さて、前回に引き続き映画「ソーシャルネットワーク」の感想です。
前回は、ファイナンス編として資本政策の話を書きましたが、後半はガラッと切り口を変えて、マーケティングの話です。
マーケティングと言っても、マーケティングの専門書などにはあまり出てこない話しですね!
何故フェイスブックがここまで大成功したのか。
映画の中に、この問いに対する答えとも言える象徴的なシーンがあったので、紹介していきます。
≪成功要因1≫
パーティーを23時でお開きにするな
これはショーン・パーカーのセリフの中でも僕にとって特に印象に残っているセリフです。
そして、これはフェイスブックのユーザーが徐々に増え、それまで投資をしていたCFOのサベリンが、何とか広告スポンサーをつけ、収入を得ようとしているシーンでショーンが言った言葉です。
「広告はクールじゃない。」
「小物(マス)を14匹並べた写真を飾るヤツが何処にいる?狙うは1.4トンのメカジキ1匹だろ?」
そして、極めつけがこれ。
「100万ドル程度の企業価値で満足するな、10億ドルを狙え!」
≪成功要因2≫
The FacebookのTheを取ってFacebookに
サービススタート当初、このサービスは写真付きのオンライン学生名簿のようなものでした。
そう考えると、このフェイスブックという名前、(英語圏の)学生にとってはどんなサービスかすぐに連想でき、シンプルで良いですよね。
更に言えば、写真付き名簿って目の付け所も凄く良い。
それって、自分がそこの生徒だったり、卒業生であれば、絶対見たくないですか。
実名で登録が必要と言われたら、僕なら直ぐ登録しちゃいます。
そして、映画ではショーンがまた印象的なセリフを。
「The FacebookのTheを取ってFacebookに。」
上の広告の話にも関連しますが、ある意味クール至上主義です。
ザッカーバーグのセリフにもこんなものがあります。
「ファッションは、決して完成しないんだ。」
≪成功要因3≫
本能的な“フェイスマッシュ”
これは、フェイスブックを立ち上げる前にザッカーバーグが作った大学の女子学生の写真を2枚並べて選ばせるサービス。
正直下品ですが、これが大反響となりました。
夜中だったにも関わらず、たった2時間で22,000アクセスが殺到し、大学のサーバがダウンしてしまう。
単純明快に「本能に訴える」サービスは人気になるということですね。
クール至上主義的に言えば、クールな出会い系ということでしょうか。
それと全く同じ発想で、フェイスブックの中に交際ステータス(今付き合っている人がいる、いない?)を入れたことも大成功の要因だろうと思います。
≪成功要因4≫
社交クラブの特権性、排他性
フェイスブックは、元々はハーバード大学のメールアドレス(Harvard.edu)保有者だけに限定されたサービスでした。
そうすることで、実名登録の安心感と一流、名門の特権性、排他性を演出したと言えます。
映画の中では、ファイナルクラブというリアルの社交クラブの話が並行的に展開されます。
それは、ハーバードの中でも一部の人間しか入れない本当に特権的、排他的なクラブですが、フェイスブックも他の大学に通う人間たちにとっては、間違いなくそう見えたに違いありません。
その後、ハーバードからコロンビア、スタンフォード、イエールなどのエリート大学にサービスを順次開放していきますが、そこに入った学生たちは、「やった!特権クラブの仲間入りだ」と思ったことでしょう。
そして、普通の大学に通う人にとっては未だ高嶺の花。
であれば、それが一般に開放されれば、登録者が殺到するのは至極当然と言えますね。
それでは、今日はこの辺で。
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