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悠仁さまの「筑波大進学」 〜ヤカラの跋扈!(嗤)


悠仁様の筑波大学進学はめでたい限りですが、早くも今後についていろいろな声が上がっています。


 まず現代ビジネスから

このままでは「万が一の事態」が…悠仁さまの「筑波大進学」で、これから宮内庁を悩ます「最大の問題」

12/16(月) 7:09配信


一足早くサクラが咲いた。秋篠宮家の長男・悠仁さまが筑波大学(茨城県つくば市)の推薦入試に合格したことが、12月11日に発表された。だが、そのキャンパスライフを巡っては、数々の懸念点がみられる。


対策が求められる「いちばんの課題」


筑波大に皇族を受け入れた経験はなく、これが初めてのケースだ。同校のOBは、「歓迎、というよりも心配な気持ちの方が勝っています」とその胸中を吐露する。

「本人も大変でしょうが、周囲も大変だと思います。一番の課題はセキュリティの問題です。筑波大学はキャンパスが広大で林や池もあります。人が潜むことができるところはいくらでもあるんです。常に警備が張り付いているのも現実的ではありません」(同大のOB)

筑波大学の筑波キャンパスは、教室だけではなく屋外運動場や農場、植物園、林や池まである。大学単一キャンパスとしては国内第2位の規模を誇る。地域にも開かれた大学であり、学外の人も気軽にキャンパス内に出入りできるという。

「地元の方が散歩やジョギングをしている姿をよく見かけます。オープンな雰囲気も筑波大の魅力です」(筑波大の女子学生)

良さでもあるその開放感は、いざ要人を迎え入れた際の不安材料になる。つまり、悠仁さまの筑波大入学を巡って特に心配されているのが、警備の問題なのである。

そうですね。悠仁様はお茶の水女子大附属中時代に、移動でだれもいなかったクラスルームに侵入した者に、庖丁を2本棒に縛り付けたものを置かれてましたね。犯人の名前が長谷川薫、そして置かれた刃物の物体が赤く塗られていたこともあって、

平成最後のシ者カヲル容疑者、チルドレンヒサヒトにロンギヌスの槍を携えて会いに行く!


なーんてエヴァンゲリオン絡みで、人口に膾炙していました。冗談はさておき、あの時長谷川薫は「悠仁様を刺そうと思って乗り込んだ」と物騒なことを自白しており、将来の天皇に万一のことだって起こりかねなかったと思います。その点筑波大は郊外にある大学の典型で、敷地が広く出入りが自由です。悠仁様がつくば市に下宿するのか東京から通うのかわかりませんが、警護には注意することになりましょう。


 しかし、早速うじゃうじゃと現れたヤフコメ民がうるさいこと。「魑魅魍魎」とはこのことか!と思います。

gin*****

1時間前


どれだけ国民の税金を好き放題使えば気がすむのだろう。今回も素直に歴代の皇族と同じ学習院へ進学していれば余計な経費もかからず最低限で済んだはず。通学するにしろ片道約70キロ送迎では警護車両も含めて交通費は大変な額になると思います。ガソリン代もまた上がるというのに秋篠宮家は国民に対する配慮をもっとやるべきだったと思います。


tnb********

5時間前


通学にどれだけの費用がかかるのか気になる。国民の多くが厳しい生活を強いられている中、国家予算による出費はできるだけ抑えて欲しい。皇族だからと言っていくら費用がかかっても青天井で許される物ではないと思う。秋篠宮家に対し今支給されている皇族費の中から賄ってもらうのが自然で普通のやり方だと思う。通学に費用がかかるなら他を節約して貰いたい。

