寿司

2010-08-18

長男の大学の友達とのこと:にぎり寿司のことも

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 長男の大学のサークルの友達三人が、長男と一緒にお盆に帰ってきたことは既に話したとおりです。諏訪湖の花火大会が目当てで、まあ、それもいいかと思い、快諾に至りました。帰省する長男が、たまたま諏訪だということで仲間同士の旅行先に展開したようです。そこで私は、民宿のおばちゃんといったところでした。特にエピソードと言うほどのことでもないのですが、可笑しかったことから一つ摘まんでお話をしようかと思います。それは、彼らの食べ物に対する好き嫌いの話です。好き嫌いがあることくらいでは驚く私でもないのですが、でも、彼らの嫌いなものは、些か数が多過ぎるのです。しかも皆、野菜ばかり。そして、その拒絶反応ときたらまるで幼い子どものようでした。
 高速の渋滞を回避するために13日の夜、日付が変わる直前に家を出て夜中高速道路を飛ばしてきた長男とその友人二人、合計三人が家に着いたのは、夜中の二時半でした。日中の渋滞とは打って変わって、通常の所要時間で辿り着くことができたのでよかったです。それから朝方までごそごそ話し声が聞こえていました。翌日と言っても昼になっても起きてこないので、昼食を食べるように起こしたからか、起きがけに食べるのもきつかったそうで食が進まないのでした。また、この日は、早めの時間にBBQの計画があったため、焼きソバという軽いメニューにしたのです。ここで出てきた初めHTMLの編集ての話題が、食べ物の好き嫌いでした。
 きゅうりのお漬物が嫌いだといって一切手をつけないし、また、他の子はトマト、茄子、スイカ、もう一人はしし唐も食べたことがないから食べないという。焼きソバの他に、トマト、きゅうりの漬物を出したことで、好き嫌いが分ったのです。この時点で、食事の支度をどう致したものかと考え込んでしまいました。
 夕方のBBQで、野菜で一番売れたのが南瓜でした。そう、全員南瓜が大好物だというのです。BBQの途中で口をさっぱりさせるために作っておいた蜂蜜トマト(☞レシピ)だけは多分大丈夫だからと、半ば騙すように一人に食べさせると「これはやっぱりトマトダ~~~~ッ!」と悲鳴を上げていました。困ったものだ。
 翌日、またしても朝食は抜きで、昼過ぎに起きてきた。お互いが少し馴れたせいか、話も弾むようになったのはよいのですが、話題は、またしても嫌いな食べ物。理由は、嫌いな人にとって食べられない野菜が食卓に上がっているからという単純なことです。茄子の揚げ浸し、きゅうりの辛子漬け(☞レシピ)、炒めたしし唐の蕎麦ツユかけ(☞レシピ)、南瓜と厚切り豚肉の煮物(☞レシピ)。ご飯とモロッコインゲン、若布の味噌汁でした。食べられるものだけ食べるように伝えた結果、案の定、嫌いなものには全く手を出さないのは仕方がない。最後は、来年も来るつもりなら嫌いなものの内一品だけでも食べられるように取り組むようにと話すと、「え″、なんで??」と聞き返すので「一人がいくつも嫌いなものを抱えていると、料理ができないし、食べられないと分っていて出すのは忍びないから」と答えて、やっと分ったみたいでした。
 以前ここにも書いたことですが、日本で孤食化が始まったのは、働く両親が圧倒的に多くなってからの1980年以降だと思うのです。この時代以降に育った子ども達は、コンビニなどの出現で生活環境が変わってしまったため、やや犠牲になったという面があると思います。大人も気付かないうちに便利さのあまり、つい何でも利用するようになったからです。その影響をしっかり受けたのが、息子達の世代だということはよく分ります。
 しかしながら、こうも好き嫌いがある人が集まると、本当に料理ができなくなるものです。少し期待するのは、彼達、来年までの宿題をクリヤーしてくるか?です。なんだか楽しみです。
 一緒に来た友達の一人が、お寿司屋さんでアルバイトをした経験を生かしてにぎり寿司を作ってくれたので、その紹介をついでにここで。
 彼が水を切るために手を合わせる時、ポポンッといういい音がするのですが、その姿は頼もしく、彼が急に大人びた感じがしました。食べ物の好き嫌いを話す時は、酷く幼く見えたのですがね。因みに、きゅうりのfineなスライスは、長男が、、、。大変速かったのですが、1/3は三日月の形に・・・^^;

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2010-03-11

〆秋刀魚の五目散らし寿司 冷凍秋刀魚の活用:書き手の意識の考察

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 今時の秋刀魚というのはもちろん旬に取ったものの冷凍ですが、冷凍技術が進んだ今、魚は釣れたそばから船内冷凍するというので、ともすると鮮魚よりも新鮮だと言われています。
 売り場では、塩水に氷がたっぷり浮かんだ箱で並んでいることが多く、目が充血しているような秋刀魚です。解凍されている場合が殆どですが、半解凍の秋刀魚が、実は大変さばきやすいのです。それを手にいれるためには、開店直後に行くと良いです。冷凍秋刀魚はまだ半分凍ったようにしていますので、これを家に持ち帰ったら直ぐに卸します。たいへん切りやすく、内蔵も少し凍っていますので、身を汚すことなく綺麗に取り出すことができます。もちろん、魚屋さんに頼んで捌いてもらうこともよいと思います。 
 秋刀魚を卸して酢〆にしている間に具材を煮て、最後に寿司飯と一緒に混ぜ合わせます。

