雑草の言葉

生活必需品だけでゴミ屋敷に

2021/11/17
ゴミ・廃棄物 10
 最近増え続けている「隠れゴミ屋敷」とは、アパートやマンションなど外から見ても判断できない場所で起きているゴミ屋敷のことだそうです。特に一人暮らしの単身世帯を中心に増えてきているとのことです。
 その中で、食料品を中心に生活必需品しか買っていない方の世帯でも隠れゴミ屋敷になってしまうことについて考えたいと思います。
(買い物依存症の方の住まいがゴミ屋敷になってしまう場合もしばしばあるようですが、それは別問題なので考察致しません。)
部屋ゴミ2

 仕事が忙しかったり、家に引き篭もりがちになっている方などで、掃除が苦手だったりやり方がわからなかったり、ゴミ捨てを後回しにして、いつの間にか気がつくと隠れゴミ屋敷になってしまった単身世帯が多いそうです。
 すぐに食べられて便利なコンビニやスーパーのお弁当やお惣菜は、プラスチックごみを中心に沢山ゴミが出ます。飲み物のペットボトルやお菓子の袋なども同様です。
 レジ袋を貰わずにマイバッグを持参してもゴミの減量の効果はほんの数%で焼け石に水です。
 さらに沢山ゴミが出るのは、通販です。通販では一人分でも丁寧に梱包されて、段ボールもビニール・プラスチック容器も一気に増えるでしょう。コロナ禍で通販での食料品の購入も増えましたが、無駄が多くいい事とは言えないでしょう。
 殆ど食料品が占める生活必需品だけでも、数週間だけでも廃棄せずにして置くと、家はゴミだらけになってしまいます。動画などを観ると、買って食べた食べ物の容器だけでも1〜2年も捨てずに置けば、足の踏み場も無いどころか、腰の高さまでゴミに埋もれてしまうワンルームマンションとかが出てきます。
  日々の飲み食いだけでこんなに沢山のゴミが出る現代の生活システムは異常です。
 昔、江戸時代とかまで遡らなくても、第二次世界大戦の10年後くらいまでは、食べ物を購入してもゴミはそんなに出なかった筈です。出たとしても、プラスチックではなく古新聞などであった事でしょう。

 ゴミ屋敷専門の片付け業者というのも出て来たようです。その業者の話によると、ゴミ屋敷のゴミの半分弱(4割)ほどは、資源ごみになるとの事です。逆に言えば、半分以上がリサイクルされずに廃棄されるゴミです。リサイクルされる4割のゴミも、その過程で多くのエネルギーを費やし、別の廃棄物が出る場合もあるでしょう。リサイクルはリユースほどエコではありません。
 一方、ゴミを毎日捨てて部屋を綺麗に保てば、いいのかと言えば、本人的には快適な生活ができるかも知れませんが、社会的には何の解決にもなりません。結局出て来たゴミの半分以上は外部に廃棄されるのです。 

 当然、ゴミ処分場はゴミで溢れています。最終処分はかなり不完全です。それだけではなく、海はゴミで溢れています。川も湖も山も森も、よく観るとあちこちにゴミが散らばっています。冗談抜きに、世の中はどんどんゴミで溢れ、ゴミの山に埋もれて生活する事になりそうです。特に腐らないプラスチックごみは最悪です。

 ゴミ屋敷が問題なのではなくて、生活必需品、特に食べ物だけで毎日これだけのゴミが出ることが問題なのです。使い捨ての包装、梱包などが大きな問題なのです。そして、これは個人のゴミの減量の努力だけでは何ともならないものです。社会の制度として使い捨てを桁違いに減らす対策を早急にすべきでしょう。ここを改善(法制化など)することこそ緊急にするべきです。
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Comments 10

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爽風上々

ゴミの増大

急激なゴミの排出量増大は明らかに包装材料です。
その多くはプラスチックであり、それが回収漏れされればプラゴミの環境汚染につながります。
プラでなければ良いとばかりに紙や木材を使用するなら森林破壊が進みます。
コロナ禍での飲食店営業自粛は持ち帰り料理の増加となり、ここでも包装用プラの排出量増加となりました。
ただし、これで包装を減らそうとしてもどうしてよいのか分からないと思います。
まさか、自分で持ち帰り用の容器を用意していって量り売りで購入などと言うことができるはずもありません。
そういった料理販売の場もありましたが、衛生条件が厳しくなって不可能になりつつあります。
近くのスーパーのそういったコーナーも、すっかりプラ容器への小分けに転換してしまいました。
よほど厳しい状態となって包装材料の使用制限がかからない限り変わらないでしょう。
今の流通小売業の業態の根本に関わる問題であり、それを変えればすべてを変えなければならないものでしょう。

