日本ヒューレット・パッカード(HP社)は,ヨドバシカメラが5月末に稼動予定のパッシブ型UHF帯無線タグ(RFIDタグ)システムの実地での動作検証を行い,業務フローの点でも読み取り率の点でも業務に十分耐えうるパフォーマンスを発揮することを確認したと発表した(発表資料)。
ヨドバシカメラは,神奈川県川崎市にある同社の新物流センターにUHF帯無線タグを大規模に導入し,2006年5月末に駆動させることを2005年9月に明らかにしており,システムの導入をHP社に委託していた(日経エレクトロニクス誌の関連記事)。日本でのUHF帯無線タグは,電波干渉で大規模なシステムが組めないのではという懸念が一部にあったが,今回の発表はそうした懸念が全てのケースで当てはまるわけではないことを示している。。
8台のリーダーを利用
今回検証したのは,無線タグの読み取りと,無線タグのリーダーの動作を制御すると共に読み取った情報を在庫管理に利用するための「タグ情報管理システム」の動作。無線タグにはUHF帯を利用するものの中で米EPGglobal,Inc.が策定した仕様「Class 1 Generation 2 UHF Air Interface(Gen2)」と,日本の総務省が2006年1月に電波法で対応を義務化した電波干渉回避技術「LBT(listen before talk)」を実装した製品,リーダーには米Symbol Technologies,Inc.の製品8台を利用した。アンテナは32基である。
タグ情報管理システムは,今回の検証ではHP社のサーバー機「HP ProLiant DL580 G3」上にシステムを再現して動作を確認した。無線タグを貼付した納品物の倉庫への搬入,無線タグ情報の読み取り,サーバー上での無線タグのコード番号と,購買/在庫管理システムの出荷情報との照合や検品,といった一連の業務フローをさまざまなパターンで検証したという。「500個の大量同時納品」や「100%近い読み取り率」(同社)も確認したという。