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 まず、秋刀魚の扱いですが、塩〆には、一尾に対して大さじ1ほどの割合の塩を使用するのが目安です。身が薄いので占める時間も短くて済みます。バットに塩を振って、秋刀魚の身を下にして並べ、上から同じくらいの塩を振ります。今回は二尾なので大さじ1ずつ上下に使用します。ラップを被せて、そのまま冷蔵庫で最低30分塩締めします。その後、カップ半分ほどの酢で塩を流しとり、ラップに包んで15分程冷蔵庫で味を落ち着かせます。この方法はあくまでも身が薄いからで、鯖などは、ひたひたの酢に浸けます。
 秋刀魚を〆ている間に、具を甘辛く煮ます。今日の具は、干瓢だけは水から煮て予め柔らかくなってから味付けしますので、別に煮ますが、人参と干し椎茸は、椎茸の煮汁で柔らかく煮てから味付けします。ここまで準備が整のうと同時に酢飯を仕上げるには、ご飯が炊ける時間を逆算して、具を煮始めるころとで良いと思います。また、子守など、手の離せないような場合は一旦ここで終わりにします。後半は、酢飯を作ってから具材を混ぜ合せ、絹さやえんどうと焼き海苔を散らして完成させます。

材料

  • 秋刀魚・・2尾
  • 塩・・大さじ2
  • 酢・・カップ1/2
  • お米・・3合
  • にんじん・・80g
  • 干瓢(かんぴょう)・・1m×2本(50g)
  • 干し椎茸・・大2個(40g)
  • インゲン・・10本
  • 焼き海苔・・適宜
  • シャリ酢・・65cc(寿司屋さんのレシピ☛

人参と椎茸の味付け調味料

  • 醤油・・大さじ1.5
  • 砂糖・・大さじ1.5
  • 味醂・・大さじ1.5
  • 椎茸の戻し汁・・カップ1/2

干瓢50gの割り出し調味料

  • 水・・200cc
  • ザラメ・・25g(なければ砂糖)
  • 濃口醤油・・35cc
  • たまり醤油・・13cc
  • 味醂・・18cc
  • 酒・・13cc

作り方

  1. 干し椎茸は200ccの水で一晩戻す。
  2. 秋刀魚の頭を落としたら内蔵を取り出し、腹の中をよく洗う。
  3. 背がわから包丁を平らにして切込み、中骨の上を包丁を当てたまま尻尾に向かって身を引く。
  4. 骨のついたもう片方も同じようにして三枚に卸す。
  5. 秋刀魚を二尾とも三枚に降ろしたら、塩大さじ1をまぶしたバットに身を下にして並べ、上からも大さじ1の塩を振って、最低30分冷蔵庫に置く。
  6. その間に、人参を8mm角のサイコロに切り、戻した椎茸を薄くスライスしたら味付け調味料で煮汁がなくなるまで煮る。
  7. 干瓢を20cm程に切って水煮10分浸けてもどし、水から煮始める。
  8. 親指の爪を立てて、芯まで火が通ったら味付け調味料を加えて煮切り、のまま自然に冷まして味をしみ込ませる。
  9. 容器に酢を用意し、5の秋刀魚を酢に通して塩を落し、ラップに包んで15分程味をなじませます。
  10. 絹さやえんどうは沸騰したお湯で、塩を入れて軽く色が変わるまで茹でたら広げて冷ます。
  11. ご飯を炊いてシャリ酢を回し、うちわで扇いで人肌に冷ます。
  12. 9の秋刀魚薄皮を頭部の方から剥がしてから1.5cm幅に切り、干瓢も同じように切る。
  13. 寿司飯に秋刀魚、人参、椎茸、干瓢を混ぜ合せ大皿に盛りつけたら、絹さやと細く切った焼き海苔を散らしてでき上がり♪

☆ ➠お弁当に

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2010-02-05

切り身の甘塩鮭で五目寿司:朝青龍は強い男

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 今日は甘塩鮭の切り身を使って、五目寿司です。のっけから、鮭について最近思うことをちょっと。
 そもそも、最近の切り身の鮭は、脂がすごいのです。手で触れただけでギトッとするのです。全てとは言いませんが、明らかにそれは消費者の嗜好なのでしょうね。バブル成長期から、脂が乗っている肉や魚が高級で美味しいみたいな風潮になって、グルメ番組でもかなりその波に乗っていました。と言うか乗せられたのか。脂の乗っている魚は確かに美味しいのですが、鮭の焼きほぐしや混ぜご飯、寿司などの料理ではご飯が脂に浮くようなことにもなり兼ねないのです。
 実際、今回の鮭も腹側には脂がたっぷりですし、全体的に皮の内側は脂の層がしっかりあります。それでも切り身は手頃で、できれば食材としていろいろに活用したいという魅力があります。
 脂が多い切り身の鮭でも、ちょっとしたひと手間をかければ上等の鮭の散らし寿司ができます。また、そうかと言って脂と一緒に水分が抜け過ぎるのも困りものですから、その辺を考慮して料理してみました。
 実に簡単です。酒と味醂を鮭にまぶし、そのまま一緒にフライパンで弱火で蒸すだけです。甘口の切り身なので、塩抜きのことはあまり意識に入れなくてもよいので、これだけでもかなり脂が抜けます。また、表面には適度な甘みがつくので、一石二鳥です。蛇足ですが、塩辛い鮭の塩を抜く方法はこちら➠

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 五目寿司の作り方の全体の流れは、水で戻すような乾物は、それにかかる時間を考慮して早めに準備する。野菜を切って湯通し程度に下茹でし、下味をつける。野菜の具を冷ましている間に、鮭を酒蒸しする。ご飯を炊いて酢飯を作る。具と酢飯を全て混ぜ合せる。
 これだけでも充分ですが、彩りということで絹さやエンドウや錦糸卵、焼き海苔などをのせるとよいです。私は、手製のガリと焼き海苔をのせ、他のおかずにほうれん草とキノコの炒め物、豆腐と青海苔のおすましにしました。