おお!あなた方が心配すべきなのは、自民党議員はじめ国会議員たちが湯水のごとくお手盛りで個人的に費消している税金の方ですよ。


crx********

1時間前


愛子様も無事にご卒業された学習院大に行かれるべきではなかったのかな。


ご両親も学習院卒で、紀子様のお父様は学習院大の教授。よほどのトラブルがないと学習院を避ける理由が見つからない。

平常の行動を見ていると学習院側の問題では無いように感じられるが……


それにしても悠仁様は幼い頃から学校を転々とさせられ気の毒に思う。

学習院だったらきっと幼稚園からずっと続くご学友も沢山いたろうに……


なぜ学習院、学習院と学習院にこだわる?戦後は単なる私学のひとつです。あなたはそこで教育受けた経験でもあるの?ご学友はずっと一緒にいないといけないのかね?「かごの鳥」だと見識が拡がらないと思うけどな。


mom********

13分前


うちの子どもも受験時、筑波大理系を検討したことがある。

やはり片道1時間半ほどの距離。しかしキャンパスが広大なので、駅から教室までさらに時間が必要だろう。

一限の日はかなり早朝出発になりそうだった。

さまざまなルートを検討し、費用、時間、院までの長期的な見通し等を総合的に判断して断念。

経済的に自宅通学しかさせてやれないので、結局都内の大学に進学した。

庶民は成績だけでなくあらゆるキャパシティが限られているのに、血税という打出の小槌、潤沢なサポート人員のある方は良いですね。


これも微妙に秋篠宮家にマウント取りたい方のようです。筑波大と天秤にかけられる難易度の都内の国立大って限られると思うな。医学部を除けば、お茶の水女子大くらいしか思い浮かばんが、お子さんは娘さんなの?農工大や電通大も偏差値的には筑波大に近いけど、都区内ではないね。医学部だと医科歯科大(東京科学大)が都内ですが、難易度は筑波大とはかなり差があり、天秤にはかけられない。


isa********

1時間前


筑波大に入学したからって、筑波キャンパスまで通うとは限らないでしょう。筑波大学には、東京キャンパス文京校舎もありますからね。ここなら今と同じですから、通学時間や警備とかも問題になりません。

特別扱いで合格したのですから、大学生活も授業も特別扱いで、普通の学生と一緒ではないでしょう。

何をきーきー言ってるのか理解できんが、アンタが心配する事ではありません。


yam********

1時間前


いろいろ制約のある皇族は大変だと思いますが、庶民も制約の中生きています。

頭が良くても学資がなく進学を断念する人も、遠くの大学に行きたくても下宿費が賄えず諦める人もいるでしょう。

親が頭を下げて貸与型奨学金を子供に取らせることもあると思います。


なぜ、悠仁さまに、警備の負担についてご説明されなかったのでしょう?どれほどの税金がかかるか、人的負担がいかほどか理解された上で、今の進学先を決められたのだとしたら、それは天皇となる方の資質として相当なのでしょうか

まるで皇族にそこらの下人と同じ生活をさせろと言ってるとしか思えません。昔の共産主義の信奉者なのか?ロシア革命時のボルシェビキか文革時代の中国の紅衛兵みたい。もしかして、北朝鮮の工作員なのか?


bg********

7時間前


将来の天皇に本気で、おなりになる強い自己の意志が、お有りなら学習院で十分かと思います。国民は、天皇に、研究者の姿を、求めていません。一人一人の日本国民が今の厳しい生活を御理解して、優しく寄り添い励まして下さる人格者を求めています。天皇の声を有り難いと思える今の皇室を継続させる道標を宮内庁は真剣に考え、某宮家を教育して頂きたいと願っています。


こいつに家庭があって、もし誰か見ず知らずの者がいきなり乗り込んで来て、「お宅の子どもをべらべらと大学に行かせることなど止めな。高校でもですぎだわ。すぐさま働いてみんなのために奉仕しなさい。」と言われたらどうするかな?こういう奴に限って、「ふざけるな!他人の家のことにいちいち口を出すな!」と烈火の如く怒りそう。


 もー、紹介するのも疲れましたわ。どうしてここまで他家のことにあーだこーだと小姑めいた指図や陰口をたたくのか?自分に力がなく自信もなく、自身の身の回りの困りごとも一向に解決できないからなんでしょうが、暇すぎる。くだらないこと突つきまくるより、少しは働いたら?ついでに鏡でものぞいてみて、嫉妬と羨望に狂い、みにくくゆがんだ自分のお顔でも確認してみたらどうでしょうか?

「スーサン - クール・スーサン」さん 〜サイト消滅していた!


