒に耐熱の袋に浸けこんで、冷蔵庫で最低30分は置いて、味を染みこませる。
  3. 鍋に水を張って2を袋ごと入れ、中火で温度を上げて沸騰直前で火を弱め、5分そのまま茹でて火を止める。予熱で味を染みこませる。

回鍋肉の作り方

  1. 上記で作った塩茹で鶏を150gスライスして、片栗粉を両面にまぶす。
  2. ピーマンとパプリカは、ヘタの部分を丸く切り取り種を出す(野菜の型抜きを使用すると良い)。
  3. 2を1cmの輪切りにする。
  4. フライパンに炒め油を熱し、ピーマンとパプリカを色鮮やかに炒め、肉を加えていため合わせたら調味する♬

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2010-11-06

栗茸ともやしの中華風炒め:栗茸の使いきりレシピ

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 先日大量買いして掃除済みの「栗茸」の残りで、中華風に味付けしてとろみを付けた炒め物にしました。栗茸を鶏すきと炊きご飯にしてみて分ったのですが、香りが何とも素晴らしいのです(☞レシピ)。癖のない渋い香りで、やたらと香ばしく感じるのです。なので、癖のないもやしと片栗粉をまぶして揚げた高野豆腐と一緒に炒め、鶏がらスープでとろみをつけました。勿論胡麻油を効かせましたが、期待を裏切ることなく、この栗茸とばっちりな相性です。
 ところで、今回の揚げ高野豆腐は、実は、作り置きです。暇な時に高野豆腐を戻して、固く絞ったところに刷毛で片栗粉をまぶしてから揚げにし、長く置く時は冷凍保存しておきます。揚げ物のついでにも手軽にできるほどの手間なので、これは、炒め物や含め煮の材料素材として用途が広いので、是非、作り置きを推奨します。

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 そして、栗茸の方は、昨日の説明の通り、熱めのお湯にさらして大まかな汚れを落として水で仕上げに濯ぐ方法で下処理をしたものです。つまり、今日のこの炒め物は、材料を揃えたら直ぐに出来上がるスピード料理というわけです。その代わりと言っては何ですが、もやしの根と目は一本ずつ手で千切ります。これに慣れている人で、一袋15分くらいです。

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ね、頑張ってみてください。キノコは、栗茸がないことの方が多いので、他でお勧めなのはマイタケやブナシメジなどです。

材料

  • もやし・・1袋
  • 栗茸(下処理済)・・200g
  • 揚げ高野豆腐・・(8cm×5cmを四等分して)2個分
  • 鶏がらスープ・・200cc
  • 片栗粉・・小さじ1(同量の鶏がらスープを混ぜる)
  • 白醤油・・大さじ1
  • 塩・・小さじ1/2
  • 胡椒・・適宜
  • 砂糖(隠し味)・・小さじ1
  • 胡麻油・・小さじ2

作り方

  1. もやしの根と目を手で千切る。
  2. フライパンに炒め油(分量外)を引いて、もやしと揚げ高野豆腐に油が回るまで炒める。
  3. キノコと鶏がらスープを加えて蓋をし、煮立ったら調味する。
  4. 最後にがらスープで溶いた片栗粉を回しいれてとろみを付け、2分ほど煮込んで出来上がり♬

