まあ、どのくらいの数の音ゲーオタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、
「オタではまったくないんだが、しかし自分の音ゲー趣味を肯定的に黙認してくれて、
その上で全く知らない音ゲーの世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」
ような、オタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、音ゲーのことを紹介するために
見せるべき10本を選んでみたいのだけれど。
(要は「DDRを踊りまくるキモオタを嬉しそうに晒すテレビ番組」の正反対版だな。
大衆に音ゲーを布教するのではなく、相互のコミュニケーションの入口として)
あくまで「入口」なので、今から遊ぶには難しい過度のマイナー・マニアックな音ゲーは避けたい。
できればコナミのBEMANIブランド、家庭用版の出ているものにとどめたい。まぁ無理だけど。
あと、いくら音ゲー的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。
5鍵原理主義者がコンプ1で全てが完成されていたと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。
そういう感じ。
彼女の設定は
音ゲー知識はいわゆる『リズム天国』的なものを除けば、pop'n music程度は遊んだことがある
という条件で。
まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「beatmania以前」を濃縮しきっていて、
「beatmania以後」を決定づけたという点では外せないんだよなあ。鍵盤も5鍵盤だし。
ただ、ここでオタトーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。
この収録曲過多な作品について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼女に
伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。
適切な紹介例:「ほら、これ大見解とかも入ってるんだって。ちょっと難しいけど俺がスクラッチ手伝うから」
不適切な紹介例:「ほら、ここ見て!calling for distinyだってwwwサントラではdestinyに修正してあるのにww」
アレって典型的な「オタクが考える一般人に受け入れられそうな初心者モード(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのもの
という意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには一番よさそうな素材なんじゃないのかな。
「音ゲーオタとしてはこの二つは“ゲーム”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。
ある種の音ゲーオタが持ってるクラブへの憧憬と、音ゲーとリアルDJの着地点へのこだわりを
彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにもセガ的な
「童貞的に好みなクラブっぽい曲」を体現するアウトランのリミックス
の二つをはじめとして、オタ好きのする要素を世界にちりばめているのが、紹介してみたい理由。
たぶんこれを見た彼女は「ビートマニアだよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
この系譜の作品がその後日本で成功していないこと、これが韓国では大人気になったこと、
韓国ならPSPに移植されて、それが日本に輸入されてもおかしくはなさそうなのに、
日本国内でこういうのがつくられないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。
「やっぱりゲームは子供のためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「パラッパラッパー」
でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この作品にかけるナムコの思いが好きだから。
断腸の思いで削りに削ってそれでもオリジナル曲を入れちゃう辺りが、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、
その「捨てる」ということへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから。
太鼓のオリジナル曲を俺自身は無駄とは思わないし、もう削れないだろうとは思うけれど、
一方でこれがソニーや任天堂だったらきっちり版権曲と自社ゲームの有名曲だけにしてしまうだろうとも思う。
なのに、各所に頭下げて迷惑かけてオリジナル曲を作ってしまう、というあたり、どうしても
「独自の音ゲーを形作ってきたのが捨てられないオタク」としては、たとえナムコがそういうキャラでなかったとしても、
親近感を禁じ得ない。作品自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。
今の若年層でDDRを見たこと・遊んだことの無い人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
近年のe-amuカードを使う前の段階で、コナミ音ゲーの『遊びこませる要素』は頂点に達していたとも言えて、
こういうクオリティの作品が音ゲー真冬の時代にリリースされていたんだよ、というのは、
別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなく音ゲー好きとしては不思議に誇らしいし、
いわゆるアーケードでしか音ゲーを知らない彼女には(『忘れないで』エンディングを)見せてあげたいなと思う。
岡島の「目」あるいは「声づくり」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。
「終わらないネタ人生を毎日生きる」的な感覚がオタには共通してあるのかなということを感じていて、
だからこそぶっ飛んだアニメやエロゲーの主題歌はいつも電波ソング以外ではあり得ないんだろうとも思う。
「ネタ人生した日常を生きる」というオタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「オタクの気分」の
源は岡島(Lonely song)にあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、
単純に「この曲、好き!!」って楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。
これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
こういういかにも非オタクの世界をこういうかたちでオタク化して、それが非オタに受け入れられるか
気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。
9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的にbm98を選んだ。
beatmaniaから始まってBM98で終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、
YouTube以降のネットでアマチュア作品が脚光を浴びる文化の先駆けとなった作品でもあるし、
紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。
というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら教えてください。
「駄目だこの増田は。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。
こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。