材料

  • 鮭の五目寿司
  • お米・・4合
  • 甘塩鮭の切り身・・3枚(200g)
  • 干し椎茸・・25g
  • 人参・・80g
  • 牛蒡・・1/2
  • レンコン・・200g
  • シャリ酢・・170g(レシピ☛
  • 焼き海苔、ガリ・・適宜
  • ガリ・・適宜(レシピ☛

鮭の下煮調味料

  • 酒・・大さじ1
  • 味醂・・大さじ1

具の調味料

鰹出汁・・100cc
椎茸の戻し汁・・100cc
淡口醤油・・大さじ2
味醂・・大さじ2
塩・・小さじ1/2

作り方

  1. ボールで椎茸を水で戻して置く。
  2. 鮭の切り身を鍋に並べ、下味調味料を加えて6~7分蒸して火を通し、皮と骨を取り除く。
  3. レンコン3cmの薄切り、牛蒡は3cmの笹がき、人参は3cmの短冊、戻し椎茸は薄いスライスに切り、たっぷりの沸騰したお湯に30秒入れて笊に取る。
  4. 米を洗って、炊き上げの準備をする。
  5. 鍋で具の調味料と2を一緒にを中火にかけ、煮汁がなくなるまで煮切ってそのまま冷まして味を染み込ませる。
  6. 炊きあがったご飯にシャリ酢を混ぜ合わせ荒熱が取れたら、1の鮭と4の具をサックリ混ぜ合わせる。
  7. 茶碗に盛り付け、焼き海苔とガリを添えてでき上がり♪

【お弁当に】薄焼き卵に片栗粉と味醂、塩を混ぜた薄焼き卵と海苔に包んで“茶巾寿司”

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2009-12-15

鯵の笹巻き寿司:前向きな考え方、できるかも

 昨日は、ジョギングに出ようと玄関を開けた途端、夜中に雪が降ったというのを知って思わず後退りしてしまいました。このところちょっと暖かかったせいで、雪の降る寒さに怯えたのでした。あたりはシーンと静まり返っています。そうか、新聞がお休みだった、と思い出し、耳をすましてもいつもどこかで聞こえるバイクの音はしません。ちょっと心細くなったのですが、思い切ってその静かな暗闇を走り始めました。
 このまま話し出すと長くなるので、この先はカット、ね。

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 今日は、お正月の料理にちょっと可愛いかなと思って作った鯵の笹巻き寿司です。にぎり寿司よりもやや大きめの小判型にしました。使用した笹は、以前にも作ったカナッペ風お寿司(レシピ☛)に使ったのと同じ笹の葉で、初夏に山で採って熱湯で茹でてから乾燥させて保存しているものです。戻す方法は、同じように熱湯にしばらく浸すだけでシワも戻ります。

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Pc130007  この笹の葉に包むという文化は、先のリンク先でも話した通りで、昔の人の知恵で、食品の保存方法として今もなお生活に密着しているようです。また、保存性だけでなく、包んだ中身が乾燥することもなく、こうして包んだ姿は田舎の風情も漂います。見栄もよろしいでしょ。 このところお正月の料理のことを考えていて、料理を前に歓談しているうちに食べ頃を見逃す、ということが気になったのがきっかけで、この笹巻きを思いついたのです。これでしたら、実家に帰省するという時にも、自宅で作ってお土産にもできますし、食卓で残ってしまってもこれなら翌日でもまったく問題なく食べられます。その点で笹に包む方法は、もってこいだと思います。 実は、この手のお寿司は、作ってから時間が経った方が味が馴染んで美味しいものです。因みに上の画像は翌日の状態です。
 そう言えば探せばあるものですね。ネットで笹の葉が買えるようです。探した中ではここが一番安価でした。興味のある方はどうぞこちらで➠日食商事株式会社 

材料 Photo

  • 隈笹(クマザサ)・・18枚(20㎝くらいの)
  • 白米・・3合
  • シャリ酢・・128cc
  • ガリ・・18枚(レシピ☛
  • 真鯵・・2尾(25cm)
  • 塩・・大さじ1.5
  • 酢・・カップ1

作り方

  1. 乾燥した笹の葉は洗って、ひたひたの水から中火で煮て戻し、水気をふき取る。
  2. 鯵を三枚に卸す。(出きない人は魚屋さんでやってもらう)
  3. Pa250010 卸した鯵が並べて置ける位のバットに分量の塩の半分を振りまき、鯵の皮目を上に並べ、残りの塩を全て均一にふりかける。
  4. 1の全体にラップを掛けて冷蔵庫で1時間おき、塩締めする。
  5. 滲みでた鯵の水分を払い、鯵に酢がひたひたにかかるようにラップを鯵に貼りつけて冷蔵庫で30分、酢締めする。
  6. 鯵の表面が酢で白濁したら取り出してキッチンペーパーで水分を吸い取り、中骨を抜き、頭側から皮を引く。
  7. 5の頭側を右に横に置き、包丁を寝かして5切れに削ぎ切りにする。
  8. 適当な大きさのガリを18枚揃える。
  9. 酢飯は飯台で18等分に大まかに分け、小さな小判型の結びを作る。
  10. 笹の葉に9の結びを置き、がりを乗せて鯵の削ぎ切りを乗せて笹の葉を包んで皿に盛り付ける♪

酢飯の作り方
米を洗って笊に上げ、30分ほどおいて分量の水でセットする。鯵の酢締めの出来上がりに炊き上がり時間を合わせるか、酢締めした鯵を先手に作り置くかで炊く時間を逆算する。 炊きあがった蒸らしたら、お釜に入っているままの状態でシャリ酢を回しかけ、シャモジで上下を返すように大きくまぜあわせ、全体にシャリ酢が回ってか飯台に移してから団扇で扇いで冷まします。炊きあがったご飯を飯台に移してからだと、蒸気が逃げてしまうのでシャリ酢が全体に行き渡りにくく、ご飯粒を潰したりして上手く出きません。

