雑草の言葉

近藤氏に物申したら・・ 

2021/11/19
CO2 4
 近藤邦明氏は、CO2地球温暖化懐疑論が一般になるかなり前の頃からCO2地球温暖化は「懐疑」ではなく「否定」されている方です。その著書「温暖化は憂うべき事だろうか」が発行された2006年は、私もまだCO2地球温暖化懐疑論は知らず、この本は「トンデモ」だと思ったのですが、読んでみたいと思いました。しかし「眉唾」を自費で購入するのは嫌で、職場の図書室に入れて貰って借りて読みました。読んでみると、近藤氏の環境に対する考え方には共感する部分が多く、内容もかなり信頼に足り、納得する内容でした。読みにくさもありましたが気に入ったので時間をかけて熟読しました。汚してアンダーラインも引いてしまったので、新しい本を自分で購入して図書室に「弁償」し、最初に借りた本は今でも手元にあります。そして私も「CO2温暖化懐疑論者になり、(否定論者まではなっていません。地球温暖化の主因がCO2であるかどうかはわからないと言う立場です。)」ここの<雑草の言葉>でも本書の内容を紹介しながら記事を書かせをて戴きました。2006/12/25 から10回ほどシリーズで記事を書かせていただきました。
温暖化は憂うべき事だろうか本
読み込んでボロボロになった「温暖化は憂うべき事だろうか」

 その後、彼のHP『環境問題を考える』にも訪問して、記事を読ませて戴き、色々とメールで質問させて頂いておりました。納得できないところはメールや他のサイトで議論もさせて戴きました。近藤氏の次の著書「太陽光発電の大疑問」も購入して読ませて頂きました。

 ある日、彼のサイト『環境問題を考える』に明らかに間違っていると思われる近藤氏の『等比級数理論』が載っていました。まずいと思い削除した方がいい旨をメールしましたところ、彼から直ぐに私の言ってることが全く理解できない旨のお返事を頂きました。その後何度かやりとりしても「全く理解できない、何を言ってるか分からない」とのことで、メールのやり取りは終わりました。
 しばらくして彼は「環境問題を考える」の[HP管理者から]に、No.736(2012/04/02)【CO2循環モデルに対する頓珍漢な批判】と題する記事を載せました。

 この記事の「頓珍漢な言いがかり②」と言うのが私のことです。名前は出されていませんが、HN:雑草Z でも 本名でも出して頂いて、<雑草の言葉>もリンクして小バカにして頂いて結構です。その代わり当方の指摘もそのまましっかり載せて欲しいと思います。彼の等比級数理論こそ間違っているという確信があるからです。私の指摘が本当に頓珍漢な言いがかりであるならば、訂正記事を書き、近藤氏に謝罪いたします。

 この【CO2循環モデルに対する頓珍漢な批判】を読んで近藤邦明氏が何をどう勘違いしているのかよく判りました。彼は「私には全く予期せぬ指摘」と笑って馬鹿にしていますが、その言葉はそのまま近藤氏にノシをつけてお返ししたいと思います。 
 このタイトルからも分かるように、この記事は私を小馬鹿にし切っていましたので、以降何度メールで間違いを指摘したところで、彼は「等比級数理論」を撤回することはないだろうと思いました。どうしようかと思いましたが、めんどくさいので、そのまま放っておいたら10年近く経ってしまいました。
 最近、ちょっとしたキッカケがあってこの事を思い出しましたので、久々に『環境問題を考える』を訪問して件の記事を探したら削除されずに残っていました。そして近藤氏はいまだに「等比級数理論」を主張していました。それどころか、すっかり彼の主張の根幹の一つとなっていました。(念の為、魚拓を取って置こうかと思います。)

