Fados / ファド [ポルトガル映画]
第5回スペインラテンアメリカ映画祭の作品紹介より:
『フラメンコ』『タンゴ』に続き、名匠カルロス・サウラ監督がポルトガル発祥のファド・ミュージックを描くドキュメンタリー。ファドが生まれた文化的、歴史的背景や、ポルトガル領だったアフリカ、ブラジルの黒人たちが与えた影響をストイックに探究する。
ファドの女王、アマリア・ロドリゲスを偲び、マリサ、カルロス・ド・カルモ、カマネなど名だたるファドミュージシャンが素晴らしい歌声を披露するだけでなく、カエタノ・ヴェローゾやリラ・ダウンズなど現代音楽のビッグ・アーティストも多数参加している。各曲に合わせた多彩な踊りとのコラボレーションも見逃せない魅力の一つ。
(箇条書きに)
・よかった
・私はサウラ監督の‘音楽シリーズ’は興味無いとこれまでずっと言ってきちゃったので、これも観るつもりではなかったのだけど、サウラ監督舞台挨拶に惹かれてついつい駆けつけてしまった。それでついつい観てみたら、けーーーっこうグッと来てしまってよかった。
・次はサウラ監督には『SAMBA』を撮ってもらいたい。なんつって。
・私は監督の‘音楽シリーズ’観たことないけども、それなりにこれまでに部分部分の写真が目に入ってくる機会はあったわけでね。今日の『FADOS』を観ていて既視感があった。そしたらやはりスペイン映画友達のみなさんが鑑賞後に、「(踊っているスタジオの)背景とか色合いとかが、なんとなく以前の作品と似てはいましたよね」というようなことを話してらしたので、やっぱりそういうかんじだったんだなと思いました。
・Toni Garrido (・∀・)カコイイ!!
・リスボンのサンペドロデアルカンタラ展望台(だっけ?)からの眺めなど、懐かしくてそれこそsaudade
・ポルトガル音楽っていうかポルトガル語の音楽っていうかブラジル音楽が好きな人が観ても、これはきっといいに違いないですよ。是非。影響し合ってる感じがわかるのかも。
・カーネーション革命の模様が映って、ぐっときた。群衆の中に幼い子の姿もあって、25年来のポルトガル人の友人のことを思い出した。彼女もこれくらい幼い時にこの革命があったわけで、それじゃぁ彼女ももしかしてこういう記憶があるんだろうか?と思って、神妙な気分(?)になった。ほんの、34年前なんだもんな、と。
・「ファド-フラメンコ」という曲で双方の歌手が競演していたのだけど、フラメンコ側は、「おい、これは、ずいぶんとふっくらしたけど、ミゲル・ポベダじゃないのかい?」と思ってたら、やっぱりそうだった。(※『おっぱいとお月さま』で、あこがれの女性エストレジータに歌声を捧げる男の子ミケルを演じてた人ね)
・終盤の、ファド歌声喫茶みたいなところで、次から次へと人が代わりながら歌っていくシーン。「どんだけ、のど自慢酒場よ」と思ったら可笑しくなっちゃってニヤニヤしてしまった。だって、それくらいみんな歌がうまいんだもん。
いやぁ、とにかく、声がいいったら。
ポルトガル語の歌は、いいな、ほんとに。
サントラは買いだな。
リスボンちょっと戻りたくなるわ。
(つづきはコメント欄で)
・『ファド』
・Fados@IMDb 7.1
・(音注意) ⇒ Fados 公式
・サントラ: Fados De Carlos Saura
・HMVで買えるようだ。gj
カルロス・サウラ監督。ちょうどエスカレーターで13階についた時に並んで歩くかっこうとなって、うっとりしたわ。
送信者 第5回スペイン・ラテンアメリカ映画祭 |
そしてアルベルト・カレロ氏。おつかれさまでした。
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Comments
映画祭
スペイン映画作家協会
2007 Toronto International Film Festival
33 Festival de Cine Iberoamericano de Huelva
48 Festival internacional de Cine de Cartagena
Festival Internacional Guadalajara
製作/配給
Zebra Producciones
Latido films
Posted by: Reine | Tuesday, September 16, 2008 21:12
ファドについて雑談
・ファド@Wikipedia
>首都リスボンと中北部の中心都市コインブラでそれぞれ独特のファドが育まれ
・『スペイン・ポルトガルを知る事典』より、浜田滋郎先生の解説:
>ポルトガル北部の文教都市コインブラにはリスボンのそれと趣が異なり,伸びやかで明るいファド・ダ・コインブラが知られている.これはおもに同市の大学生たちが,ポルトガル・ギターを抱えながら歌うものである.