表題では何のことか全然わからないと思いますが、「スーサン - クール・スーサン」のサイトがなくなっていることに気づきました。このサイトは個人管理のサイトです。著者の本名はまったく知りませんが、医師であると同時に文芸や美術・音楽などの芸術に通じた非常に博識な方です。特に優れていたのが、第二次大戦後を中心に医療で起こったさまざまな事件や事故の紹介です。それぞれについて非常に詳しくかつ正確に記載されており、相当に能力が高い方だと思っていました。ご自分の考え方も簡潔に書かれており、ひとかどの見識をお持ちです。お年は今ご存命なら80歳前後と思いますが、新しいことにも理解を示されています。日本で初めてノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川進氏(と言ったって、日本人の受賞者はあと本庶佑氏のみですが)の業績についても、しろうとにはわかりにくい内容(免疫に関連する遺伝子の自然改変)を正確にわかりやすく紹介しています。感染症については特に造詣が深い先生ですが医学全般に通じており、単なる町医者とは到底思えません。おそらく何処かの大学医学部で教授を勤めあげたのだろうと思いますが、ご自分の個人的な経験についてはまったく触れてないので、何処のどなたなのか想像がつきません。


 さて昨日半年ぶりくらいにこのサイトを開こうとしてアクセスしたら、

アクセスしようとしているサイトを見つけられません

www.cool-susan.com という名前のサーバーに接続できません。


と出てしまいました。あれ?もしかして消滅?と思って、「スーサン - クール・スーサン」でググってもまったくヒットしませんでした。もしかしてキャッシュが残っているかなと、FirefoxからGoogleクロームに移して調べると何とかまだ残っています。割と最近消えたのでしょう。今慌ててキャッシュに残っている項目を収集していますが、何せ厖大な数なので全部は無理でしょう。一応自分に興味がある医学方面を中心に集めています。今調べ始めて「クール・スーザン」でなくて「クール・スーサン」であることを初めて知りました。すーさん?鈴木先生なのかな?背景の使い方からみて、オードリーヘップバーンがとてもお好きなようです。自己紹介の写真は「孤独のメス」出演時の加藤剛でしょう(岩下健医師役)。


 記事の更新はこの10年ほどなかったと記憶します。おそらく死去されてしまったのでしょう。もう連絡先自体がわからないのでお断りできませんが(サイト記載のyahooメールに送っても不着リターン)、後世に残しておくべき重要と思う事項は追々紹介していきたいと思います。私も自分のブログを個人サイトに移したいと前から思っていたのですが、いつか自分も死にます。もし突然に死んでしまったらサーバ契約更改できずにスーサンさんみたいにサイトが突然消滅してしまうでないかと気づきました。しかし、だからといって今のムラゴンにしたっていつまで保つかわかりません。私が書く駄文など著作権うんぬんなどどうだっていい。何処かの誰かが見てもし「おもしろい」と思ったら、どんどん転載して読み継いでほしいと思います。


 手始めにスーサンさんの「世界に誇る日本の医師の部屋へようこそ」を転載します。

世界に誇る日本の医師の部屋へようこそ

            はじめに


  現在の日本人が失っているものは、相手を思う気持ちであり、愛情であり、誇りである。そして正しいと信じて行動する勇気である。かつての日本人はこれらを 自然に身につけていた。そして政治、経済、教育、文化において数多くの偉人たちがいた。当時の民衆は彼らの成功をマニュアルとして学ぶのではなく、彼らの 凛とした生き方そのものを手本としていた。


 現在、日本人の品性は低下し、日本の社会、教育、人間性は確実に悪くなっているように思える。またそれと平行するかのように、日本の医療もあまり評判が良くない。


 医療にとって大切なことは今も昔も変わりはない。医療における基本はただひとつである。それは苦しんでいる患者を助けようとする気持ちであり、他人への愛情である。それらは自己犠牲という言葉を越えた、医療人として自然に身につけるべきものである。