・・・と、言うことで、近藤氏との議論では埒が明かないので、改めて、ここを読んでいる皆さんにどちらが正しいかを判断していただこうと記事にします。是非読者の皆様が、彼の理論と私の指摘のどちらがまともでどちらが頓珍漢か、歯に衣着せずに判断してコメントください。よろしくお願い致します。
 なお、ここで私が間違っていると言っているのは、近藤邦明氏の 「等比級数理論」、「CO2循環モデル」です。CO2温暖化懐疑論及び近藤邦明氏を否定するものではありません。近藤氏の主張には参考になる部分も多々あります。彼の著書からも色々学ばせていただきました。そして何より環境問題に対するスタンスはかなり私と共通しております。しかし、私の指摘が正しければ、結果として近藤邦明氏のCO2温暖化否定論の根拠の3本柱の一つとしている;『産業革命以降の大気中CO2濃度上昇の主因は人為的に排出されたCO2量の増加とは無関係である。』
を否定することになります。

 まあ、直感的にもおかしいとわかるこの主張は早く取り下げた方が良いと思います。・・と言ってももう10年以上近藤邦明氏の主張の根幹の一つとなっておりますから、取り消すのもなかなか大変でしょう。彼のHPのあちこちにも書かれています。
 
 【CO2循環モデルに対する頓珍漢な批判】の中の「頓珍漢な言いがかり②」 の部分と図をコピペします。私に関する記事ですからコピペしても問題はないでしょう。

炭素循環図
       炭素循環の模式図


近藤炭素循環モデル
   近藤邦明氏の炭素循環モデル(左)(右は異論を挟む人を小バカにする近藤氏得意の「頓珍漢論法」図)



 頓珍漢な言いがかり②
これは私には全く予期せぬ指摘でした。曰く“一旦大気に放出された人為起源のCO2が地表環境
(※雑草Z注;私は、「地表環境」とは述べてません「海」と述べてます。これはCO2の状態で大きな違いがあり、試算も変わります。)に吸収され、その後再び大気中に放出された場合、これも人為的なCO2としてカウントしなければならない。したがって循環モデルは誤りである”という主張でした。この指摘の真意は、未だに私にはよくわからないのですが(笑)、唖然としました。
 既に読者諸賢には十分お分かりだと思いますが、循環モデルではどのような起源のCO2であろうと、一切かまいません。着目した時点の状態が質量保存則を満足していれば良いのです。
 冒頭に示した右の図で言えば、固体・液体地球に固定されていたCが大気中にCO2として放出されるときにポンプPNで上の水槽に汲み上げられたのかポンプPMで汲み上げられたのかという違いに過ぎません。一旦上の水槽に入ってしまえばCO2に区別はありません。上の水槽の底に取り付けられたバルブVを通して下の水槽に還流したCにも勿論区別はありません。
 循環モデルでは、下の水槽から汲み上げられるCO2が以前にどのような履歴を経ているかは、大気中のCO2量の結果に影響しませんから、全くどうでも良いことであり、そのようなことを斟酌する必要はありません。結果に影響をおよぼすのはポンプの汲み上げ能力なのです。循環モデルの主張は、ポンプPMによって単位時間に汲み上げられたCO2量⊿qinに平均滞留時間1/rを乗じた値だけ大気中CO2量が増加するということです。
 更に、理想的な状態として、ポンプPNとポンプPMで汲み上げられたCO2が上の水槽の中で一様に混合しているとすれば、上の水槽に溜まっているCO2の混合比はqin:⊿qinになります。この場合はポンプPMで汲み上げられたCO2そのものが水槽中に⊿qin/rだけ存在することになりますが、これはどうでも良いことです。
 
 以上「頓珍漢な言いがかり②」は【CO2循環モデルに対する頓珍漢な批判】のごく一部です。これも随分と長々とした説明ですが、この前に近藤邦明氏のCO2循環モデルのさらに長い説明があります。読みたい方は是非リンクにアクセスしてください。近藤氏のこの読みにくい説明は、”彼の文章を読む能力がない私”には疲れました。こんなモデルを使わずにもっと簡単に説明できるはずです。彼の説明を読んで後に私の指摘を読んで判断して欲しいのは山々ですが、近藤理論を読んでる途中で飽きたり挫折して、正しいか間違っているか判断するのをやめて欲しくはないのです。彼の主張は私の反論に簡単明瞭に書きますので近藤氏の主張を読むのを放棄したとしても、どちらが間違っているかの判断をして頂ければ幸いです。
 上記の部分には数式があまり使われていませんが、近藤さんは数学が大変よくお出来になる方のようで、よく数式で色々説明されていますが、その数式を追うのもまた面倒です。同じ内容を槌田敦さんの著書では数分の一の時間で感覚的にも理解できます。勿論、数式で説明するのは厳密性を出す為もあるのでしょう。槌田敦氏も要所で数式を上手く使っています。しかし、近藤氏の説明は直感に訴えず、私には分かりにくいのです。彼は彼の説明を理解しない人を「中学生でも理解できる内容・・」などとよく小馬鹿にしていますが、簡単なことを難しく説明したり、本当に間違っていることは理解できなくても当然かと思います。

