2008-10-14 Tue 11:29
「また明日。」 と聞こえてきそうな夕日の映える表紙に涙が出そうになりました(´;ω;`) 「サナギさん」が最終巻を迎えました。とりとめもなく続く日常から得られる新しい発見に満ちたその内容に毎回笑わせてくれると同時に、目の付け所に唸らせられていました。 ◇サナギさんありがとう企画~バスよりもメロスよりも早いよ~ というわけで自分が「サナギさん」を読むきっかけをくれたたまごまごごはんさんのありがとう企画に乗っけてもらって、自分の「サナギさん」に惹かれたところや感想などを書き留めておきたいと思います^^
■衝撃の出会い~フユちゃん~
「サナギさん」において一番大好きなキャラであり、そしてその視点の斬新さに毎度笑わせてもらったのが主人公「サナギさん」の親友で「フユちゃん」でした。 特に印象に残ったのが授業中におならが出そうになったときにどうすればいいか悩むサナギさんにアドバイスしたフユちゃん。カッコイイ音ですれば恥ずかしくないと思うよといって、、 かっこよすぎるww! おならっをかっこよくというかなり無理があるテーマに対するこの答えにはかなりの衝撃を受けたものでしたwフユちゃんのこういった一味違う物事の捉え方は最後まで切れ味が衰えることはありません。 20年以上書道をしている自分にとってこの「ぬ」という文字の作りのダイナミックさには目からうろこでしたよ。こんな発想できないよ!w 見事なまでのヘルメット型のおかっぱ、何を考えているのかわからないミステリアスな大きな瞳、無表情に見えて実は情感豊かに話す姿、そして実は照れ屋さん。そんなフユちゃんが大好きです^^ ■匠の域に達した言葉遊び 施川先生の漫画の特徴でもありますが、一つの言葉から次々と膨らんでいく様々な解釈というものが実に面白かった。日常で発見できる些細なことを非日常的な考え方で新たに意味を持たせるといった展開がことのほか面白い。 内容的に実にくだらないことでもそこから生まれる新しい解釈になるほどっ!と思ったりもするし、さらにくだらなくなってゲラゲラ笑うといった毎回のやり取りにはとても和みました。 ごはん粒を口のまわりにつけて言ったらどんなことも説得力もたないよーというサナギさんに、 サラリと嘘言葉を言うフユちゃんカッコイイ!3コマ目まで見て自分も「なるほどっ!」と思ってたのにw 施川先生は日本一日本語を愛しているんじゃないだろうか?と思えるほどほんの些細な日本語の一つの単語、言葉、文章を様々な意味で掘り下げています。こんな風に言葉遊びができるのって実は「日本語」だけじゃないでしょうか?世界で3番目に難しいとされる日本語を読めて、そして「サナギさん」を読めて本当によかった! ■みんな大好きサナギさん ここまでなんかフユちゃん中心に書いてきちゃってますが、もちろん「サナギさん」も大好き! 自然と人が集まってくるような人懐っこい笑顔には毎回ほっこりさせてもらったものです。 サナギさんの周りの友人たちの個性を考えたら、絶対に一同相容れないような接点もなさそうな友人ばかりなのに、サナギさんってばフユちゃんと盛り上がった話題を次々にネタフリしちゃっていくんだもんwそしてどんなに相手が否定的でもしっかり受け止めることができる優しさを持ってたりするその人柄の良さは主人公たる所以ですね。 そして何気に大好きだったのが1話ごとにあるサナギさん(施川先生?)の一言ネタ 前述の言葉遊びをサナギさん視点から提示するこのたった1コマにも毎回笑ったり、なるほど!と思ったものです。 ■バスよりもメロスよりも早いよ そんな永遠に続くとも思われた「サナギさん」が終わりを迎えるにあたり選んだ場所は「バス停」でした。 だれもが次々とバスにのって目的地へ行ってしまう。 でも「その瞬間をずーっと覚えておくことしかできないんじゃないかな、、(ハルナさん)」 うん、だから絶対「サナギさん」のことは忘れないよ!自分たちも次のことに目を向けて進んでいきたい!そんな気にさせてくれる素晴らしい最終回でした。 そしてサナギさんたちはまだまだ続く自分たちの日常へと戻っていく。 この読者側と漫画との接点が無くなっていく感じが、手の内から飛び立っていく鳥のようで「これで終わり」というよりも「ここでお別れ」といった印象が強い最後の一コマでした。 (゚д゚)ハッ! だから今巻の表紙にチー助がいないのかっ!チー助がこの漫画の読者を意味していたのか!?(←無理やりすぎ なんかすごい伝わりづらい感想になっちゃいましたが、「○○は××」と某ゲームを表現(CLANNADは人生etc)するようにサナギさんを評するなら『サナギさんは発見』といったところでしょうか。(『もずくは哲学』?w) この「発見」もサナギさんたちが中学生という設定だからこそ見出せたもので、高校生にもなると変に知識もついて、変に下ネタに走ったりしがちだったかも(施川先生の下ネタってのも読んで見たい気もするけどw)。子どもならではの純粋さと大人になる前の漠然とした不安や疑問みたいなものがこの漫画の絶妙なバランスとして成り立っていたのかもしれません。 そんな「サナギさん」の日常に触れられて本当によかった!フユちゃんのような斬新な視点で物事を見れるように、そして日本語をもっと好きになれるように本を読もうっ!そんな想いが駆け巡った最終巻でした。 「サナギさん」いつまでも覚えているよっ!\(^O^)/ ちなみに6巻の表紙の折り返しの「完璧な休日」を昨日(月曜日)に実行してみました。 積読消化、PCからはあえて離れて1日を過ごしてみた。そんな一日を過ごすときに「サナギさん」はピッタリの漫画だと思いました。長さといい、内容といいここまで「あずまんが大王」にハマっていた感覚を持った作品は久しぶりでした! アニメ化は、、、脳内だけにとどめておいたほうがいいのかもしれませんね^^; いや、見てみたいんだけどね! 素敵な企画に参加させていただきありがとうございましたヽ(´ー`)ノ >>関連 ◇「サナギさん」最終巻。ありがとう、出会えて良かった。(記事元:真・業魔殿書庫様) ◇サナギさん おもしろかったよ サナギさん(記事元:Aluminiumの日記様) ◇サナギさん 全6巻 施川ユウキ(記事元:謎の男の小説感想部屋様) ◇サナギさん最終巻と施川マンガについての話(記事元:それはロックじゃない様) ◇「サナギさん」に見る、終わらない日常の中の「終わり」の視点(記事元:奇聞専門店 山田屋様)
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