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2009-11-25

柵買いで作る刺身:商売の正常化は刺身の買い方でも決まる

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 昨日蟹に触れて(参照☛)、年の瀬のご馳走となるかどうかとお話しました。それに対して、Twitterで反応があって嬉しかったです。書いた内容はともあれ、蟹には一種、憧を抱くような贅沢品というイメージは庶民感覚からは離れないようです。尚更のこと、お刺身などに関してはどうかという好奇心も出てきて、今日は、私の主婦感覚な買い物方法から考えを書いておこうかと思います。ついでに、買い手が喜べば市場には活気が戻るというお話も。
 f:id:godmother:20070223043528j:imageまず、お刺身はどうやって食べるかということに二通りあります。一つは文字通り刺身で、もう一つはにぎり寿司のネタにするという食べ方です。にぎり寿司の方は、我が家では昔から当たり前にしていますが、この方法を教えてあげると、主婦仲間は目から鱗だと言います。人数が少ないときは少し割高でも、刺身の盛り合わせになっているパックを買えば、一人分で数種類のにぎり寿司にありつけま(レシピ☛)。

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 いつ頃から刺身がパック売りになったのか定かではありませんが、この方法は、店側としては魚を効率よく売りさばくためなのでしょうし、買う側にすれば好みの詰め合わせや種類、量的なものを吟味して買うということです。ここでちょっと意識のズレがあるので書いておきますが、客は、欲しいものを欲しいだけ買うのが客だと思います。パックになっているのはそれはそれで良いとしても、だからと言って我慢して、欲しくないものまで一緒に買う必要もないわけです。逆に言うと、ほしいパックがなかったら買えないと思っている人も多いのです。この関係に、不自由感の存在があるように思います。
Sashimi2 例えば「マイオウンパック」として、全て自分が選んだ魚だけ詰め合わせを頼むこともできます。ただ、そういう注文を嫌う魚屋があったとしたら、売り手の意識がおかしいのじゃないかとさえ私は思います。客の言いなりになるということは赤字を覚悟する意味なのか、実際赤字なのかもしれませんが、昔の魚屋は、対面売りではとてもその辺の売り方が上手で、魚を余すことなく売りたい金額で売さばくのが上手でした。因みに、花屋曰く「花屋は在庫を回すから商売になる」のだそうです。客に助けられて、売り手市場に胡坐でもかいてきたのかと言いたくなります。
 でも、このご時勢ですからデフレで商品が安価になっても、国民はお金を持っていませんから財布のひもは固いです。今までのやり方では、商売が厳しくなってくると思います。客が購買意欲を持って活気が出てこないと景気は回復しないと思うので、魚の売り方にも買い手市場に転換して、客足が遠のかないようにする必要があると思います。
 私達は、できるだけ効率よく買い物をして無駄をなくすというのは変わらないまでも、魚屋でも一番物が動く刺身が、パック売りに縛られることなく、もっと自由に買い物ができると嬉しいです。
Sashimi1 今日の刺身は、ハマチ・キングサーモン・メバチマグロの皿とスズキ・ヒラメの刺身の盛り合わせで、それぞれ「柵買い」で自分で刺身に卸した例です。私はこの「柵」買い」をとても薦めるのですが、どうでしょう?お値段の話をするのは何ですが、この画像にあるだけで3000円です。お刺身のパック3000円の倍近くの量になります。
 柵買いするとこんなに違いがあるのを承知でも、手間の点や、上手に切れないだとか、包丁がそれなりのがないので作る自信がないという人もいるともいますが、これも買い手市場では解決できます。柵で買ったパックを店に頼んで、それぞれを刺身用に切って貰うことだってできるのです。これをする人が少ない理由は、私のような人ですが、切ってしまうと切り口から酸化が始まり鮮度が落ちるためです。魚への愛情という理由も柵買いにはありますし、また、割安で尚且つ鮮度の良い刺身が食べられるというわけです。
 刺身の買い方の話ではありますが、買い手市場に戻ることが商売に活気が出て、景気回復の原動力になるとは思います。あとは、政府のバラマキによる政策で、本当に国民の懐が暖かくなるかという問題です。政府が赤字ですからね。
 買い手の思い通に買い物をさせろと言いながら、売り手の応援をしていますよ、というのも矛盾しているかもしれませんし、買い物ができるようにもう少し実入りのよい仕事でもあったらと願いながら、実際は仕事自体がない世の中です。昨日に続いて、デフレスパイラルを断ち切る考察の延長の話ですが、これって世の中が普通に戻るだけの話なのですが。

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2009-10-25

カナッペ風お寿司:器の概念を取り払うとこんなことに!

 今日は、不揃いな食器の数や大きさに煩わされずに、誰もが適度にご飯をいただけるよう、器についての考え方と応用です。
 些細な事ですが、お茶碗やお皿のセットというのは「5」がキーワードですね。お遣い物などでいただく事は最近はめっきり減りましたが、お皿や茶碗セットなどの数は、1・2・5です。何が言いたいのかというと、来客の時に、それもちょっとかしこまった時などは、お皿や茶碗が不揃いだとカジュアルな感じになってしまいます。思い切って全部ばらばらというのもお洒落ですが、そうなると単品がそれなりに個性的か、またはシンプルかなどのセンスがものを言います。人からの評価は、センスの良さを問われがちですが、見かけのことよりも、もてなすこちらの気持を大切にしたいです。ですが、欲を言えば相手にこちらのその気持ちが伝わって、心地よく食事をしてもらえれば尚更嬉しいというものです。