2021/11/18 (Thu) 13:55
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: ゴミの増大

 過剰包装には辟易です。プラスチックの容器の中に、さらに1つ1つプラスチックの袋に入れられている・・・なんて物(お菓子など)だらけです。マイバック(「エコバック」なんて呼ぶほどの代物ではありません。)を否定する積もりははありません。私は昔からマイバック(と言うか「買い物袋」)を持参してレジ袋やストローを拒否していますが、そんなのは焼け石に水です。
コロナ禍による持ち帰り料理の使い捨て容器の増加にも辟易です。

>自分で持ち帰り用の容器を用意していって量り売りで購入などと言うことができるはずもありません。

私はそれも否定しません。選択肢の一つかと考えています。

>今の流通小売業の業態の根本に関わる問題であり、それを変えればすべてを変えなければならないものでしょう。

おっしゃる通りです。爽風上々さんも、それを「変えるべき」とお考えですよね?そうしなければ文明崩壊でしょうから。

2021/11/19 (Fri) 08:16

爽風上々

「変えるべき」でもできないこと・

容器包装にこのようなプラ原料や「さらに環境に悪い」紙・木材原料を際限もなく投入することは、良いはずもありません。
しかしそれを止めようとするには商品の流通形態をすべて変えなければならないということがあり、簡単には取り組めないということです。
もしも「総菜のパック販売」を止めようとするとどうなるか。
考えただけでも現在の社会を根本から変えなければならないことが判るでしょう。
それが、現在売買されている商品のすべてに関わってくるということです。
これは、私がかねてから主張している「脱エネルギー社会の構築」とも密接に関係してきますが、脱エネルギー社会であれば食品の流通もパック販売などは卒業するはずです。
とはいえ、そこに到達するまでの社会変化をどう収めていくか。
到達点の目標を示すだけで、このような非常に不便な生活を本当に納得してもらえるのか。
それを思うと困難さがのしかかってくる思いです。

2021/11/19 (Fri) 20:09
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 「変えるべき」でもできないこと・

爽風上々さん
紙・木材原料の方がプラ原料よりも「さらに環境に悪い」のはどうしてでしょうか?その評価基準がわかりません。森林を伐採するからでしょうか?
 我が家では惣菜をあまり買わないので「惣菜のパック販売」をやめてもそれほど影響はありません。日本も1960年代頃まで遡れば「惣菜のパック販売」って無かったんではないでしょうか?
 確かに1960年代の生活に戻るのは難しいし、困難さがのしかかってくる感じでしょう。現在の社会を根本から変えなければならないとも言えますが、「慣れ」だとも思います。
「正当な恐怖心」を持てば、意識改革も可能で、不便な生活にも納得する人は多くなるでしょう。
 確かに「変えるべき」でも難しいことではあります。しかし出来る、出来ないの2つの道ではなく、実際はその二つの間の状態でしょう。つまり「既に遅し」に近い状態まで変えることは難しくても、「絶滅」のレベルから何割かは生き延びる、その「何割か」を大きくする事はできるでしょう。

2021/11/19 (Fri) 23:08

東京珈琲

お久しぶりです

僕の住んでいる街では量り売りの店がちらほら出てきました。野菜や肉、乾物、惣菜は勿論のこと、納豆や味噌、醤油や酒、油などの液体も量り売りです。自前の容器を持っていって入れてもらいます。意識高い人にとても人気があります。

斗々屋
https://totoya-zerowaste.com/

ゼロウェイスト京都
https://zerowaste.kyoto/

2021/11/21 (Sun) 10:49

guyver1092

出口のない罠

 現在のゴミがあふれる社会は、資本主義の必然という気がします。理由は、より多く売るために他社より見栄えのする包装、他社より優れた使い易さ、他社より優れた保存性等競えば競うほど包装が過剰になっていったのでしょう。
 この解決のための根本は、資本主義を放棄することでしょうね。無論、過剰包装には罰金のように課税する等のテクニックも必要でしょうが。

2021/11/21 (Sun) 20:02
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: お久しぶりです

