興洋学園
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 16:39 UTC 版)
香川県代表。甲子園こそ初出場だが野球王国の四国で野球部創立53年を数える名門私立校。この夏の大会に出場するまでは長く低迷していたが、「雑草軍団」と称される非エリートの中学生を受け入れ彼らが高校生となって成長し、かつ問題選手の受け入れと引き替えに関西地方の選手を斡旋するパイプを得て香川県で初優勝を果たす。ただし地元選手がレギュラーに一人として入っていない事から県下では「傭兵軍団」と揶揄されている。今大会、優勝候補の津軽明星を下して初出場でベスト8に進出した。 琴平(ことひら) 監督。過去には屋島実業の小柄な四番打者として22年前に甲子園の土を踏むも、後にプロで活躍した投手である宮島にノーヒットノーランを許した最後の打者となる。最後のストライクを見逃し悔しさの余りバッターボックスにて泣き崩れ黒土を叩く姿が、NHK等テレビでも毎年甲子園の名場面として繰り返し放映され、周囲の人間から陰口を叩かれたり嘲笑されたりするきっかけになってしまった。大学でも社会人でも野球を続けドラフト候補に挙がった事もあったが、現在は興洋学園で監督として指揮を執り22年前の捲土重来を期する。 コンプレックスの塊で、他チームの監督などの言動を悪意あるものに解釈しがちである。また選手からは監督としてあまり敬われているわけではなく、指示に従わず今一つ野球に本腰を入れない選手達に内心、燻ったわだかまりを抱いている。選手達も選手達で監督の琴平よりキャプテン高松の指示によく耳を傾ける。 彩学戦では待球策を指示するが独自の考えという訳ではなく、ベスト16戦の対戦相手、帝大一高の監督、赤羽が待球策を積極的に採用した点から日高に不安有りとドミノ式に推察して踏襲。赤羽のように当初、待球策に確証があった訳ではなかったがその後、試合の展開から待球策に突破口ありと確信する。 佐野(さの) 投手。大阪一の問題児といわれた素行不良の投手。どの高校からも受け入れを断られ一年を棒に振った末、他の選手と抱き合わせで興洋学園に入学する。結果、年齢は当年で満18歳ながら学年は一つ下の二年生で在籍している。打順は六番。詩織から付けられた渾名は「ギロ目野郎」。 とにかくやんちゃで勝ち気でなおかつ短気な性格(周りからはドSとも)。サウスポーで球速は130km/h台後半。持ち球はスライダーにスローカーブ、チェンジアップ。突出した能力こそないものの1球ずつ打者に合わせてリリースのタイミングを変えるなど、投球術や駆け引きに優れている。その駆け引きは打撃にも生かされ、津軽明星戦では岸和田の揺さぶりを物ともせず、岸和田のリードを逆読みしてサヨナラ打を放ち、完封勝利を果たした。 津軽明星を破ってからというもの、代わる代わる行われるマスメディアの持ち上げに辟易している。 在学年が実年齢より一つ下なのは、中学生時代に進学予定の甲子園出場高校(豊臣学館)で練習試合に特別出場中、満塁策の指示に逆らって先輩の野手に頭突きをし、これを問題視され辛辣な言葉をかけられた野球部部長を殴りつけ、進学辞退の上で別の高校を紹介しようと提案した校長まで殴りつけるという不祥事を起こし、進学先が宙に浮いてしまった結果である。 この過去からも判る通り一度、挑発されたりして頭に血が上ると視野狭窄に陥る癖もあり、ムラがある選手ともいえる。また、バッターとの勝負に拘りを見せるあまり走者の揺さぶりに動揺しやすい性格をしている。 河内(かわち) 捕手。四番を打つ打撃センスに溢れた恰幅の良い選手。しかし忍耐に欠け東北の強豪校から僅か三日で送り返されてきた所を、シニアの監督経由で興洋学園に入学する。興洋学園の選手パイプはこのシニアの監督から起因している模様。 太めのあんこ型体格だが動きは機敏で肩もすこぶる強い。 タロー・フェルナンデス 中堅手。俊足堅守好打の三拍子揃った三番打者。地元のオートバイ部品工場で働く日系ブラジル人の息子。周囲の友人が全員、サッカーに興味を引かれる中で何故か本人だけ野球にのめり込む。非常に陽気な性格でマイペース。素直な性格なのだが自分の気分を優先して指示を守らないこともしばしばで、加えてこのところ佐野に影響されてきたと別の意味で琴平監督を悩ませている。優れた身体能力を持ち11打数6安打の甲子園成績。守備でも度々ファインプレーを見せ、肩も良い。サイガク戦ではセンターの深い位置で捕球したフライを中継無しで一塁に送球しダブルプレーにした。またそのまま見送ればホームランであった打球をフェンスに乗り上げ捕球するなど、抜群の運動神経を誇る。特に剛士の長打三本を全てアウトにしている点から、長打に対する防御力は極めて高い。しかし、九回裏ワンナウトで飛び出した日高の長打にまで野球の女神は微笑まなかった。 因みに柔術も得意らしい。監督の指示に従わなくても結果が出れば口癖の「問題ないっしょ」で済ませる自由人で、フェルナンデスの話では彼以上のスラッガーで興洋学園に進学を希望している双子の弟(ジローとサブロー)がいるとの事だが、恐らくその自由度も彼と同等かそれ以上だろうと今から監督の琴平を悩ませている。 倉敷(くらしき) 三塁手。一番バッター。 福知山(ふくちやま) 右翼手。二番バッター。九回裏の守備でフェルナンデスが捕球し損なったプレイのカバーに入ったが、送球が乱れショートバウンドしたボールを中継の備前が逸らしてしまう。 摂津(せっつ) 遊撃手。五番バッター。サイガク戦で二度のファインプレーを見せるが、最終回の守備で勝ちを焦り慣れない慎重なプレーをした結果が徒となり失策、送球も暴投してしまう。加えて上福岡の打球を処理しきれず弾き、野選で彩学二塁ランナーの入間を三塁に進めてしまったことにより、守備のほつれが起きた。その結果、チームの逆転サヨナラ負けにつながってしまう。 尼崎(あまがさき) 一塁手。七番バッター。 江田島(えたじま) 左翼手。八番バッター。 備前(びぜん) 二塁手。九番バッター。 高松(たかまつ) キャプテンながらベンチで伝令として監督と選手の意思疎通役として勤しむ。非常に真面目な性格で琴平からも「少しは高松を見習え」と自らの選手像の鑑として扱われている。控えに甘んじているが野球に関する洞察も観察力も鋭く、琴平の良き理解者として監督の指示に従わない選手達を統率する。
※この「興洋学園」の解説は、「ラストイニング」の解説の一部です。
「興洋学園」を含む「ラストイニング」の記事については、「ラストイニング」の概要を参照ください。
- 興洋学園のページへのリンク