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 実際に準備をする段階になると、うーん、難しくなりますね。これだから来客の時は外食に決めている、という人も多いと思います。そこで、器に拘ることなく、かといって全く気を使わないと言うのでもないのが笹の葉や経木、竹の皮などです。これらの天然素材は、全て腐敗の元になる菌に強く、昔は肉屋さんでは経木を使いましたし、竹の皮ではおにぎりを包みました。隈笹(クマザサ)の葉は、新潟では草団子、秋田では笹巻き(粽=ちまき)を作って、ご飯を保存するのに使っています。
Pa250010 今回の笹の葉は、春先に大きな葉で有名な「隈笹(クマザサ)」を取ってきて熱湯で茹でてから乾燥させて保存したものです。この方法は、新潟の笹団子を家庭で作るときの方法で、知人から教えてもらいました。
 寿司飯に刻んだ大根葉や蕪などを味噌でつけた浅漬けをちょっと載せてみただけなのですが、これを沢山作ってお出しすれば、好きなだけちょこちょこ食べてもらえます。笹の香りと一緒に人肌の寿司飯を頂く時は、山の香りそのものです。これだけでも会話が弾みます。

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 酢飯には「赤米」と呼ばれる古代米由来のお米を少し加えて炊き込み、シャリ酢を混ぜると画像のような鮮やかな色に変わります。あしらったお漬け物は、これはもう簡単で、二十日大根の酢漬け(レシピ☛)とガリ(レシピ☛)を蕪の間引き菜と根を細かく刻んだ漬け物を混ぜただけです。この蕪は、下処理をして苦味と青臭実を抜いています。方法は、細かく刻んで塩で揉み出し、青汁が出たら沸騰しているお湯に入れて軽く茹でて、少量の「漬物名人」で味噌漬けにします。30分ほど馴染ませたら直ぐに食べられます。酢飯に味噌味というのも合うものですよ。使った味噌は「漬物名人」という商品名で、信州JAで購入できます。500gの小袋入りが重宝します。
 ご飯は「少しだけでいいです。」と言われても2~3口分だけ盛り付けるのは私はなんとなくできなくて軽めの普通によそいます。それでは相手が無理をして食べなくてはいけない破目にあうので、それもよくないと思います。内輪の会食なら兎も角、ここは少し気を使うところです。Pa250007その点、笹の葉に2~3口分のお寿司を載せて、 食べたいだけ食べるもよし、食べないのもよしという関係がよいと思います。残ったら、食べ終わった笹をもう一枚重ねて包み、葉の端を丸め込んで蓋をすると乾燥から防げる上、腐敗も避けられます。笹の葉のシーズンになったら是非野山に出て、笹の葉散策に勤しんでみてはいかがでしょう。

材料(15個分)
乾燥笹・・15枚
米・・2.5合
赤米・・大さじ1
シャリ酢・・105cc(レシピ☛
蕪の間引き菜・・4~5本(蕪のなら葉付きで1個)
ガリ・・5~6枚
二十日大根の酢漬け・・15g(数枚)
漬物名人・・大さじ1

作り方

  1. 笹は洗ってひたひたの水から中火で煮て戻し、水気をふき取る。
  2. 蕪と葉を小さく刻み、塩大さじ1(分量外)で青汁が出るまでも見込んで絞る。
  3. 鍋に1リットルほどのお湯を沸かし2を軽く茹でて笊に上げ、流水に当てて色目を残す。
  4. 3をよく絞って「漬物名人」を混ぜ合わせ、最低30分は馴染ませる。
  5. 4の蕪に刻んだガリと二十日大根の酢漬けを混ぜ合わせる。
  6. ご飯を炊いてシャリ酢を混ぜ、人肌に冷めたら笹を丸めた中に詰め、5の漬物を載せて皿に盛り付ける♪

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2009-09-03

酢締めの秋刀魚の混ぜご飯と藤作り(刺身)

 「秋刀魚」と書いてさんまと読ませるのは、今更言うことでもないのですが全くの当て字です。この当て字は、姿かたちが刀に似ていて秋の代表的な魚だからというのが言われです。水揚げされた新鮮な生秋刀魚が出回り始めて、そのきらきら輝いている姿を目にすると、もう直ぐ涼しくなるなぁと夏の終わりを感じる時が、私にとっての秋刀魚の季節到来です。
 お盆前よりも益々丸く太って脂が乗ってきています。お値段も日々変動はしますが、最近はかなり安価です。そして、私が一番嬉しいのは、その新鮮さです。腸の状態をみれば直ぐに分かることですが、新鮮な魚の内臓は包丁の先に引っ掛けて身から離すと、崩れることなくそのまますっぽりと抜けます。鮮度が落ちた魚の内臓は中で崩れていたり、引っ張り出すことができないほどもろくなっているものです。その前に目の透明度やえらの色、腹の弾力などでも見分けがつきます。

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 さて、あまりに綺麗な生秋刀魚でしたから多めに買って、秋刀魚尽くしの食卓にしました。二尾は刺身で、残りは酢〆にしてご飯と味付けした根菜と一緒に混ぜご飯でいただきました。あまり時間のかからない料理ですから、塩締めしている間に、刺身はちょっと手間をかけて、「藤作り」(作り方☛)にしました。秋刀魚の大きさが少し違っていたので、本当なら綺麗に切りそろえないと藤の花の高さが揃わないのですが、そのために短く切ってしまうのももったいなくて、結局あまり綺麗な藤の花にはなりませんでした。そんなことよりも、秋刀魚の生きがよい分ぷりぷりで美味しかったので気にも止まりませんでした。

