雑草の言葉

最も大きな『問題の先送り』

2007/10/27
Economic Fascism 4
 現在世界中色んな重要な問題の先送りが成されています・・・・必ずいつか議論しなければならない問題の先送り・・・・先送りすればするほど問題は大きくなり、さらに解決不可能になっていきます。仕方がなくさらに先送りすることになってしまいます。多くの当事者達が無責任にも他人事のように・・あたかもその問題を考える人々は愚か者のように・・先送りされてきた問題の無視を決め込んでいます。

そのような大きな問題の先送りの例をあげてみます。

 日本の借金の超過による財政の破綻問題・・・多くの経済学者もお手上げで、無視を決め込んでいます。何とかしようと考えている政治家などは大増税を考慮しているし、経済成長とインフレで実質の借金額を目減りさせようと愚かな事を本気で目論んでいます。まじめに考えれば公共工事の早急なるストップとか、そう言うことをしなければならない筈ですが、痛みを伴った改革と言いながらも、未だに不要な公共工事をせっせと行っています。

 原発の放射性廃棄物の処理の問題・・・はじめっから人間の手に負えなかったのに、無責任な原子物理学者が科学の力で解決すると約束して(約束させられて?・)見切り発進してしまいました。・・・だから、多くの人が反対しているのに、国や国に雇われた核燃などの職員たちは、問題の本質には無視を決め込んで、「プルサーマルによるリサイクル」とかいい加減なことを計画して問題を先送りしています。放射性廃棄物を厳重に遮断して地中深くに埋めても・・・半減期に達する遥か以前に地上にまで出てしまう・・・そんな最終処分場にはどこも名乗りを上げたがらないし・・・その間にも処理の不可能な放射性核廃棄物は、排出され続けるのです。

・・・やはりこの放射性廃棄物が最も大きな問題の先送り?・・・と言いたいところですが今回は、これらを包括するもっと大きな問題の先送りを考えます。

 それは、経済成長スパイラルです。前回書いたように経済成長スパイラルは、続けることは不可能です。そして、経済成長スパイラルの塔が高くなればなるほど崩壊する時の衝撃は大きくなります。
 だから、今すぐにでも経済成長スパイラルからは抜け出すべきですが、世界はその方向に動き出していません。世界の指導者達・・経済ファシスト達・・は、経済成長を維持出来ると考えているようです。・・根拠は、短い経験からか、無限の資源を基本に始まる経済学を信じてか・・・実際は問題の先送りをして、その間にも破局のエネルギーは溜まっていくのです。

 かなり困難な事ではありますし、大きな犠牲も出るでしょうが、直ぐにでも人間が自らの手で経済成長スパイラルを止めて、出来るだけ安定にランディングさせるべきです。

 この調子で経済成長スパイラルを放置しておくと、最悪のシナリオ・・人間の手に負えない経済スパイラルの大崩壊・・・カタストロフィーが始まり、人類は絶滅に追い込まれるでしょう。  
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Comments 4

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aguri

はじめまして

aguriさんのブログ:素人の農業体験です。コメントありがとうございました。18世紀産業革命以来、人類は豊かさの定義をペーパーマネーによる工業製品の生産と消費をいかに増加させるかが主体と勘違いしてきました。それは、いまなお世界中にある貧困の現実から、そう考えても仕方がなかった部分はあったかも知れません。

しかし、一方経済学の発達は地球の資源が無限、そして環境破壊などないとの前提で発達してきた学問です。これから私達が迎えようとしている未来の地球がどうなるか、こんなことは最近やっと考え始めたところです。

このような問題を、環境、農業分野に視点を置くことによって色々なことが感じ見え始めてきたところです。残念ながら、まだまだ環境、農業分野に無関心な国々、政治家、国民が多いのに危機感を感じます。

2007/10/28 (Sun) 18:38

はすざわ

 はじめまして。時々蝦夷縞さんの掲示板に
投稿させていただいています。

 エコファシズム=エコロジーの衣をまとったエコノミー
(経済)ファシズム、良い定義ですね。ビビッと(笑)
きました。使用許可をいただけますか?(笑)

 おっしゃる通り、これからの経済学は無限大の環境
(廃棄場)を前提とした理論の組み立てを「廃棄」すべき
だと思うのですが、今も一般には経済成長がまず前提の
議論ばかりで、まともに読了する気になれません。

