住信SBIネット銀行は2022年7月25日、システム障害により法人向け振り込みサービスの一部が利用できなくなったと発表した。サービスは復旧したが、約5000件の振り込みが遅延した。25日中に対応を終えるのは難しい見込みで、影響を受けた二百数十社の顧客と個別に調整する。
遅れが発生したのは、法人から受け付けた大量の振り込みデータを一括して処理する「総合振込サービス」である。同行によると、システム障害の原因は同サービスの受付システムと勘定系システムとをつなぐルーターの障害という。
同サービスの遅延とは別に、25日午後3時42分ごろから午後4時12分ごろにかけて、振り込みサービスも一時的に停止した。日本の銀行間送金のオンライン処理システムは、平日午前8時30分から午後3時30分までをカバーする「コアタイムシステム」と、平日夜間・土日祝日を担当する「モアタイムシステム」の2種類があり、同行が両システムへの接続を切り替える処理で、何らかの不具合を発生させた可能性がある。
同行は2022年7月23~24日に勘定系システムである日本IBMの「NEFSS」を更改した。更改はハードウエアの刷新が中心で、システムのアーキテクチャーは大きく変更していない。今回障害が発生したルーターは勘定系更改に合わせて交換したものだったという。
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