 「CO2が以前にどのような履歴を経ているかは、大気中のCO2量の結果に影響しませんから、全くどうでも良いことであり、・・」と、言うのは近藤氏の得意の「言いがかり」論法です。そんなおバカな事(CO2が人的放出か否かによってその後の振る舞いが変わるという馬鹿げたこと)を根拠に論争する人などいないでしょう。説明の必要がなく明らかに省略して書いた事に対する「揚げ足取り」に見えますが、彼は本気で持論を否定する相手がそう主張していると考えているようです。
 CO2温暖化説を推進している東北大学の明日香壽川氏の事なども近藤氏は以前より同じ論法で小バカにして嘲笑しておりました。明日香氏を擁護する積もりはありませんが、さすがに大気中のCO2の以前の履歴(人為的放出のCO2か否か)によってその後の振る舞いが違うなんておバカな主張をする学者などいないでしょう。・・と昔、近藤氏にメールした時に彼は「明日香氏はそんなおバカな主張をしているのです」という旨のお返事をくれた記憶があります。そうじゃなくて明日香氏は総量としての事を述べていた筈です。その時私は、近藤氏は彼の理論に同意しない人を並外れたおバカ扱いする方だと思いました。論争を非常に低レベルなものにしていたと思います。そして今度は私に同じおバカ扱いをしたわけです。そうとしか解釈しない近藤氏は先入観の塊だと思いました。私が言いたい事もそうではなくて、量的な話ですが、その事は後述いたします。
 近藤氏はよく記事の中で「(笑)」などと書いたり「読者諸賢には十分お分かりだと思いますが」と書いて、読者に、彼の理論を否定する者を小馬鹿にする賛同を求めてますが、はたしてこのおかし過ぎる「等比級数理論」「CO2循環モデル」に賛同する読者がいるのでしょうか?理解できないか、賛同できない人ばかりだと思うのですが・・・失礼ながら、賛同されてると言う方がいるとすれば「賛同」ではなく「洗脳」されたと思います。・・だっておかしな理論、モデルなのですから、私と同様に「おかしい」と考える方が多くいるんじゃないでしょうか?

 長くなりましたので今回はここまでとし、メインの「頓珍漢な言いがかり」と近藤邦明氏から小馬鹿にされた私の指摘と反論を次回ご紹介させて頂きます。”賢い”近藤邦明氏の難しいご説明を苦にならずに理解できる方は、是非ともリンクを読んでから次回の私の指摘の記事をお読みください。(めんどくさい記述ですが内容は薄いと思います。)しかし、面倒な方は読まなくてもなんら問題はないように近藤氏の主張の内容を簡単にご紹介しながら指摘・反論を書かせて頂きます。(既にほぼ書き終えています。)・・・よろしくお願い致します。


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Comments 4

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guyver1092

足し算と引き算

 高等数学は理論を習っていない上、忘れているので数学的な正しさはわかりませんが、大気中の二酸化炭素濃度の増減と考え、大気中に放出される二酸化炭素量と大気から吸収される二酸化炭素量の引き算になるのだと理解した上で考えると、等比級数理論を持ってくるのは現実に合わないと考えます。
 近藤氏の言うことが正しいなら、大気中二酸化炭素濃度が上がれば上がるほど地表等の二酸化炭素吸収力が上がるということになりますが、どのような作用で二酸化炭素を吸収能力が上昇するのかの説明がないですね。現実の地表では、二酸化炭素を吸収する森林を破壊し、砂漠を増加させて明らかに二酸化炭素吸収力を低下させていますし、気温上昇により、水の二酸化炭素吸収力は下がっているはずです(サイダーの温度が上がると、二酸化炭素が出る)。
 過去の史実から言うと、恐竜時代は二酸化炭素濃度が2000ppmで、その原因は、PT境界の大絶滅時代のプルーム大噴火により継続的に二酸化炭素が大気中に放出されたからだそうです。近藤氏の言うように、自然現象で増える二酸化炭素も人為的に増える二酸化炭素も大気中の振る舞いが同じだとすると、この時代の二酸化炭素濃度も噴火前とそれほど変わらないということになり、この数字は起こりえないということになりますね。