 東京珈琲さんがお住まいになられている京都の街では、量り売りのお店がちらほら出てきたと言うことで、非常に嬉しく思います。特に、
>野菜や肉、乾物、惣菜は勿論のこと、納豆や味噌、醤油や酒、油などの液体も量り売りです。
と、本格的なのがいいですね。
 ご紹介の斗々屋もゼロウェイスト京都も一部の製品ではなく全品徹底した量り売りで、ポーズだけでは無いようですので「本物」かと思います。私も、近くに在ればこのようなお店でしか買いません。二つのお店はおしゃれで似た雰囲気だと思ったら、同じ経営ですね。以前住んでいた郡山市のモールの一つにも量り売りのお店がテナントで入ったのですが、駄菓子とかだけでしたし遠かったので、あまり利用は出来ませんでした。今はどうなったでしょうか?
 量り売りのお店は、是非とも全国に広がって欲しいものです。応援します。
 使い捨てのプラスチック包装の無かった20世紀半ばまでの普通の風景を取り戻せればいいですね。

 東京珈琲さん お久し振りのコメント有難うございます。深刻な内容の本記事に対して、少しでも希望を持てる情報を頂き、感謝します。

2021/11/22 (Mon) 06:39
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 出口のない罠

  guyver1092 さんの仰るように、
>現在のゴミがあふれる社会は、資本主義の必然、「出口のない罠」
と言えるでしょう。「経済効果」しか考えない現代の資本主義からの脱却は必要でしょうね。
一方、国民の意識もあるかと思います。
 刹那的な「経済的損得」を考えれば、使い捨てプラスチックの容器の使用は、作る方、売る方は「便利でお得で経済効果あり」・・と考えるでしょうが、東京珈琲さんのコメントにもあった「意識の高い人」が増えれば、使い捨て容器で販売している業者、小売店は淘汰されて来るでしょう。
 今のところ「意識の高い人」が少ない日本では難しい事ですが、ヨーロッパの飛行機利用の”fight shame;飛び恥” のような運動が広がれば、小売店、製造業者も動かせます。そして何より政治を動かして法制化出来るでしょう。理想論と言われそうですが、「使い捨てプラスチックの容器」の恐怖を「正当に」理解する人を増やせば可能かと思います。どうでしょうか?

2021/11/22 (Mon) 07:32

guyver1092

国民の意識

 確かに日本人に意識の低い人は、多いと思います。おっしゃる様に、意識が高い人が増えれば、国の方針にも影響があると思います。ここで邪魔をするのが資本主義です。二酸化炭素もそうですが、たくさんのよさそうな事を言ってその中に嘘を混ぜ、結果として悪い方向に進路を捻じ曲げるという、悪行がまかり通っています。
 東京珈琲さんの言うような量り売りの店が増えるのは良いことだと思います。そういえば(槌田敦さんの本にもありましたが)、大便と小便を別に収集するのは江戸時代の京都でされていたそうです。これは、肥料的に考えて合理的な集め方だそうです。

2021/11/23 (Tue) 07:19
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 国民の意識

 なるほど!、guyver1092さんの仰るように、素本主義が本質的にまともな環境対策を邪魔してますね。

>たくさんのよさそうな事を言ってその中に嘘を混ぜ、結果として悪い方向に進路を捻じ曲げる

金儲けの為の利用が一番の目的のようですね。資本家の多くは結局は投資の対象と見ているのかも知れません。SDGsなどもその典型ですね。
経済効率が悪くなりそうな、東京珈琲さんの言うような量り売りの店が増えることは、資本家はあんまり乗り気では無いでしょうね。だからこそ本物かも知れません。

>大便と小便を別に収集するのは江戸時代の京都でされていたそうです。

それは初耳です。大便と小便を別々のところにして集めるのは東南アジアの例しか知りませんでした。日本でも行われていたのですね!それも京都で!素晴らしいです。
 昔から京都には意識の高い方が沢山住んでいたのかも知れません。縮小社会研究会もエントロピー学会も本部は京都にあり、メンバーも京都の方が多いです。(・・だから東北住まいの私は総会などの会議に参加するのに遠かったのですが、現在はオンライン会議が多くて助かってます。)

2021/11/23 (Tue) 10:53
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
無理に経済成長させようとするから無理に沢山働かなければなりません。あくせく働いて不要なものを生産して破局に向かっているのです。不要な経済や生産を縮小して、少ない労働時間で質素にゆったり暮らしましょうよ!「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト。
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