  多くの医師たちは真面目に職務を果たしている。しかし医学の進歩によって習得すべき医療手技や学ぶべき医学情報があまりに多すぎ、患者のそばに行けないで いる。さらにカルテなどの書類に振り回され、患者のための書類や会議が患者との会話の時間を奪っている。医師と患者の信頼関係は互いが接する時間の長さに 比例するが、この時間が足りなすぎる。


 また医師と患者は同じ人間である。そして病気という共通の敵と戦う戦友である。この戦友という気持ちがなければ医師と患者との良好な信頼関係は生まれない。医師が奢りをみせれば、患者が信頼の気持ちを持たなければ、両者の信頼関係は生まれない。


永井隆(浦上の聖人)

肥沼信次(リーツェンの桜)

荻野久作博士(世界の荻野)

萩野昇(富山のシュヴァイツァー)

菊田昇(赤ちゃん斡旋事件)


  このような世の中である。多くの医師の中には自己中心的な者もいる。また医療事故の多発などが医療の評判を落としていることも承知している。しかし医療人 は多忙と過労の中で、医療の本質、または人間としての品性を教えてくれる人物がいないのである。人間として最も大切なことが教育されていない。


 医学史では、北里柴三郎、野口英世、などの有名人を挙げることができる。しかし彼らは歴史上有名であっても、患者を直接診察した医師ではない。研究で有名になった医師である。


 今回、5人の医師を題材にした。


 永井隆は長崎の原爆で自ら負傷しながら多くの被爆者を助け、長崎の復興のために自らを犠牲にした。肥沼信次は自分の信念で、戦後の感染症に苦しむ多くのドイツ人を助けた。荻野久作はオギノ式避妊法として世界的名声を得たが、半生を田舎の医師として新潟市民のために働き続けた。萩野昇は逆境の中でイタイイタイ病の原因を解明し公害患者の救済に立ち向かった。菊田昇は赤ちゃんの生命を守るため行政と闘い、裁判では負けたが彼の行動は多くの日本人の賛同を得て、彼の信念が法律を変えた。そして数百人の赤ちゃんの命を救い世界生命賞を受賞した。


 彼ら5人の医師に共通することは、彼らは臨床医であり、臨床医であるがゆえに患者の苦しみを知り、患者のために全てを尽くしたことである。彼らの情熱を支えたのは、名誉ではなく患者を救いたいという一心であった。目の前に苦しむ患者がいるから助ける。目の前に分からないことがあるから研究する。このような純粋な生き様を、医師だけでなく多くの日本人は忘れているのではないだろうか。


 私たちは歴史から人生を学び,多くの先輩医師から医師としての生き方を学んできた。しかしここに登場する5人の医師たちを多くの人たちは知らないでいる。彼らは歴史の中に埋もれようとしているが、彼らこそが本当に尊敬すべき、世界に誇るべき、さらには歴史に残すべき医師であり人間である。


 彼らの半生を知ってほしい。そして医師として、学者として、人間として,彼らの生き方を学んで欲しい。彼らは今の日本人が忘れかけようとしている誇り高い生き方、人間としての生き方を教えてくれるものである。感動と涙、まれにみる良書と自負している。

アニサキス感染 〜日経は間違いを掲載するな


アニサキスによる食中毒は季節を問わずありますが、同じ魚種であっても場所や季節によってアニサキス寄生率がかなり違うことが最近わかっています。その理由をはっきり知りませんが、たとえばカツオは春の初鰹と比べて秋の戻りカツオはアニサキス感染がはるかに高率です。私が考えるに、終宿主となるクジラの移動(卵を排泄して海中にばらまく)が関係している予感がします。さてこのアニサキスに関して、12月7日の日経土曜特集にこんな記事がありました。


アニサキス被害10年で7倍 恐れずに食べる方策は

くらしの数字考


サバやアジに寄生するアニサキスによる食中毒。2022年に報告されたのは566件とこの10年で約7倍に増えた。だが、実際にはその40倍の約2万人が腹痛に襲われているらしい。安心して食べる方法を探った。


