ジャガイモサラダ(キタアカリ)タイム風味
ご夫婦で野菜を育てている市内の友人から頂いた、キタアカリの小ジャガで、タイムを散らしたさっぱりしたサラダを作ってみました。私も、パン屋を開業する前までは家庭菜園を手掛けていましたが、小ジャガというのは、取るに足りない野菜のようで、大概、畑にそのまま捨てられてしまうようです。小さいので収穫が面倒臭いという理由らしいですが、ジャガイモの収穫は、手で根本を握って引き抜きます。引き抜いた根のあちらこちらにジャガイモが鈴生りになっていて、ここで選別しながら根から外して収穫します。小ジャガは、その根の至るところにぶら下がり、大きく育ったジャガイモの影に隠れている様な存在です。このまま畑に残しても大きくなれず、放置されがちです。ですが、これは私にとっては「お宝」で、キタアカリの子ジャガの食感はねっとりしているのにホクッとして、ジャガイモの香りを凝縮させた味がします。最近は新ジャガが出る頃にスーパーにも並んでいるのを見かけますが、人手のある農家しかこのようなジャガイモを出荷できないんだろうな、苦労しているなあと、ありがたく思います。
さて、当家では定番の合わせ調味料を使って、簡単に煮っころがしを作っていますが、今日は、キタアカリの特徴を踏まえ、酢やフレンチマスタードを使ったソースで絡めて頂くレシピを紹介します。そうは言ってもこのレシピは、キタアカリや子ジャガに限定するものではありません。身近に入手できる、できれば子ジャガ、なければ、好みのジャガイモで十分美味しくできます。ポイントは、ソースの配合と、ソースをからめるタイミングです。香り付けにはタイムを使いましたが、甘い香りのフェンネルや、バジルなども爽やかな香りに包まれます。また、今日のジャガイモは、小さい割に大きさはバラバラなので、お湯で茹でました。大きなジャガイモの場合は、包丁で二つ割りにして、ピッタリ割目をつけてラップで包んでレンチンすると、むらがなく、火が通ります。最近の若い方たちはレンジの使い方が上手なので、私が口出すこともないかと思います。
ちなみにタイムですが、庭先で育てる事ができる手軽さが良いです。そして、一々、使う度に庭に出なくても、大きめのタッパーにキッチンペーパーを濡らして全体を包み込むようにし、蓋をして涼しいところに置いておくと、1~2週間は青々としています。また、越冬もできるので、庭先や鉢植えにすると翌年も楽しみになります。画像のタイムは、これで2週間が経過しています。ね、元気でしょ?
材料(4人分)
・子ジャガ・・・400g
・玉ねぎ・・・半分
ソース
・オリーブオイル・・・大さじ3
・S&B フレンチマスタード ・・・大さじ1
・ホワイトビネガー・・・大さじ1(なければ米酢)
・砂糖・・・小さじ2
・塩・・・小さじ1/2~1
・胡椒・・・適宜
・タイム・・・少々
※ フレンチマスタードは、辛くない辛子で、ホットドッグなどにたっぷりかけて食べたりする、アレです。
※ ホワイトビネガーは、米酢よりもあっさりした酸味で、トマトなどの和え物に大変合います。また、フレンチドレッシングのベースにもなります。
作り方
1)ジャガイモを洗って皮つきのまま、鍋に水を計りながらすっぽり被る程度の水を差し、使用した水の10%ほどの塩(分量外)を加えて中火にかける。
2)ジャガイモを茹でている間に、ソースを作る。オリーブオイル以外の材料をボールに採り、混ぜ合わせた後、オリーブオイルをゆっり加えながら混ぜて乳化させ、タイムも加える。
3)約15分程で一番大きなジャガイモに串を刺して、すっと通ればお湯を払う。
4)ソースが良く絡まるように、ジャガイモを半分に切り分ける。
5)ジャガイモが冷めないうちにソースのボールに移し、ソースをよく絡める。
6)タマネギは縦半分に分け、繊維に対して90度で3mm幅のスライスにし、塩指先3本でひとつまみの塩で軽く揉む。
※タマネギは塩揉みで十分美味しいが、ホワイトビネガーか米酢を少し垂らして揉むと、タマネギから水が出ることなく、水止めになる。
※色合いとして、紫キャベツやトレビスの千切りをタマネギと一緒に揉んでもよい。
《料理のかんどころ》
ジャガイモが茹で上がったらできるだけ素早く、ソースを絡めると良い。ジャガイモのから湯気として蒸発する水分との交換で、ソースの香りと風味がジャガイモに入っていく。これは煮物全般の味付けでも同様のことが言える。献立の一番最初に煮物を作り、食べる頃に、味が染み込んで食べ頃となっている。
タマネギは繊維を短く切ると、噛みごたえがなくなるが、食べやすくなる。逆に、繊維に対して平行に切ると、食感が残る。どちらでもお好みで切ると良い。
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