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2010-10-12

豚肉スライスの油淋豚風焼肉:簡単ソースが決め手

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 今日は、豚肉の粕漬けや味噌漬けと同じ感覚で手軽にできる油淋豚風の焼肉です。浸け込んだ元になっているのは、中国の紅糟で、紹興酒の麹の元になっている原料から取った糟です。
 「油淋鶏」は、料理法からこの名前がついている中国料理で、簡単に言うと、鶏肉に油を回しかけながら火を通します。日本では唐揚げに甘酢のタレがかかっている料理だと解釈されていると思います。食べるお店によって見た目も全く違うように写るので、どれが本当の油淋鶏なのかわかりません。
 私は、中国の紅糟に肉を浸け込み、旨味を閉じ込めるために片栗粉や浮子をまぶし、中華鍋で多目の油を回しかけながら火を通します。たっぷりのキャベツの千切りに乗せて甘めのタレをかけます(☞レシピ)。この方法で豚の厚切りも作ってしまうのですが、油をかけならがら火を通して行くせいか、肉がジューシーで柔らかく出来上がります。勿論、紅糟の酵素の働きが肉のタンパク質を柔らかくするのです。
 今日は、これをスライス肉で焼肉風に作ったレシピです。また、この料理の引き立て役であるタレは、今回は、タイ産の「スイートチリソース(甘いピリ辛味)」に、私がいつも作り置いている「酢・昆布・醤油(酢と醤油が1対2の混合☞レシピ)」を同量ずつ混ぜ合わせました。これが大変深みのある味になり、油っこい肉でもさっぱりいただけます。

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この紅糟には、液体と練り合わせのペース状のと二種類あり、私は両方使いますが、今日は、ペースト状の方を日本酒でのばして肉を漬け込みました。最低30分、出来れば1時間ほど漬け込み、その間に、付け合せの野菜とタレの用意ができたら肉を焼くだけです。
 肉の焼き方は、強火で焼くのではなく、中火よりも弱火加減で、静かに肉に火が通るようにします。肉の表面から肉汁や血が浮いてきたら裏返し、肉の色がすっかり変わったら野菜の上にのせ、肉が熱いうちにタレを回しかけます。肉の温度が下がると共に、タレの味が染み込んで行きます。冷めても美味しいので、お弁当にもよいです。
☆➠お弁当に

材料

  • 豚肩ロース・・250g(13枚)
  • 紅糟(ペースト)・・小さじ2
  • 酒・・大さじ1
  • キャベツ千切り・・適宜

タレ

  • 長葱・・5cm
  • タイ産スイートチリ・・大さじ1
  • 酢昆布醤油・・大さじ1☞レシピ

作り方

  1. バットで紅糟を酒でのばし、肉を一枚ずつ両面に絡め、ラップをして冷蔵庫で1時間浸け込む。
  2. その間に、キャベツの千切りと、細かく切った長葱とタレの調味料を混ぜ合わせる。
  3. フライパンを弱火で温め、油を引いて肉を広げ、肉汁や血がにじみ出てきたら裏返す。
  4. 完全に火が通ったらキャベツの上に乗せ、出来上がった順にタレをかける♪

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2010-10-10

虹鱒の中華風蒸し物(県内産):薬味とタレで蒸すだけ

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 諏訪には諏訪湖があるのに、虹鱒の養殖はしていないそうです。養殖しているのは、ワカサギの稚魚だという話です。なので、地元民としてはちょっとほっとしています。ほんとに情けない話ですが、諏訪湖の水質はあまりよくないのです。諏訪湖に流れ込んでいる川はそれなりに浄化されつつあるらしいのですが、まだまだ残念な状態です。そして、虹鱒が入荷してくる先は安曇野だと聞きました。この土地は、私は大好きなんです。水質が良く、信州の川として誇れます。ここで育った虹鱒なら申し分ないです。何だか変な話からスタートしていますね。水質に関して関心があるので触れたい気もするのですが、この話は又の機会にします。

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 今日は、25cm程の大きさので丸ごと中華風に蒸してみました。
 この中華蒸しは、今までにも白身の魚などで散々食べてきた方法ですが、どちらかと言うと海の魚で食べることが多かったです。川魚は塩焼き、ワカサギは唐揚げみたいに定番化しているのかもしれません。川魚の甘みは塩で引き出されると思い込んでいましたが、いや、実際そうですが、タレに浸したまま蒸す方法でも身の甘さは充分堪能できますし、それより何よりソフトで柔らかなでき上がりに驚きました。蒸し料理の醍醐味です。
 早速お薦めするのですが、蒸し料理は苦手。魚が捌けないという人にですが、以前は頑張れ、みたいなことを言っていましたが、今はあまりそういうことは問題にしなくなりました。もちろん、自らの意志で習得したいというのであれば無問題です。「やらねば」みたいなプレッシャーを感じてまで料理を修業のように取り込む必要はないですし、今の若い方達に「喝」を入れるようなこと気はないです。ですから、切り身を使うなり、魚屋さんに捌いてもらうなりで、下ごしらえが整えば充分だと思います。