さて。
私の観に行かなかった日のできごとだが、上映後の質疑応答で「コインブラのファドが扱われていないのはなぜか」と質問したポルトガル人男性がいたそうである。
「いたそうである」というか、まぁ、私その方のことはよく存じ上げているのですがね。
えーっと、彼は、私が彼を知った20年前からずっとそんな感じです。コインブラ大学の出なんだよね、たしか。違ったかな。それで、ポルトガルへの留学を考える学生に対しても「リスボン(大学)は遊んじゃうからダメでしゅ。コインブラ(大学がいい)でしゅ。」と強くおっしゃってました。
なんでもとにかくコインブラ、という感じでした。
会場内の友人から彼があんな↑質問をした!!!という実況中継のメールが来ました。「あいかわらずだな」と微苦笑しました。
そしてこの一連の流れをSNSの日記にメモったところ、大学後輩からコメントがありました:
彼が大学の学食でカレーを食べながら「saudade…」と呟いていたという話を聞いたことがありますが、都市伝説ですか?
どうみても都市伝説でしょう
Posted by: Reine | Friday, September 19, 2008 09:42
・ファド 商品検索結果
・fado 商品検索結果
また、上述のウィキペディアで名前があがっているところで、ドゥルポンこと、ドゥルス・ポンテスはライブを見たことがありますが、とてもよかったですよ。
wikipediaばっかりですみませんが、Dulce Pontesの項には、「contribuiu para o renascimento do fado nos anos noventa 90年代ファドの再興に貢献した」ようなことが書かれているようです。
Posted by: Reine | Friday, September 19, 2008 10:00
カーネーション革命(ポルトガル革命)について
・『燃え上がるポルトガル革命』(柘植書房新社)
一九七四年四月、独裁体制の崩壊にはじまったポルトガル革命は、旧植民地における人民の解放闘争に火をつけるとともにスペインをはじめとするヨーロッパ各国に深い影響を与えた。ポルトガルの階級関係を分析し、諸事件の意味と革命派の課題を解明する。
・『リスボンの春―ポルトガル現代史 (朝日選書)』
・この革命を描いた映画では『Capitães de Abril』という作品がある。
・IMDb Capitães de Abril
・DVD(海外で) Capitaes De Abril
・DVD(海外で) Captains of April (Capitães de Abril [Non-US Format, PAL region 2])
・ブログ ポルトガル素朴な生活計画さんのブログに映画紹介があります。
・日刊ベリタ: 自由の到来告げたポルトガル無血革命から30年 植民地の独立につながった独裁体制打倒
他になにかいいinfoあれば教えてください。
Posted by: Reine | Saturday, September 20, 2008 11:57
すんごくくだらないことで、申し訳ないなと思いつつ・・・
「でしゅ。」に、かな~~り、共感というか、懐かしい感じです。
Posted by: KLE4c | Saturday, September 27, 2008 01:53
そうそう、KLE4cさん。
しゅしゅしゅしゅしゅしゅしゅしゅ聞こえますよね。もしょもしょ聞こえる。
あーー。リスボン行きたい………。
Posted by: Reine | Saturday, September 27, 2008 14:36