2021/11/28 (Sun) 08:49
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 足し算と引き算

guyver1092様 コメントのしにくい感じの記事へのコメント有難うございます。
近藤邦明氏の「等比級数理論」は、
「毎年人為的に放出されるCO2の量が一定で、毎年その3割が大気中から海や地表に吸収されて、尚且つ一旦大気中から海などに吸収されたCO2は大気中に戻ることは無く、大気中のCO2の増加にも影響しない」
という条件のもとでは、(数学的にも)正しい事です。大袈裟な近藤氏の【CO2循環を理解するための数学的枠組み】の論文など必要なく、単に公比が0.7の無限等比級数の和
1+0.7+0.7^2+0.7^3+0.7^4+・・・・ =3.33・・・・  で済む話です。
しかし、最後の条件「一旦大気中から海などに吸収されたCO2は大気中に戻ることは無く、大気中のCO2の増加にも影響しない」と言うことは明らかにおかしなことなので、「等比級数理論」は取り下げた方がいいですよ・・・と指摘したら、彼は【CO2循環モデルに対する頓珍漢な批判】の中の「頓珍漢な言いがかり②」を彼のHPに書いたのです。その中で彼が述べた「CO2が以前にどのような履歴を経ているかは、大気中のCO2量の結果に影響しませんから、全くどうでも良いことであり、・・」と言う反論(?)も全く的外れです。そもそも私は、人為放出のCO2だけが海から大気中に戻るとは述べていませんし、海に溶けても海(の表層)及び大気中のCO2の分圧の増加に関与する旨を指摘したまでです。

2021/11/28 (Sun) 09:16

まーまま

No title

自分だったら意見が異なる上に攻撃的で品格の無い人とは距離を置いてしまうけれど、雑草Zさんはきちんと向き合う所がすごいと思います。

2021/12/01 (Wed) 19:33
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

まーままさん お気遣いのコメント有難う御座います。

  でも、これは主観の入り込む「意見の相違」ではなく、地球上での現象を記述する「理論が正しいか間違っているか」の議論です。
 実際、この理論で損をするのは誹謗中傷された私ではなく、近藤氏だと思います。下手すれば彼が今まで積み上げてきたものの何割かを崩してしまうんじゃ無いかと危惧しています。この理論の上にたくさん積み重ねてきた近藤氏自身の問題ですけどね。
 近藤氏があまりにも自信を持ってご自分の理論の正しさを主張するもので、もしや私が何か見落としている部分があるのか考えてもみましたが、近藤氏の「頓珍漢な言いがかり②」を読んで、ますます彼が「とんでも理論」を主張していると確信しました。冗談抜きに「頓珍漢な批判」「頓珍漢な言いがかり」は、近藤邦明さんの「等比級数理論」の主張に当てはまると思います。ブーメランってやつですね。
 ちなみに次の記事に書きましたように、その内容は「議論」に値しないような脱力的に単純なことで、何故私が言っている意味を近藤氏が分からないのかが分かりません。何かにとらわれているのでしょう。(とらわれているのが私の可能性も否定はしません。)
私に理解できず不思議であることは、CO2の循環と言いながら炭素Cの循環しか考慮されておらず、大気と海(表層)とのCO2の平衡に関して全く考慮されていないことです。何故でしょう???

2021/12/01 (Wed) 21:44
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
無理に経済成長させようとするから無理に沢山働かなければなりません。あくせく働いて不要なものを生産して破局に向かっているのです。不要な経済や生産を縮小して、少ない労働時間で質素にゆったり暮らしましょうよ!「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト。
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