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 混ぜご飯の方の手順ですが、これが以外に簡単です。酢締めした秋刀魚と甘辛く煮込んだ具を酢飯に混ぜるだけです。
 また、青い魚の酢締めを家庭で食べられるということは、塩加減もさほど強くしなくでもよいですし、酢の利かせ方もそこそこで、どちらかというと好みに合わせてもよいと思います。刺身でいただけるほどの鮮度なのですからそういうことです。三枚に卸して頭の方から皮を剥ぎ、塩を振ったバットに皮目を上に並べ、皮目の方にもたっぷりと塩を振ります。ラップをして冷蔵庫で1時間ほど塩締めして、ひたひたに酢を注ぎ入れます。さらに1時間ほど冷蔵庫で置きます。本来は酢締めしてから皮を引いた方が綺麗ですが、新鮮な秋刀魚なので先に皮を引いて短時間で締められるように順序を変えました。締めている間に刺身を作り、にんじんと戻した椎茸、筍を出汁で煮て柔らかくなったら味付けします。この味付けは、かなり甘辛くします。ご飯に混ぜてから味が馴染むころにはちょうどよくなっています。最後に、季節の薬味を散らしたり焼き海苔を散らしていただきます。

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 涼しくなってきているので翌日のお弁当の分にと安全をみて、塩も酢もやや強めにしました。臭みの問題も無く美味しかったと息子から聞いています。
【参考料理】
☛ウルメイワシの混ぜご飯

材料

  • 生秋刀魚・・3尾
  • 塩・・大さじ2
  • 酢・・カップ1
  • お米・・4合
  • にんじん・・80g
  • 茹で筍・・80g
  • 干し椎茸・・大2個
  • 焼き海苔・・適宜
  • シャリ酢・・85cc

味付け調味料

  • 醤油・・大さじ2
  • 砂糖・・大さじ2
  • 味醂・・大さじ1
  • 椎茸の戻し汁・・カップ1

作り方

  1. 椎茸はすっかりかぶる程度のぬるま湯に浸け、一つまみの砂糖を加えて戻しておく(半日)。※水なら丸24時間。
  2. 秋刀魚を三枚に卸し皮を引いて塩を振ったバットに皮目を上に並べてラップをかけて冷蔵庫で1時間塩締め後、分量の酢を回しかけて1時間酢締めする。※大さじ2の塩が全体にかかるようにバランスを考慮する。
  3. 食べる時間から逆算して1時間前に米を洗いセットする。
  4. の椎茸とにんじん、茹で筍を5mmくらいのさいころに切る。※戻し汁は捨てずに、煮汁として使用。
  5. 浅鍋で4をひたひたの椎茸の戻し汁で煮て、にんじんが柔らかくなったら味付け調味料を加えて煮汁がなくなるまで煮詰める。
  6. ご飯が炊き上がったらシャリ酢(通常の半分量)を混ぜてから飯台に移し、うちわで扇いで艶を出す。
  7. 秋刀魚を取り出し、気になる中骨を骨抜きで抜き取ってから3cmに切りそろえる。
  8. 酢飯が人肌に冷めたら、5の具材と秋刀魚を酢飯に混ぜ合わせる。
  9. 皿に盛り付け、小さく切った焼き海苔(あれば薬味なども)を散らす。

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2009-08-17

焼き鮭のちらし寿司:嵐の後のさっぱりとしたご飯:白状する

 お盆のあとの静けさとはなんとも寂しいものです。
 今まで一度も考えたことはなったことで、お盆で家に帰ってきたご先祖を送るのに、お仏壇にあった花とお供え物を包んでお線香を手にお墓へ送って帰ってくると、今まで賑やかに存在していた何かが空虚になって、しんみりとした感じを覚えます。同時に娘も息子も東京に戻り、それまで家の中で人の動く物音や話し声が、どれだけ心地のよいものだったかとしんみりと考えていました。
 見送るというのは嫌なものです。私もこれまで実家に帰る度に見送られてきたわけですが、私達家族が実家を後にするときは、いつまでも手を振って車が見えなくなるまで見送ってくれた母や父の姿を思い出します。賑やかな空気が静まり返った空虚な空間で、夕ご飯はお茶漬けにでもする?と会話したのではないかと、ふと思いました。

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 今日は、そんなわけで本当にお茶漬けなどにと思ったくらいですがそうも言っていられませんので、甘塩の紅鮭をゆっくり焼いてほぐしたちらし寿司にしてみました。昔と違って、塩鮭がこのように寿司ネタになるのが嬉しい塩加減で、塩分の取り過ぎがうるさく言われるようになってからの産物だと思います。昔の塩辛さは舌がしびれるような痛い辛さでしたからね。
 翌日のお弁当の分も考慮して、大目の米を鍋で炊きました。当然ですが、寿司用のご飯は少し水を少なくして炊きます。そして、少し短めに蒸してからその状態で分量のシャリ酢を加え、全体にシャリ酢が回るように上下を返すようにかき混ぜます。このあと初めて飯台に取り出してうちわで扇いで人肌に冷まします。シャリ全体が空気に触れて冷めることで、糖分がご飯粒の表面で「照り」に変化して艶がでますから、その様子を見ながらゆったりと扇ぐとよいです。慌てる必要はありません。

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 具は、米を洗って炊くまでの間に用意します。酢飯の温度と同じくらいの温度か、少しそれよりも高めに具の温度を合わせると、混ぜ合わせた時に味がよく馴染みます。鮭をゆっくり焼いてほぐし、卵を薄焼きにして錦糸卵を作ります。焼き海苔は細かく切ります。
 錦糸卵の作り方のコツは、煙が出るほど熱したフライパンを濡れ布巾に一瞬つけて冷ましてから卵を流し入れ、フライパンをぐるりとまわして卵を薄く行き渡らせます。卵一個で薄焼き卵をきれいに一枚作るのなら、鍋の大きさは26cm以上あった方がよいので、できれば中華鍋をお勧めです。大きいサイズがない場合は、これを目安に半分の量にするなどして調整するとよいです。
 きゅうりの塩もみですが、塩で揉んだだけでは後から水が出てべちゃつきますので「酢締め」にします。不思議ですが、塩で揉んだ後酢で和えると後から水が出なくなります。100ccの水に小さじ1の塩を溶かし、きゅうりの薄い輪切りを15分浸けます。固く絞って大さじ2の酢をよく和えてから水分を絞るだけです。これで薄い塩分と酢で、下味のついたきゅうりが出来上がりです。
P7050020 今日のシャリ酢は、梅干をつけた後の漬け汁といつものシャリ酢(レシピ☛)を半々で混ぜ合わせてみました。秋田の友人から教えてもらったレシピの漬け方で、「杏梅」をつける調合です。もちろんこんな液は誰もはありませんから、普通にシャリ酢を混ぜるとよいです。ただ、梅漬けをする人は、残った漬け汁の再利用としてこんな使い方もあるという情報として参考にどうぞ。因みに、あの漬け汁で野菜の浅漬けや料理の味付け、ご飯を炊くときなど使い方次第では、梅の香りなどがとても生きておいしくなります。

