最も大きな『問題の先送り』
そのような大きな問題の先送りの例をあげてみます。
日本の借金の超過による財政の破綻問題・・・多くの経済学者もお手上げで、無視を決め込んでいます。何とかしようと考えている政治家などは大増税を考慮しているし、経済成長とインフレで実質の借金額を目減りさせようと愚かな事を本気で目論んでいます。まじめに考えれば公共工事の早急なるストップとか、そう言うことをしなければならない筈ですが、痛みを伴った改革と言いながらも、未だに不要な公共工事をせっせと行っています。
原発の放射性廃棄物の処理の問題・・・はじめっから人間の手に負えなかったのに、無責任な原子物理学者が科学の力で解決すると約束して(約束させられて?・)見切り発進してしまいました。・・・だから、多くの人が反対しているのに、国や国に雇われた核燃などの職員たちは、問題の本質には無視を決め込んで、「プルサーマルによるリサイクル」とかいい加減なことを計画して問題を先送りしています。放射性廃棄物を厳重に遮断して地中深くに埋めても・・・半減期に達する遥か以前に地上にまで出てしまう・・・そんな最終処分場にはどこも名乗りを上げたがらないし・・・その間にも処理の不可能な放射性核廃棄物は、排出され続けるのです。
・・・やはりこの放射性廃棄物が最も大きな問題の先送り?・・・と言いたいところですが今回は、これらを包括するもっと大きな問題の先送りを考えます。
それは、経済成長スパイラルです。前回書いたように経済成長スパイラルは、続けることは不可能です。そして、経済成長スパイラルの塔が高くなればなるほど崩壊する時の衝撃は大きくなります。
だから、今すぐにでも経済成長スパイラルからは抜け出すべきですが、世界はその方向に動き出していません。世界の指導者達・・経済ファシスト達・・は、経済成長を維持出来ると考えているようです。・・根拠は、短い経験からか、無限の資源を基本に始まる経済学を信じてか・・・実際は問題の先送りをして、その間にも破局のエネルギーは溜まっていくのです。
かなり困難な事ではありますし、大きな犠牲も出るでしょうが、直ぐにでも人間が自らの手で経済成長スパイラルを止めて、出来るだけ安定にランディングさせるべきです。
この調子で経済成長スパイラルを放置しておくと、最悪のシナリオ・・人間の手に負えない経済スパイラルの大崩壊・・・カタストロフィーが始まり、人類は絶滅に追い込まれるでしょう。
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