職員の皆さん、権力者の傲慢と不正を内部告発によって正そうとすることは正しいことです。
これにめげず、正しいことを行う勇気を失わないでください。
事なかれ主義に陥って、見て見ぬふりをしないでほしい。
「わたしたち、『現実はこうだ』って切り捨てられて諦める苦しさ、
たくさん味わってきたじゃない」
(「虎に翼」第60回より)。
「そうやって戦うことから逃げていたら、罰が当たった」
(同第18回)。
そして、権力者の権力の乱用により、職場からの排除の憂き目にあって苦しんでいるとき、
その重荷を一人でしょい込まないでください。
あなたは、権力者とその取り巻きに人にとっては邪魔者、無価値な存在でしょうけど、あなたの家族にとってはかけがいのない夫であり、妻であり、またかけがいのない父、また母なのです。
あなたに降りかかっている災難について、家族に相談してください。
とくに男性はとかく仕事上の重荷を一人で背負いがちです。
自分は家庭の大黒柱だから、家族に心配をかけてはいけないなどという
昭和な性役割にとらわれて、一人で悩み苦しまないでください。
「直明:『僕はもうハタチだよ。大人だよ。僕は猪爪家の男として、この家の大黒柱にならないと!』
寅子:『そんなものならなくていい! 新しい憲法の話をしたでしょ? 男も女も平等なの。男だからって、あなたが全部背負わなくていい。
そういう時代は終わったの』
花江:『そうよね。これからは、家族みんなが柱になって支えていけばいいわよね』」
(同第45回)。
あなたがしたことは正しいことであるという信念を家族に打ち明け、これからの暮らしは大変になるけれども、
協力してほしい、と頭を下げてお願いしてください。
昭和な性役割の考えを捨てる勇気を持ってください。
斎藤元知事を支持する人に中には、「やっつけてやりたい」と言った中年男性がいたそうです。こういう人は、あなたが死ぬことで、してやったりと勝利感を抱いているのです。正しいことをしようとするあなたが死ねば、そういうずるい人や、残酷な人がはびこるだけなのです。
死なないでください。
闘い続けられるように、という以前に、
家族のために。
死ぬことは敗北なのです。