材料

  • 米・・3合
  • きゅうり・・1本
  • 卵・・2個
  • 紅鮭切り身・・2枚
  • 煎り胡麻・・適宜
  • 焼き海苔・・1/2枚
  • シャリ酢・・128cc(梅の漬け汁と半々)

きゅうりの浸し液

  • 水・・100cc
  • 塩・・小さじ1
  • 酢・・大さじ2

作り方

  1. 米は洗って分量の水に浸して30分置く。
  2. きゅうりを2mmほどの輪切りにし、分量の水と塩を混ぜて15分浸し、固く絞って酢をまぶして再度固く絞る。
  3. 卵はよく溶き混ぜて、一度熱したフライパンの底を濡れ布巾に軽く当てから卵を流し入れ、大きく回して薄く行き渡らせる。
  4. 卵の周囲がめくれてきたらはがして裏返し、直ぐに取り出して冷ましてから千切りにする。
  5. 鮭はグリルで焦げ付かせないようにやや弱めの強で両面焼いてほぐす。
  6. ご飯を炊いて10分蒸らしたらシャリ酢を加えて混ぜ合わせ、飯台に取り出してうちわで扇ぎながら冷まして照りを出す。
  7. 酢飯が人肌に冷めたら、ほぐした鮭、きゅうりを混ぜ合わせ、煎り胡麻、錦糸卵、切った焼き海苔を散らして出来上がり♪

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2009-06-26

梅雨時のお弁当で気をつけることをちょっと:酢飯のお勧め

 梅雨の中休みといた感じの爽やかな日がなんとも嬉しいです。先日頂いたコメントで知ったのですが、愛媛では場所によって給水制限を囁かされていたそうです。その後如何でしょうか。昨日だったか、少し雨が降ったとニュースで耳にしたのですが、言われていた地域にも降りましたでしょうか。あるところにはたんまりとあるので、飲み水なら何とかなるのでしょうけど、透析の患者さん一人に対してドラム缶約一本が必要だったとは知らずにいました。大変な量ですが、個人の病院などは対処しきれないものがあります。これもみんな政治が悪いのだ。と、始まると止まらなくなるので止めておきます。
B0189012_613736 さて、このような陽気では朝用意したお弁当が、お昼ごろには悪くなっているという事も少なくないです。傷みにくいように最近お弁当のご飯やおかずに気をつけ始めているので、いくつかの点に触れておきます。
 残り物と言ってはなんですが、前夜のおかずを多めに作って、翌日のお弁当用にするということを常に奨励している私です。こんなことは昔から当たり前で、そのままの形で入れる時もあれば、アレンジして目先を変える工夫だってします。でも、落とし穴にご用心ください。曲者は冷蔵庫です。「冷蔵庫に保存してあったものは大丈夫。」と思い込んでいる人が結構多いのですが、温かく出来上がった料理が一度冷めて、冷たくなったものをお弁当箱に詰めるというのが一番傷みやすので、何でも疑った方がよいです。必ず一度温め直して、冷ましてから蓋をします。それも電子レンジでは全体に充分に熱が回りませんので、鍋で直接温め直し、2~3分じっくり煮立たせます。それをしっかり冷ましてから蓋をします。また、熱いうちに蓋をするということは、冷め難いということを意味します。つまり、長時間にわたって腐りやすい温度を保っているということになるので要注意です。
 野菜は傷みにくいだろうと思うとそうでもなく、繊維質で空気を多く含む牛蒡などは、条件が整うと3~4時間で臭ってきます(酸化が進みやすい)。水分の多い煮物の豆類なども足が早いです。基本的には、夏には夏野菜を使ったものがお勧めです。
 細かくいうと限がないのですが、腐り難い味付けというのは、酢を使った料理です。なんにでもほんの少し酢を使うとよいと言われていますが、そういう味付けをする地域があって、びっくりしたのはご飯を炊くにも味噌汁を作るにも酢を加えるそうです。寿司飯のことを思ったら別に大した事ではないのですが、毎食そうだと聞いて、習慣的に使う地域性もあるのですね。画像のお弁当は最近のものですが、ハンバーグを出汁とソース、ケチャップで煮直して、ソースに酢を足しています。また、上に乗っている卵はキャベツの千切りを塩・胡椒・酢で味付けしてしんなりさせた上に卵を落として蒸し焼いています。右奥は肉じゃがの芋と肉ですが、じゃが芋は皮つきの丸ごとそのままです。野菜は間引き人参とアスパラガスの塩茹でです。酸っぱいほどではないにしろ、酢を加えると味が締まって隠し味にもなります。

