医薬品/医療機器メーカーのテルモは,医薬品メーカーであるエーザイの子会社で,カテーテルなどの医療機器の開発・製造・販売を手掛けるクリニカル・サプライ(岐阜県各務原市)を買収する。エーザイが保有するクリニカル・サプライ株すべて(クリニカル・サプライの発行済株式の84.8%)を2008年6月30日に譲り受け,2009年1月にはクリニカル・サプライの社名を「テルモ・クリニカルサプライ株式会社」に変更する予定という。買収金額は非公開。
クリニカル・サプライは,血管造影カテーテルやマイクロカテーテルなど,放射線科領域の製品に強みを持つ。年間売上高は29億円(2006年度実績)で,従業員は215人(2008年4月現在)。エーザイは,医薬品事業に経営資源を集中させる方針で,医療機器メーカーであるクリニカル・サプライの売却を決めた。
一方,テルモは,血管を通じて各種の診断や治療を行うカテーテル製品を最も重要な成長事業の1つと位置づけている。これまでは主に心臓の診断/治療分野に注力してきたが,クリニカル・サプライを傘下に加えることで,肝臓の診断/治療分野の強化を図る。これまで国内のみで販売してきたクリニカル・サプライの製品をテルモの海外拠点を通じて販売していくことで事業の拡大を目指す。