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 ディスプレイ上に卓上カレンダーを載せたり、自分の名刺をテープで貼ったりしている人をよく見かける。仕事中などに目に付きやすいディスプレイ周りに小物を置けるスペースがあれば便利だろう。

 もしデスク周りがネジ留めが可能な環境ならば、棚を作ることができる。だが、ネジ留めできない場合や、そもそもディスプレイの周りに壁がない場合は、棚を付けるのは難しい。

 それならば、工具いらずでディスプレイ上部に直接取り付けられる棚はできないか。その発想で生まれたのが、キングジムが2016年3月に発売した「ディスプレイボード」(3500円)だ。 この商品が今、売れ行き好調。初年度目標1万台を半年ほどで達成できそうなど、予想の数倍のペースで売れているという。ネット上でも「地味に便利」など、賞賛の声が上がっている。

「ネジやテープを使えば、どこにでも棚を付けられますが、それでは驚きがありません。ディスプレイボードは工具を使わずに簡単に付けられることにこだわりました」(キングジム 開発本部 商品開発部開発二課 木次谷 健氏)

キングジム開発本部商品開発部開発二課の木次谷氏。ガラス天板を採用することで人気が出た机上台「デスクボード」の開発も担当
キングジム開発本部商品開発部開発二課の木次谷氏。ガラス天板を採用することで人気が出た机上台「デスクボード」の開発も担当
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 ディスプレイボードは、棚板1枚とアーム2本というシンプルな構造をしている。棚板の前面をディスプレイの縁にひっかけ、背面からアームで支えるため、ディスプレイが棚をおんぶしているようにも見える。

 ディスプレイの背面形状に合わせてアームの位置を変えられるので、縁に平らな面が5mm以上あり、アーム設置部分の厚みが約10〜85mmのディスプレイであれば取り付け可能。メーカーや機種を限定せず、多くのディスプレイに対応する。さらにパーティションにも取り付け可能だ。

アームを動かすときは調整ボタンを押す。いったん角度を決めてしまえば、調整ボタンを押さない限りアームは固定される
アームを動かすときは調整ボタンを押す。いったん角度を決めてしまえば、調整ボタンを押さない限りアームは固定される
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アームの先端は上下左右に動き、背面がカーブしているディスプレイでも固定できる
アームの先端は上下左右に動き、背面がカーブしているディスプレイでも固定できる
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想像以上に質感がよかった

 実際にディスプレイボードを使った感想をレポートしたい。

 箱から出したときの第一印象は「写真で見るより、現物のほうが高級感がある」というものだった。これは、棚の天面に同社のファイルに使われているPP加工を施すことで、見た目と質感をアップさせているからだ。

「普通のABS樹脂だと裏面の格子が透けてしまい、見た目が良くありませんでした。きれいに見せるために、ファイルに使っている素材を貼ることにしたんです」(同社 木次谷氏)

 取り付けにかかった時間は1分弱。iMacの縁にディスプレイボードの前面をひっかけたら、背面に回りアームの調整ボタンを押してiMac本体にぴたりとくっつける。これだけで、あっという間に棚ができた。拍子抜けするくらい簡単だった。

 なお、天面の前面には、カードやスマートフォンを立てたり、ペンを置いたりするのにちょうど良い幅の溝が用意されている。

ディスプレイボードの天面には、右の青いファイル(同社製品)の表紙と同じ素材の黒色バージョンが貼ってある
ディスプレイボードの天面には、右の青いファイル(同社製品)の表紙と同じ素材の黒色バージョンが貼ってある
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天面の前面には、カードやスマートフォンを立てたり、ペンを置いたりするのにちょうど良い幅の溝を用意
天面の前面には、カードやスマートフォンを立てたり、ペンを置いたりするのにちょうど良い幅の溝を用意
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「癒しの空間」になる

 ディスプレイボードの大きさは、幅500mm、奥行き168mmと、A4書類を載せたり、ティッシュの箱を載せたりできる大きさだ。

 取り付ける前は、頭上に圧迫感があるのではないかと心配したが、ディスプレイより前に飛び出す部分は15mmほどなので、まったく気にならなかった。物を置かなければ、棚が付いていることを忘れてしまうほどすっきりしている。

 卓上カレンダーや計算機など、実用的なものを置くのもいいが、普段は何も置かずに、作業中の書類の仮置きスペースに活用するのも良さそうだ。机の上の散らかり防止に役立つ。

 では、他のユーザーはどんな使い方をしているのか。「キングジム社内やネット上では、フィギュア置き場にしているユーザーが多い」(木次谷氏)。好きな物を飾り、自分だけの心地よい空間作りに活用しているという。確かにパソコン作業の合間に眺めれば、気分転換できそうだ。

フィギュアを置いてみたところ、確かになごむ。実用的な使い方もいいが、癒やしの空間として使うのもいい
フィギュアを置いてみたところ、確かになごむ。実用的な使い方もいいが、癒やしの空間として使うのもいい
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(文/辛 智恵)

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