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Wednesday, March 16, 2005

El Lobo

lobo昨夜は三女と『El Lobo』(DVD)を観た。

Eduardo Noriega(エドゥアルド・ノリエガ)主演。実話に基づく。73年から75年くらいにスペイン警察が仕掛けたETA掃討作戦を描いたもの。ETA内部にEduardo Noriegaを内通者として送り込んで…という話。

※ETAとはバスク地方の独立を求める過激派、 「バスク祖国と自由」。


内通モノ(ってそんなジャンルがあるかどうかはさておき)は、だいたいアラスジって決まってるでしょ? 途中でバレそうになったり、拷問めいたシーンが入ったり、グループ内に不和が生じたりとか。警察とのやりとりもだいたい見当がつくじゃないですか。だいたい内通モノは起承転結が万国共通よね? だから“なんとなく”話を追うことができたけど、どうだろ、ヒアリング的にはちゃんとついていったという自信はあんまり無いぞ。

あと、音効はよくなかったと思う。三女も「ぜんぜん聞こえない」とぶつぶつ言ってたし。というか、ファミリーのママが大声で廊下で電話してて。そっちの声の方がよく聞こえてたので、映画の序盤、まったくといっていいほどヒアリングができてなかった。何度も一時停止して「いま、なんつった?」と三女に確認。「この人は、イイモン? ワルモン?」と。


あるシーンで、人々が警察に捕らえられた。そこでシーンが切り替わり、次のシーンではEduardo Noriegaが取調室ではないところで刑事とサシで話している。彼の口角は切れていてちょっと血が滲んでいる。うっすらと痣らしきものも見られる。だから私は、「取調べにおいて暴力の行使があったと考えるべきところか」と解釈した。

刑事とEduardo Noriegaの会話は篭っていてよく聞こえない。おまけに廊下ではママが長電話を続けているのでますます聞こえない。そこで私は一時停止して三女にたずねた: 「さっき逮捕されたでしょ? で、取調べで拷問みたいにされたってこと?」

三女は「はぁ?」とkyotonly。「だって、ほら、口んとこ血が出てるじゃない。暴力があったってことなんじゃないの?」と聞いた。「あたしまったく聞き取れなくって」と私が済まなそうに言うと三女も済まなそうに、「っつうかね、あたしは何も見えてないの」と。

三女はコンタクトレンズをはずし、メガネをかけてDVDを観てた。メガネだと三女はほっとんど何も見えないらしいのだ。「Eduardo Noriegaなんだろうなぁってのはボンヤリと見えてるんだけど、なに? 血が出てるって? あたしには血なんて見えないわけ。あの辺が顔なんだろうなぁって推測してるだけなの。だから、あたしも話についてってないわけ」と。

そして三女はげらげら笑い。
「あたしたちアレみたい、ほら、あの映画、何ていったっけ? 『見ざる聞かざる目撃者(SEE NO EVIL, HEAR NO EVIL)』よ、アレみたいじゃない? あたしは見えてなくて、Reineは聞こえてないのよね。Reineは見る担当ね、私は聞くのを担当するから」。


昨夜の映画は、隅っこに小さい字で「1974年○月△日、マドリード」とか「二年後」などと表示が出る映画だったんだけど、そういう文字も三女には一筋の線にしか見えてない。だから、何か表示が出るたんびに私の脇腹をひじで小突くのです。そうすると私が大急ぎで読み取って「75年11月20日、マドリード!」などと叫ぶのです。

そして、早口や小声の会話のシーンには、私が三女の脇腹を小突き、彼女がザッと説明してくれ……、という感じでようやく最後まで観ました。たいへんでした。

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Comments

ここから4年が経ち、やっと正式に観てみました
⇒『El Lobo

ちなみに『See no evil, hear no evil』のスペイン語タイトルは『No me chilles que no te veo』だそうだ。「俺に怒鳴るなよ、俺はお前が見えないんだから」(直訳)

Posted by: Reine | Saturday, March 28, 2009 13:53

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今回はストーリーの細部にふれるつもりなので注意してください 本作は1973年から1975年11月20日までを描いている。 『スペインハンドブック』、第二章 歴史、§3 フランコ時代、 (4) フランコ体制の終焉、より: (……略……オイルショックのあおりで経済不安、それで政治不安で、なんやかや諸問題が深刻化してっていうかんじ……略……) フランコ政権に対する反対勢力も次第に力を増していった. (……略……労働運動の活発化とか教会の離反とか…... [Read More]

Tracked on Saturday, March 28, 2009 14:00

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