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 昔は、梅干をご飯に一粒置く事で腐敗を防いだといいます。私は、味付けとしてさっぱりしたご飯になるので、米一合に対して梅一個をほぐして炊き込みご飯にします。また、最近作るお弁当は、作り置いているシャリ酢をお弁当の分だけご飯に合わせます。寿司用よりは少なめの酢にして薄味にします。食欲が落ちるほど暑い日でも、ご飯にほんのり味がついているので食べやすくなります。画像は、古代米を一合に対して小さじ1/3ほど加えて炊いたご飯に、シャリ酢を加えて混ぜ合わせた酢飯ですが、鮮やかなピンク色に変色しているのがわかると思います。
 このご飯に合うのが甘い味付けの味噌で、今は人参の間引き菜を茹でて刻み、味噌を同量の味醂でのばしたものと一緒に混ぜ合わせてご飯のおかずにします。季 節によって大根の葉や小松菜でも作ります。水分の多い葉の場合は、乾煎りして水分を飛ばしてから味噌と味醂で練り合わせます。これがいわゆる味噌菜飯の味付けです。実は、これを混ぜ込んで菜飯にしてしまうと腐敗しやすくなります。基本的には、混ぜ物も腐り易いです。
 シャリ酢は、以前おすし屋さんから教えてもらった「寿司店のレシピ」ですが、これが驚くほど砂糖を加えて飽和状態寸前の分量なのですが、素人ではあみ出せない切れのよいシャリができます。本来は米一合に対して43ccですが、お弁当のご飯には30ccほどに抑えます。お昼ごろにはすっかり馴染んであまり酢飯とは感じません。
 加えておきたいのは、消費・賞味期限の原則が施行されてからこっち「味を見ずに期限切れは捨てる」と習慣化されている人も、自宅で作るレベルのものは自分で実際に味見するほか方法はないです。大丈夫だと思っても、食べるその都度気を置くとよいです。長く書いた割りに充分な情報でもないと思いますが、安心してお弁当が食べられるように、くれぐれも気をつけましょう。

シャリ酢の黄金比
酢100cc:砂糖125g:塩25g
米一合に対して43ccが酢飯用の分量です。

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2009-06-24

鮪のづけ丼:もうすっかり夏の食卓です:主の亡くなった畑で

 昨日は夏と言ってもよいほどの暑さで、日中は29度にもなりました。風もあって爽やかでしたが、梅雨の中日でしょうか。東京はきっと蒸し暑いのだろうと思ったりしていているところへ、タイミングよく息子から電話が入ったりしたのですが、そういう声をかけるのは直ぐにすっ飛んでしまいます。電話を切ってから気づいたのでは後の祭りです。

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 人肌の酢飯に冷たい鮪(まぐろ)がのったづけ丼が、暑い日にはぴったりです。一年中マグロはありますが、今年は特に生の本マグロが手ごろに入るので嬉しいです。この間も店内で解体していましたし。「カマ」が生で買えたのはラッキーでしたし(レシピ☛)。
 ということでづけ丼のレシピです。づけ丼の醍醐味はなんと言っても冷たい赤身のづけが、ほんのり温かい酢飯にのっていることです。この温度差が食欲をそそります。づけに程よくタレがしみ込んでいて、こりッとした食感が何よりもたまらないです。脂の乗った部分はづけには合いませんので、是非鮮やかな赤身を入手してください。そのため、キハダマグロのような赤身しかない鮪でも充分だと思います。本鮪よりは安価です。

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 づけの味を決める煮切り醤油の作り方ですが、醤油は甘味のある「溜まり」か「濃い口」がよいと思います。私は、醤油の量と同量になるように味醂と酒を半々にします。醤油が半カップでしたら、味醂と酒はカップ1/4ずつということです。酒のアルコールを飛ばす為に沸騰させますが、醤油がここで入っていると長く沸騰させることになるので、醤油の香りも抜けてしまいます。ですから、最初は味醂と酒だけ少し長めに煮切り(沸騰させ)、後から醤油を加えて一煮立ちしたらそのまま冷まします。
 この煮切り醤油に好みの量の山葵(わさび)を溶かし、バットに並べた鮪にひたひたに注いでラップで落し蓋をします。冷蔵庫で一時間ほど浸け込んで準備完了です。

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 ご飯が炊けたら直ぐにシャリ酢を混ぜてから飯台に移して団扇(うちわ)で扇ぎます。炊飯器の中にご飯がある間にシャリ酢を混ぜ込むと全体によく混ざります。づけ丼にしっかり味が入っていますので、シャリ酢は普通の酢飯よりも少なめにします。人肌に冷めたら薬味の大葉を千切りにしてのせ、鮪を並べたら少々胡麻を振って、頂きます。

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 鮪を冷蔵庫で浸け込んでいるうちに、肉じゃがのさっと煮を作りました(レシピ☛)。煮汁を残さない作り方で、30分ほどで出来上がります。ここに冷奴を添えて、もうすっかり夏の食卓でした。

材料(3~4人分)

  • 本鮪(赤身)又はキハダマグロ・・300g
  • 大葉・・10枚
  • 白い炒り胡麻・・適宜
  • 刻み海苔・・適宜
  • 煮切り醤油・・90cc
  • ご飯・・2合
  • シャリ酢・・70cc☛レシピ

煮切り醤油の分量

  • 濃い口醤油・・45cc
  • 味醂・・22.5cc
  • 酒・・22.5cc
  • 練りわさび・・適宜

作り方

  1. 小鍋で味醂と酒を沸騰させてアルコールを飛ばし、醤油を加えて再沸騰したら直ぐに火を止めて冷ます。
  2. わさびを1に溶かしてからバットに移し、鮪の切り身を並べて両面にタレが回るようにラップで落し蓋をして冷蔵庫で一時間ほど浸け込む。
  3. ご飯が炊けたらシャリ酢を混ぜ合わせ、あらかた混ざったら飯台に移して団扇で扇ぎ、人肌に冷ます。
  4. 器に酢飯を盛り付け、大葉の千切り、2の鮪、炒りゴマ、刻み海苔をのせてでき上がり♪

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