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さて、大きめの蒸し器にすっぽり入る耐熱の器を用意します。蒸し器がなければ、大きな鍋が上げ底になるように底に何かを置きます。その上に皿が乗せて簡易蒸し器にします。内蔵を取り出し、余分な尻尾を切り落としたらさらに並べる。合わせ調味料を回しかけ、薬味を散らして蒸し器で15分ほど蒸すと出来上がりです。

  • 虹鱒(25cm)・・2尾
  • 長ネギ・・10cm
  • 生姜の千切り・・大さじ1
  • アスパラガス・・6本

合わせ調味料

  • 醤油と酒・・各大さじ1.5
  • みりん・・小さじ2
  • ごま油・・小さじ2

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2010-10-01

里芋と豚挽き肉の中華風茶碗蒸し

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 今年の里芋は良くできていて、いつも美味しいです。種類にもよるのでしょうか、今日の里芋は、実の色が白ではなくて紫色がかっています。この理由は調べても良く分りませんでしたが、白いのと比べると、キメが細かくずっしりとした重みがあり、味が濃いなぁと直ぐに感じることができます。個人的にはこの紫のタイプが好きですが、料理してみて初めて分るので、買うときはくじ引きみたいなものです。
 さて、今日は喉越しの良い茶碗蒸し風にアレンジしてみました。鰹の出汁をしっかりとって卵を混ぜ、じっくり蒸すうちに里芋に味が染みこむので、出来上がりは煮ものなどとは違った一体感が味わえます。しかも、作り方は簡単で、里芋は皮付きのままレンジで蒸して火を通して使用していますから、その分一手間助かります。

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作り方は、里芋をレンジで蒸し、冷めたら皮を剥きます。豚の挽肉は、鰹出汁でそぼろ状に煮て、肉と出汁を笊で分けます。この出汁を味付けして卵を溶き混ぜ、卵液を作ります。茶碗に、里芋、挽肉、エノキダケを入れてこの卵液を流して蒸します。
 蒸し方のコツは、蒸気が勢い良く出るくらいに加熱したら茶碗を上げ底に置いて布巾、蓋の順に被せ、始めの2分は強火のまま蒸し、その後15分くらい弱火でゆっくり蒸します。強火のままだと卵に「ス」が入ってしまうので気をつけます。

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 蒸し物というのは具と出汁、蒸し加減で美味しさが決まります。今日は鰹出汁でしたが、豚挽肉から旨味が出ますので、シンプルな具が返って引き立ちます。温かいものが恋しい日の夕食に是非どうぞ。

材料

  • 里芋・・2個(100g)
  • 豚挽肉・・50g
  • エノキダケ・・適宜
  • 鰹出汁・・300cc
  • 卵・・大1個
  • 醤油・・小さじ2
  • 塩・・少々
  • 酒・・小さじ1
  • 胡麻油・・少々

作り方

  1. 里芋を良く洗って耐熱の皿に並べてラップをふんわり乗せ、電子レンジの600wで4分蒸し、そのまま予熱で火を通しながら冷ます。
  2. その間に、小鍋で鰹出汁と豚挽肉一緒にして弱火にかけ、混ぜながらそぼろ状になるまで加熱する。
  3. 2に分量の酒、醤油、塩、胡麻油で調味し、笊で漉して肉と出汁を別々に分け、出汁は冷ます。
  4. 3の出汁で卵を溶き混ぜる。
  5. 1の里芋を食べやすく切り(2cmくらいのさいころ状)、エノキダケも石突を切り取って短く切る。
  6. 器に里芋、エノキダケ、挽肉を入れ、4の卵液を流し込む。
  7. 蒸気の上がった蒸し器の上げ底に器を置いて付近を被せ、蓋をして始めの2分は強火で直ぐに弱火にして15分ほど蒸して出来上がり♬

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