クジラがカギを握るアニサキスの増殖


激しい腹痛や嘔吐(おうと)を引き起こすのはアニサキスの幼虫だ。2〜3センチメートルの白い糸のような寄生虫で、成虫は5〜20センチメートルにもなるが、クジラの内臓の中でしか生殖しない。仮に成虫を人間が飲み込んでも症状は出ない。大量の成虫を抱えるクジラの肉を食べてもアニサキス症にはならない。


終宿主(しゅうしゅくしゅ)であるクジラの中で成虫が交尾し、卵がフンに紛れて海中に漂いふ化して幼虫になる。それをオキアミなどの中間宿主が食べ、さらに待機宿主と呼ばれるサバやイワシが食べて、それをクジラが食べる。


そう、その通りです。ヒトはアニサキスの終宿主となれるような消化管構造でないので、虫が右往左往して暴れます。ところがその後こんなことが書いてあります。


アニサキス目線で見ると、広い海で様々な宿主に居候して成長し、クジラに食われれば子孫を残して循環し続けるが、人間に食われると子孫は残せない。居候先を間違えた幼虫は人間の胃の壁を激しく刺して抵抗し、それが激痛をもたらすのかと思ったが、そうではないという。


国立感染症研究所(東京・新宿)客員研究員の杉山広さんを訪ね、痛みの原因を聞いた。アニサキスの幼虫がついた刺し身を食べると、幼虫は胃の壁に入り込む。「胃壁は刺されても痛みはない。ところが、刺さったことで体に防御反応が起き患部が炎症を起こす。この炎症が激痛をもたらす。アレルギー反応です」つまりアニサキスと戦う力が強い人ほど激痛が起きる。

胃壁は刺されても痛みはない。」はあ?何言っているんですか、杉山さん?胃内には普通に内蔵感覚神経があり、痛覚はあります。アニサキスで起こる腹痛の主たる原因は、仔虫が胃壁(腸壁)に食い入るからですよ?あなたが言うアレルギー反応による腹痛はそれとまったく違い、どちらかというと下痢を起こすタイプです。「このひと、少なくとも医者じゃないな?」と思い調べると、科研費の取得経歴でこんな感じでした。


2017年度 – 2020年度: 国立感染症研究所, 寄生動物部, 主任研究官
2015年度 – 2016年度: 国立感染症研究所, 寄生動物部, 室長
2014年度 – 2015年度: 国立感染症研究所, その他部局等, その他
2013年度: 国立感染症研究所, その他部局等, 室長
1997年度 – 1998年度: 国立感染症研究所, 寄生動物部, 主任研究官
1996年度: 国立予防衛生研究所, 寄生動物部, 主任研究官
1995年度: 国立予防衛生研究所, 寄生動物部, 研究官
1993年度 – 1994年度: 国立予防衛生研究所, 寄生動物部, 主任研究官
1990年度 – 1991年度: 国立予防衛生研究所, 主任研究官
1987年度 – 1988年度: 大阪府立大学, 農学部, 助手


杉山先生は大阪府立大学(現在の大阪公立大学)農学部の獣医学科を卒業したと見受けます。感染症研に勤務なら獣医師資格をお持ちと思いますが、あちこちでアニサキスに関する講演や学会発表をおこなっているようです。もし日経の記者が杉山先生が言ったことを正確に記したなら、ひどい間違いです。かりに医者でなくても獣医師なら、こういう間違いをするのは解剖学や生理学の基礎がわかってないことになり、恥ずかしいことです。


 実は私アニサキスに今まで5回感染しています。アニサキス感染による腹痛は特徴があります。それは「間欠性の痛み」です。感染源となる魚肉を食べてからだいたい12時間くらい、つまり夜食べると翌朝くらいから始まります。最初は胃部膨満感をともなうじわっとした違和感ですが、次第に痛みがはっきりしてきます。およそ5分間隔くらいできりきりと胃を引っ張られるような痛みが起こり、1分くらいで徐々に消退します。その繰り返しで数時間で極限に達し、ひどいとその状態がまる1日くらいは続きます。この痛みはアレルギーとはまったく関係なく、アニサキスの物理的な刺入が原因です。ただあとの方の感染、特に今のところ最後となっている今から15年前の感染のときは、その後も症状が長引きました。長引く症状も基本腹痛ですが、胃腸全般に痛く下痢をともなったものでした。これこそがアレルギー症状によるものでしょう。ですから杉山先生が言うことはまったくのウソではないけど、区別して述べるべきでしょう。記者が書いたとおぼしき「つまりアニサキスと戦う力が強い人ほど激痛が起きる。」だけでは、誤解を招きます。


