生活必需品だけでゴミ屋敷に
その中で、食料品を中心に生活必需品しか買っていない方の世帯でも隠れゴミ屋敷になってしまうことについて考えたいと思います。
(買い物依存症の方の住まいがゴミ屋敷になってしまう場合もしばしばあるようですが、それは別問題なので考察致しません。)
仕事が忙しかったり、家に引き篭もりがちになっている方などで、掃除が苦手だったりやり方がわからなかったり、ゴミ捨てを後回しにして、いつの間にか気がつくと隠れゴミ屋敷になってしまった単身世帯が多いそうです。
すぐに食べられて便利なコンビニやスーパーのお弁当やお惣菜は、プラスチックごみを中心に沢山ゴミが出ます。飲み物のペットボトルやお菓子の袋なども同様です。
レジ袋を貰わずにマイバッグを持参してもゴミの減量の効果はほんの数%で焼け石に水です。
さらに沢山ゴミが出るのは、通販です。通販では一人分でも丁寧に梱包されて、段ボールもビニール・プラスチック容器も一気に増えるでしょう。コロナ禍で通販での食料品の購入も増えましたが、無駄が多くいい事とは言えないでしょう。
殆ど食料品が占める生活必需品だけでも、数週間だけでも廃棄せずにして置くと、家はゴミだらけになってしまいます。動画などを観ると、買って食べた食べ物の容器だけでも1〜2年も捨てずに置けば、足の踏み場も無いどころか、腰の高さまでゴミに埋もれてしまうワンルームマンションとかが出てきます。
日々の飲み食いだけでこんなに沢山のゴミが出る現代の生活システムは異常です。
昔、江戸時代とかまで遡らなくても、第二次世界大戦の10年後くらいまでは、食べ物を購入してもゴミはそんなに出なかった筈です。出たとしても、プラスチックではなく古新聞などであった事でしょう。
ゴミ屋敷専門の片付け業者というのも出て来たようです。その業者の話によると、ゴミ屋敷のゴミの半分弱(4割)ほどは、資源ごみになるとの事です。逆に言えば、半分以上がリサイクルされずに廃棄されるゴミです。リサイクルされる4割のゴミも、その過程で多くのエネルギーを費やし、別の廃棄物が出る場合もあるでしょう。リサイクルはリユースほどエコではありません。
一方、ゴミを毎日捨てて部屋を綺麗に保てば、いいのかと言えば、本人的には快適な生活ができるかも知れませんが、社会的には何の解決にもなりません。結局出て来たゴミの半分以上は外部に廃棄されるのです。
当然、ゴミ処分場はゴミで溢れています。最終処分はかなり不完全です。それだけではなく、海はゴミで溢れています。川も湖も山も森も、よく観るとあちこちにゴミが散らばっています。冗談抜きに、世の中はどんどんゴミで溢れ、ゴミの山に埋もれて生活する事になりそうです。特に腐らないプラスチックごみは最悪です。
ゴミ屋敷が問題なのではなくて、生活必需品、特に食べ物だけで毎日これだけのゴミが出ることが問題なのです。使い捨ての包装、梱包などが大きな問題なのです。そして、これは個人のゴミの減量の努力だけでは何ともならないものです。社会の制度として使い捨てを桁違いに減らす対策を早急にすべきでしょう。ここを改善(法制化など)することこそ緊急にするべきです。
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