Li_to_Mate

第一印象。というか、2回見たから第二印象。取り敢えず書かないと眠れないので、ちょっと中途半端な内容ですが、書きます。
また何度か見返して、もうちょっと（色々拾いたい部分も多かったですし）違ったものも、後に書こうと思います。

※以下には、京都アニメーションの「CLANNAD」9話までの内容が含まれています。
アニメのネタバレになりますので、閲覧の際にはご注意下さい。
※画面比率「4:3」視聴時の感想です。

【More】

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良すぎて鼻血出そうです（挨拶）。

原作をよく知っていて、よく理解出来ていて、本当に好きな人が作っているんだなぁ……と心から思います。


序盤に入っていた歌は、ソララドアペンドより「風の少女」。

どたばた続きの毎日と少女の話のラストはどうあれ
がんばってきたこと無意味にはならないはず　届くといい
いつの日か忘れていく思いは時の定め
それにも逆らえるなら想像するよ
きみといた日を

最後の「友達になってください」のシーン、どうやるのかな、入れるの難しそうだな、と思っていただけに、このような形で入ってくれていて本当嬉しい。朋也の夢として表現してくれた。このシーンは正に、「風の少女」の最後の部分の歌詞（上に載せたやつ）のことだと僕としては思うのです。記憶を失くし、思いは薄れていくけれど、それでも想像する、「風子がいたら」の日々。

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http://bdkiss.blog54.fc2.com/blog-entry-459.html
さて。僕自身の7話感想なんですが。この時はちょうど原作の風子シナリオを再プレイし終わった直後で、アレも書きたいコレも書きたいという思いが強すぎて、ネタバレがヤバくなってきてしまったので途中で終えたのですが。
続きを書きます。

風子にとってヒトデとは何か。詳しくは上の7話感想を見てもらうとして。
それは言うなれば、空想上の友達、でしょう。
寂しさを、ひとりぼっちを紛らわしてくれる存在。

朋也は、彼女をそんなとこから連れ出してくれる存在でもありました。

風子のヒトデトリップに対する朋也のちょっかい。
トリップ。違う場所にいってるんですよね、この時の風子は。
それに対し朋也は、現実世界でちょっかいをかける。
これって、「友達が目の前にいるのに、何どこかにいっちゃってんだよお前」というメッセージを、風子に投げかけている……いや、朋也にそういう意思があるのかはともかく、風子にとってはそのように感じられるんじゃないかな、と思います。
自分を夢から引き出すもの。
それこそが、風子にとっての朋也、ではないでしょうか。
ずかずかと入り込んできて。自分の世界に入り込んでいる状態（ヒトデトリップ）を、おかまいなしに無視して。
そういった存在で朋也を見ているというのは、彼女が見た「ヒトデ祭り」の夢のくだりからも、そうなのかもしれないです。ひとり浜辺でヒトデと遊ぶ――存在しないヒトデという友達と遊ぶ風子を、「何やってんだよ」とそこから連れ出す、存在する友達の朋也。





「ヒトデ祭りの夢です」
「風子が一人で浜辺で遊んでいたら、岡崎さんが手を引っ張ってくれました」
「『一人で何やってんだ、今日はヒトデ祭りだぞ』って」
「岡崎さんと渚さんに出会ってからは、本当にそんな毎日でした」
「いつも楽しい場所に、風子を引っ張っていってくれて」
「毎日がお祭りみたいで、とても楽しかったです」

「風子が"一人で"浜辺で……」と言ってるように、あれはやっぱり、自分にとって慰めでしかないと分かっていたんでしょうね…。

さて、そんなヒトデ。
ひとりぼっちを慰めてくれて、寂しさを紛らわしてくれる、そんなヒトデを。
木彫りの彫刻とはいえ、そんなヒトデを、他人に渡すという事。
それは、もうこんなもの……自分が一人だということを・寂しいということを紛らわすものは必要ない、という意思の表れではないでしょうか。つまり、これを渡す相手に、「あなたの前ではこんなもの（空想の友達）は必要ない」＝「（現実の）友達になってください」ということ。
だから、風子はヒトデを渡すのでしょう。「可愛いから」「和みます」という理由だけではない。彼女にとって、これはもう必要ではないという決意の表れ。「友達になってください」という思いが、アレには込められている。
そしてあの入学式の日、「頑張って友達を作る」といった、変わろうと（成長しようと）している自分自身の表れ。
あれを渡すことによって、頭の中にいる友達からも、過去の自分からも脱却できる。

最後、公子さんにヒトデを渡した理由には、そういう側面も含まれるでしょう。
あの日。あの春休み。
風子に成長してもらいたいという一心で彼女を突き放し、そして、その時のままで止まってしまった公子さんの心に。
残る疑念――風子を置いて、自分ひとりだけ幸せになること――と、残る心配――人付き合いの下手な風子――に対して、風子が、彼女自身が、公子さんに思いを届かせる。
自分が成長したということを。ヒトデなんか無くても、もう一人ではないということを。知らせるために。

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ヒトデを渡す、という行為に秘められた、「友達になってください」という強い思い。
朋也があの想像の夢で見たのは、ヒトデを渡し「友達になってください」と言ってくる風子でした。
人見知りなのに、頑張って、勇気を出して、友達を作ろうとしているその姿。

しかしそれは、あくまでも『想像』です。現実のことではない。
そして、風子が今まで頑張ってきた姿も現実のことではない。彼女にとっては『夢』の中の出来事。

どちらも現実ではない。
現実の風子はまだ「友達になってください」を言うスタートラインにすら立てていない。

それでも。

彼女にとっては夢の中とはいえ、現実の相手に「お友達ですよ」と明文化（授業シーンのあれ）されるほどに繋がり、現実の相手が彼女がいる日を想像できるほどに思いを残すことができた。現実ではなく、夢ではあるけど……これこそ、あの入学式の日で止まった時間の続きの達成ではないでしょうか。

己の寂しさを仮託したヒトデを渡すということ。それはすなわち、「貴方の前ではこんなもの（空想の友達）は必要ない」＝「友達になってください」ということ。それを夢で幾度も繰り返し、たくさん届かせた彼女は、きっと現実でも"それ"ができる。

この想像の光景と同じ様なことが、もし事故に遭わなかった日でも、目覚めた後の日でも、きっと出来る。
ここから、こうやって、始められる。
何せこれほど――時の定めに逆らえるほどまでに、思いが届いて残っているのだから。

少女は…ここから始めるのだろう。
今度は、自分の為に勇気を出して。
「風子のお友達になってくださいっ」（原作風子シナリオラスト）

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テーマ : CLANNAD - ジャンル : アニメ・コミック