 アニサキスの感染はクジラの腸管に寄生した親虫が産卵した卵が糞と一緒に排泄され、それを食べたプランクトンの体内でふ化することから起こります。それが次第に食物連鎖で大きな魚に受け渡されます。生きている魚では腸管に仔虫は寄生していますが、宿主の魚が死ぬと消化管を破って腹壁付近の筋肉に移動してきます。それを食べると感染するわけです。ですから「完全養殖」してしまえば食物連鎖はなくなり、ふぐ毒と同じくアニサキス感染は起こらなくなるはずです。ですから、

「最終兵器」は陸上養殖


実は、死んだアニサキスの体内成分からアレルギーを起こす人もいる。完全にリスクをなくすには、アニサキスがつかない魚をつくるしかない。この実用化が鳥取県で進んでいる。タシマボーリング(鳥取市)は掘削技術を生かして地下海水をくみ上げ、掛け流しの水槽でサバの陸上養殖を行っている。その名も「さばみちゃん」。


社長の田島大介さんは「砂で濾過された地下海水で、オキアミなどの生エサではなく熱を加えて乾燥粉末化したエサを与え、人工ふ化させた稚魚を使う。この3つの技術でアニサキスが入り込む可能性を封じている」と完全養殖の利点を説明する。さばみちゃんは「生涯海を知らない陸上で製造された商品」という。

は本当です。しかし一度アニサキス抗原に感作されてしまった患者は苦しいでしょう。アニサキス抗原は加熱しても失活しないようで、それが混じったサバなどの削り節やその二次製品でもアレルギーを起こすことがあるようです。しかもアナフィラキシーを起こして、生命の危険に晒されることもあるようです。福和クリニックのサイトの記載を引用します。

アニサキスアレルギー

  魚介類生食後の蕁麻疹を主症状とするアレルギー症状です。血圧降下や呼吸不全,意識消失などのアナフィラキシー症状を呈した症例も報告されています。原因となるアニサキス抗原は複数ありますが、加熱によっても抗原性を失わないアニサキス抗原もあります。そのような抗原に対して感作された(アレルギー反応を起こす体質になること)場合は、加熱した魚介類を食べてもアレルギー症状が出ることになります。


私自身もおそらくアニサキス抗原による感作があったと思いますが、その後サバ削り節やその製品の蕎麦だしを口にしてもアレルギー症状を発したことがありません。魚介だしを食べられなくなったら、和食系はほぼ全滅ですから不幸中の幸いだったと言えるでしょうか。


近くの岩井温泉の旅館「明石家」(岩美町)でさばみちゃんの刺し盛を食べてみた。見た目が美しい。散々食べてきたシメサバと同じ魚だとは思えない食感と味わいだ。マグロの大トロに限りなく近い。社長の山本潤一さんは「何よりも自信を持って、安心してご提供できます」と話す。

体内の異物を排除せずに共存することを「免疫寛容」という。クジラとアニサキスの関係がそうだ。「お互いに戦うのをやめた休戦状態」(倉持さん)だという。「人間もそうなれば」。そんなことを思いながら人生初のサバの刺し身を平らげた。

ええ!ヒトに対して免疫寛容がある寄生虫はごまんといるから、「人体寄生虫学」という学問があるんじゃないか!この記者何を言っているんだ?


 最近医学部では寄生虫を専門にする研究者がとても少なくなり、講座あるいは分野としての寄生虫学も残存している大学はわずかしかありません。しかし、日本のような魚介を生食する習慣が根強い国ではどんな寄生虫感染が今後起こるかわかりません。こういう間違い記載が堂々と大新聞に出てしまうなら、後顧の憂いを断つために、寄生虫のきちんとした研究や教育・啓蒙活動の整備に今から手を打っておくべきと思います。