 槌田さんがかつていわれた、「一般に成長はどこかで
止めなければならない。それに失敗すれば破局があるだけ
である」(「石油と原子力に未来はあるか」)という言葉
その通りだと思うのです。

 かつて学問は「人間はこんなこともできる、あんなこと
もできる」というのが仕事だったような気がするのですが、
これからの学問=自然科学と言わず社会科学と言わず=に
必要なのは、「人間の限界(あれはできない、これも
できない)」を合理的に説明することではないかと思う
のです。まあ、あまり楽しい作業ではないかもしれませんが。

 そして、その根幹となるのが、おそらく熱学第2法則
ということになるのでしょうね。

 これからも期待しています。

2007/10/29 (Mon) 14:09

雑草Z

GDPで豊かさをはかる愚かさ

aguriさま

 食料自給率、日本の農業を憂えている事が一致していたので訪問させて戴きましたが、そればかりでなく
 無限の資源と言う事を前提に、環境問題などを考慮しないで展開した、『出発点から間違っている経済学の愚かさと』言う点でも同じ考え方で一致していたようで嬉しく思います。
>18世紀産業革命以来
の価値観をいまだに絶対だと思い込んでいる輩が多くて困ったものです。GDPは、人間の豊かさよりも、人間が自然に与える環境負荷のほうをよくあらわしています。
 この期に及んで、実質、工業優先、農業冷遇の政策をしている日本政府も本当に場当たり的でどうしようもないと思います。
グローバリゼーションは持続可能な社会の構築を破壊致します。
自給自足は基本です。
実際に農業をはじめたaguriさんの今後の動向を楽しみに致しております。

 
 

2007/10/29 (Mon) 23:05

雑草Z

槌田敦さんの定義とは異なりますが・・

はすざわさま 

 はじめまして、
「蝦夷縞さんの掲示板」は、近藤邦明氏から紹介されて、数回訪問したことがあります。書き込みした事はありません。
はすざわさんの書き込みはどのようなものかと今見てみたところ、たまたま、つい先日訪問して、面白いなと思った書き込み No 1805 が、はすざわさんでした。
>「ノーベル政治賞(政治ショー?)」
 ってのも面白いですし、
>CO2温暖化論の唯一の「証拠」であるシュミレーション結果に対する「妄信」じゃなかった、「コンセンサス」
 ってのも、言い得てますね。

気候は複雑系のカオスで、CO2温暖化説は、立証も当分不可能でしょうが、同様に反証も不可能でしょう。(懐疑論者に立証の義務はありませんが・・・)これにはかなりの労力を費やし、時間もかかるでしょう。
 私は、反エコ・ファシズム(勿論、私の定義のほう)に力を入れます。

 さて、「エコ・ファシズム」なる言葉は、私は槌田敦氏の本で初めて見ましたが、彼の定義は、
Ecologic Fascism 環境ファシズム ですが、
私は、特に日本では、そんなファシズムは存在しないと考えますので・・・似非環境ファシズムらしきものは存在するかも知れませんが・・・・
代わりにEconomic Fascism 経済ファシズムを定義させて戴きました。こちらのファシズムは、ナチスより遥かに強力かと・・詳しくは、
【エコファシズムを定義する】
http://zassou322006.blog74.fc2.com/blog-entry-168.html
を見てくださいね!!
ご使用の際には、どちらの定義かご注意ください(笑)
まあ、一般的に言ったら槌田さんの「環境ファシズム」でしょうね。でも、「経済ファシズム」こそ、ファシズムの定義に合ってると思いませんか?

熱力学第2の法則による
>「人間の限界(あれはできない、これもできない)」を合理的に説明すること

>あまり楽しい作業ではないかもしれませんが。

との事ですが、
「無限の可能性」なんて言葉は成長神話の洗脳でしょう。
余分なものを作らずにすむのですから、本来は、時間に追われず怠けられるお気楽な事かも知れませんよ。

 これからも宜しくお願い致します。

2007/10/30 (Tue) 00:08
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
無理に経済成長させようとするから無理に沢山働かなければなりません。あくせく働いて不要なものを生産して破局に向かっているのです。不要な経済や生産を縮小して、少ない労働時間で質素にゆったり暮らしましょうよ!「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト。
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