2025-12-25

anond:20251225204231

利上げは少し無理がある

企業にはどのような影響がありますか。

片岡氏:大企業よりも中堅・中小企業心配だ。足元ではトランプ関税の影響もあり、特に輸出関連企業の業況が悪化している。そのような中での利上げは、経済動向を占う重要ファクターである賃上げ動向にも悪影響を及ぼし得る。

 そもそも、25年7~9月期の国内総生産GDP)は前期比0.4%減、年率換算で1.8%減のマイナス成長だった。改定ベースでは、プラスだった設備投資マイナスになり、輸出も減少した。1012月期はまだはっきりしたことは言えないが、第1次トランプ政権が米中貿易摩擦関税率を引き上げた際、日本は2四半期連続マイナス成長だった。今回のトランプ関税の影響も一過性で終わらない可能性がある。

 日本経済は0.75%の金利下で、このような下振れ要因に耐えられるのか。実体経済の側面から見ると、利上げは少し無理があるのではないかと思う。

日銀は2%の物価安定目標を掲げています物価はどのように動いていきますか。

片岡氏:現在物価上昇が進み、10月の消費者物価指数は3.0%の上昇率となった。しかし、日銀10月の展望レポートや多くのエコノミスト予測では、26年の消費者物価は2%かそれを下回る水準になる可能性を指摘している。

 背景には、政府補正予算の中で掲げる物価対策がある。ガソリン軽油暫定税率廃止電気代の引き下げなどにより、物価は下がるとみられる。食料品価格はすでに高水準で推移しており、これ以上の伸びしろはあまりないだろう。

 つまり、利上げをしなくても物価は下がる見込みなのだ。それにもかかわらず、利上げで物価を下げて、景気を悪化させる力を働かせようとしている。日銀が言う通りに、2~3年後の物価が2%で安定している状況になっているのかは疑問がある。植田和男総裁国民市場関係者がしっかり納得できるように、なぜ利上げを実施する必要があるのか、説明を尽くすべきだ。

●「円安物価上昇」ではない

日銀はなぜこのタイミングで利上げを決断したのでしょうか。

片岡氏:為替問題が大きいだろう。円安には2つの側面があると言える。1つは、円安物価高の根源であるという指摘。もう1つは、日銀が何とかして円安を止めなければならないという考え方だ。現在はこの2つが合わさって、今回の金融政策決定会合で利上げを早期に進めないと円安物価高も止まらないというロジックになっている気がする。しかし、この2つの考え方自体を注意して見るべきではないか

 というのも、円安物価に与える影響はあまり大きくないのだ。日銀自身円安物価上昇率に与える影響に関する研究公表している。日銀実証実験によると、円安が1%進んだ場合物価の押し上げ効果は約0.02%程度にとどまるという。もちろん結果は上下する可能性はあるが、物価高の最大の要因を為替と断定することはかなり言い過ぎだと思う。

 また、そもそも日銀円安を止められるのか、という点も論点の1つだ。利上げによって日米の金利差を縮小させて、為替に影響を及ぼすということはよくいわれる。今回は2週間ほど前から金利引き上げの観測が織り込まれていたが、為替レートは1ドル=157円が155円台に戻った程度だ。

 政策金利を0.25%引き上げて生じる景気や物価への悪影響と、為替を2円ほど円高にするメリットのどちらが良いのか。我々も真剣に考えなければならない。私自身は、そもそも日銀為替レートをコントロールするために金融政策は行うのではないし、トレンド根本的に止めることはできないと思っている。

次ページは:長期金利は今後3%も視野

https://news.yahoo.co.jp/articles/c29f22949e6e874bc6ffcef688bc61327dd95cf0?page=2

記事への反応 -
  • 日銀は12月18、19日の金融政策決定会合で約1年ぶりに利上げを決めた。政策金利0.75%は約30年ぶりの高水準となる。利上げにより、住宅ローン金利や金融機関の貸出金利の上昇が見込まれ...

    • 利上げは少し無理がある 企業にはどのような影響がありますか。 片岡氏:大企業よりも中堅・中小企業が心配だ。足元ではトランプ関税の影響もあり、特に輸出関連企業の業況が悪化...

      • 国債を日銀が引き受けたらしいから国債の借金返すためじゃねーの

      • 長期金利は今後3%も視野 金融政策の在り方が問われているということですね。  1990年代に資産価格の上昇ばかり注目して、急速に利上げを進めた結果、バブル崩壊につながった。実体...

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