
無人島では言葉はいらない。
どうしても言葉が必要になるのは、つまるところ
自分一人ではどうしようもなくて、誰かに何か頼みたいときだ。
ギブ・ミー・チョコレイトでもいいが、英語圏の幼子はまず最初に「Please」と「Thank you」を学ぶ。
This one, please.
・・・・
Thank you.
Pleaseだけで、大抵の用(どうしても言葉が必要な用)は、足りる。
足りるけれども、いつまでもこれだと、駄々っ子か幼子のままである。
もうすこし相手に(人として)丁寧に扱ってほしいなら、丁寧な言い方をするといい。
Please~. を丁寧にすると、Can I have~? となる。
「キャナイハブ~」と一気に言って、その後ろにほしいものをくっつけるといい。
ほんの少しだけ長いだけで、プリーズが使えるなら、こちらも大した苦労なく使えるだろう。
「I'd like to ~(アイドライクトゥ~)」よりも、ふつうに使われてる感じがする。
しかも応用がきく。
いくらPlease~.やCan I have~?が使えても、頼み事はタダではすまない。お代を払う必要があるだろう。
カードで支払いたいなら、なんというか。
haveをuseに置き換えて、こう言えばいい。
Can I use VISA?
まあ、VISAカードなら、大抵使える。
他にも、どこどこへ行きたい、言う場合はどう言うか。
あたまにhowをくっつけて、haveのかわりにgetを使う。
How can I get to~?
「ハウキャナイゲットゥ~」と、これも一気に言って、その後に行きたい場所をつければ、行き方を教えてくれる。
「ハウキャナイゲットゥ カーネギホール(ニューヨークにある有名なコンサートホール)?」。
How can I get to Carnegie Hall?
答えはもちろん
practice, practice, practice.(プラクティス、プラクティス、プラクティス)
練習あるのみ、である。
しかし、我々は獣ではない。
人の世を生きるには、いくらか礼儀というものが必要だ。
プリーズで何かしてもらった後には、いくらお金を払ったとしても、ちゃんと
Thank you(サンキュー)
と言おう。
でないと、次から助けてくれないかもしれないからだ。
こうした訳で、人として最低限必要な言葉の二つはプリーズとサンキューである。
そしてもう一つ。
プリーズを使おうにも、相手がこちらを向いてくれないかもしれない。
だから、こちらを向いてもらうための、呼び掛けの言葉がある。
Hallo.(ハロー)
や
Excuse me.(エクスキューズミー)
だ。
まとめると、最低限の英語は、次の3つである。
Hello.(で呼び止めて)
Please.(で頼み込んで)
Thank you.(でお礼を言って別れる)
そして、人として最低限の英語は、次の3つである。
Excuse me.(で呼び止めて)
Can I have~?(で頼み込んで)
Thank you.(でお礼を言って別れる)
とりあえず、この3つがあれば、大半の用事は(あとは対価を支払うための現金やクレジット・カードがあれば)片がつく。
Can I ~?で頼む
Can I have this book?(この本が欲しいのですけど)
は、疑問文である。いうまでもなく。
疑問文だが質問してる訳ではない。依頼しているのである。頼んでいるのである。
はっきり言って、何かを描写する言葉よりも、何かを頼む言葉の方が重要度が高い。ただ描写したって、単なる独り言である(描写が必要な場面については、また改めて)。
Can I ~?で頼むには、さっき見た通りこんな風にする。
Can I have this book?(この本が欲しいのですけど)
Can I get your (telephone) number? (電話番号おしえて)
とりあえず、くどいくらいに使ってみる。まずはhave編。
Can I have three hamburgers and a coke, please?
(ハンバーガー三つとコーラを下さい)
Can I have a double bourbon? No water.
(ストレートのバーボンをダブルで)
Can I have a table near the stage, please?
(ステージ近くの席はとれますか?)
Can I have some medicine?
(何か薬はありませんか?;飛行機の中などで)
Can I have a doggy bag?
(食事を持ち帰りたいので袋をください
;日本人には多すぎることがあるので。
doggyはdog犬のこと。
自分が後で食べるというのは恥ずかしく、
「帰ってワンちゃんにも食べさせたいので」
という言い訳から来ているらしい)
Can I have the same dish as that?
(あれと同じものをもらえますか?
;となりの人のおいしそうな料理を指差して。
メニューが読めないときに)
Can I have your name, please?
(お名前は教えていただけますか)
What time can I have breakfast?
(朝食は何時ですか?)
とりあえず、パック旅行程度なら、Can I have~?だけで、なんとかなりそうに思えるほどである。
次に、こんどはCan I get~?をさらにしつこく過剰学習。
Can I get any painkillers without a prescription?
(処方せんなしで買える痛み止めはありませんか?
;painkillers=「痛み殺し」で「痛み止め」の意味)
Can I get a room for tonight?
(空き部屋はありますか?
;予約なしで宿に泊まるときなど)
Can I get a little discount?
(少しまけてもらえませんか?)
How can I get to Kyoto Station?
(京都駅へはどう行けばいいのでしょうか)
Where can I get stamps?
(切手はどこで売ってますか?)
Where can I get a knife and fork?
(ナイフやフォークはどこですか?
;バイキング形式の場合に)
Where can I get the limousine for Hilton Hotel?
(ヒルトンホテルへ行くリムジンバスはどこで乗れますか?)
Can I get back to you?
(後でもいいかな?
;Do you have time for me?(時間ある?)
と聞かれたときに、こう答える)
Can I get~?まで使えれば、旅のトラブルもなんのその、に思えてくる。
「どこへ行けばいいのか?」わからないときも、「そこで何をしたいのか」をはっきりさせた方が、教える方も教えやすいかもしれない。
Where can I ~?ばかりを、またくどいぐらいに並べてみると、
Where can I change money?
(両替所はどこですか?)
Where can I board the boat?
(遊覧船の乗り場はどこですか?)
Where can I check in?
(搭乗手続きはどこでするのですか?)
Where can I buy it?
(それはどこで買えますか?)
Where can I rent a car?
(レンタカーはどこで借りられますか?)
Where can I catch a taxi?
(タクシーはどこで拾えますか?)
Where can I get a dinner date with her?
(メシ ドコカ タノム;『電車男』)
When can I pick them up?
(いつ取りにきたらいいですか?
;クリーニングや写真の現像を頼んだときに)
道に迷ってて、おばあさんにこう聞かれたことがある。
Can I help you?
せっかくなので、Can I ~?で返すと
Where can I have a meal?
(どこかで食事がしたいんですが)
一人暮らしの老人ご用達の店を紹介してもらった。
Can I leave everything up to you?
(お任せします
;三島由紀夫著、ジョン・ネイサン訳『午後の曳航』)
もひとつ文学作品から、これは依頼でも疑問でもなくて反語。
Can I restore him to you?
(生き返らせる力など、余にはない
;中野好夫訳、チャールズ・ディケンズ著『二都物語』)
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