文明開化とは? わかりやすく解説

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ぶんめい‐かいか〔‐カイクワ〕【文明開化】

読み方:ぶんめいかいか

世の中開けて生活が便利になること。特に明治初期西洋文明積極的に模倣し急速に西洋化近代化した現象


文明開化

読み方:ブンメイカイカ(bunmeikaika)

明治初期政府が行った近代化政策に伴う社会現象


文明開化

作者林房雄

収載図書青年・文明開化
出版社夏目書房
刊行年月2003.11


文明開化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/11 03:00 UTC 版)

文明開化(ぶんめいかいか)とは、明治時代日本西洋文明が入ってきて、制度や習慣が大きく変化した現象のことを指す。さらに、「西洋のものだからええやろ」という考えすら出ていた。

近代化西洋化そのものは明治時代に於いて一貫した課題であったが、文明開化という言葉は、一般に明治初期に、世相風俗がこれまでの封建社会から大きく変わった時期を指して使われる。その社会が変化していく時代を強調し「開化期間(かいかきかん)」、「御一新(ごいっしん)」とも呼ばれる。文明開化は日本の発展につながった。

概要

3代歌川広重「東京名所之内 銀座通煉瓦造 鉄道馬車往復図」(1882年)

「文明開化」という言葉は福沢諭吉が『文明論之概略』明治8年(1875年)の中で、civilizationの訳語として使ったのが始まりである。この中では単純に西洋の文化・風俗を模倣したものから、或いはそれら文化や風俗を手本としながら日本の既存文化との融合を図ったもの、さらには既存文化を西洋風にアレンジしたものなど多岐に渡り、過渡期的には熱病の如き流行となって様々な社会階層に受け入れられていった。

この時代を象徴する言葉として有名なものに「散切り頭を叩いてみれば、文明開化の音がする」という言葉[注釈 1]があり、散切物と呼ばれる歌舞伎芸能の新形態発生などといった現象がみられ、仮名垣魯文の『安愚楽鍋』にある「牛鍋食わぬは開化不進奴」(現代風に意訳すれば「牛鍋を食わないとは、とんでもない時代遅れな奴だ」)といった食文化の変化などが、大衆の生活にも取り入れられていった様子が窺える(後述)。

明治新政府が推進した殖産興業富国強兵脱亜入欧などの一連の政策の推進や西洋建築(→西洋館擬洋風建築)、散髪、洋装、洋食などの奨励がみられる。ただ、こういった西洋化は都市部や一部の知識人に限られた西洋文明の摂取でもあったとも指摘されており、地方町村部では場所により昭和に入る頃まで明かりといえば菜種油行灯を灯し、郵便電信など西洋化の恩恵は中々届かず、また長らく江戸後期の伝統や風習が続くなど、生活の変化は遥かに緩やかなものであった。

開国以来、日本を訪れた外国人によって日本の習俗は好奇な視点で報じられていた。西欧化を目指す明治新政府は新しい日本を誤解されないために、日本土着の習俗や信仰を「悪弊」「旧習」と呼び、民衆の「迷蒙」を啓くための政策を取った[1]。新政府の方針に従い自治体主導で従来の生活文化や民俗風習の排除が行われ、文明開化政策の影響で縮小や途絶した民俗風習も多い。例えば、明治5年の太陽暦の導入によって、七夕初盆など太陰太陽暦農事暦によって定められていた「遊び日」は改良された。また、廃仏毀釈とともに、明治6年の教部省の通達によって山伏などの加持祈祷シャーマニズムは公には認められなくなった。さらに、和人文化だけに止まらず、刺青イオマンテ熊送り)などが禁止されアイヌ文化琉球の文化にも影響を与えた。明治5年に東京府が布達した違式詿違条例では、屋外で裸体になることや、理由の無い女性の断髪は軽罪とされるなど、風俗を一様にするための事細かい規定が設けられ、開化政策の影響は生活の隅々に及んだ[1]

なお、急速な西洋化の一端には、西洋列強国が当時盛んに植民地経営で、莫大な富をアジア諸国から吸い上げていたことに対する危機感も見出される。[要出典]この中では、上に挙げた富国強兵の一環で西洋軍事技術の導入も盛んに行われ、軍隊では兵隊の腕力や体力を強化する目的で、提供される食事(軍隊食)までもが西洋化された。ただ、当時発足したばかりの日本軍は地方農村部などの次男・三男を集めた集団であり、米飯日本食で育った彼らの中には、あまりに異質な西洋の料理に対して拒否感を示す者も見られた。このため海軍などでは米飯とカレーを組み合わせる・肉じゃがのように醤油味の折衷料理を開発するなど工夫を凝らした。カレーライスは後に横須賀海軍カレーとして、また肉じゃがのような料理も軍港周辺部へと広がっていき、時代を下って昭和時代にもなると、一般的な家庭の味として広く受け入れられている[2]

文明開化に関する事象

制度の近代化

交通・通信

建築・都市

官営工場

人名

服飾文化

  • 明治4年(1871年)に断髪令が出された。 - 「半髪はんぱつあたまを叩いてみれば因循姑息いんじゅんこそくの音がする。総髪そうはつあたまを叩いてみれば王政復古の音がする。散切頭ざんぎりあたまを叩いてみれば文明開化の音がする。」
  • 廃刀令
  • 軍隊の制服
  • 洋服
  • こうもり傘

食文化

教育

ジャーナリズム・出版

舞台芸術

お雇い外国人

脚注

注釈

  1. ^ 当時の流行り歌(都々逸)に由来し、この言葉に連なる言葉には「ちょんまげ頭を叩いてみれば因循姑息(いんじゅんこそく)の音がする」と「総髪頭をたたいてみれば、王政復古の音がする」というのがある。

出典

  1. ^ a b 奥 1993, pp. 6–43.
  2. ^ 橋本直樹『食卓の日本史 和食文化の伝統と革新』勉誠出版

参考文献

関連項目

外部リンク


文明開化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 15:37 UTC 版)

鬼畜系」の記事における「文明開化」の解説

16世紀半ば始まったヨーロッパとの交流は、江戸時代(1603 - 1868年)には鎖国によって細まったが、黒船来航1853年)および明治維新1868年)後には再び強力に推進された。日本幕末・明治時代相当する欧米ビクトリア朝時代は、市民革命イギリス革命アメリカ革命フランス革命)・産業革命もたらした急速な社会変革民主化資本主義化)が進んだはけ口か、様々な悪趣味不気味な習慣知られていた。文明開化の裏側では、これらの習慣何らかの形で日本にも伝わった1839年実用的な写真技術発明され以来そのような奇怪な物の写真髭の生えた女性シャム双生児小人症、4本足の人物など)や排便、ヌード・ポルノ写真児童ヌード数多く制作されていた)も巷に出回り人々好奇集めていた。19世紀終盤映画発明されると、すぐにポルノ映画地下制作されるようになったが、欧米日本では公権力の下では非合法だった以前絵画表現されていた死の風景残酷描写写真記録としても残されるようになったことで、外科手術(癌で顔面奇形化した写真多々残されている)、事故殺人事件戦争南北戦争ではすでにカメラ広く商用化されていたため、千切れた手足損壊した顔面など多く肉体損傷写真残されている)、果ては清朝時代の残酷極まりない拷問写真(特に凌遅刑) や死体写真出回るようになったその他にも、故人生きているかのようにポーズ取らせて写真を取ることも流行した が、これは葬儀の風習一貫である。1880年からから商用使われ始めたハーフトーンという印刷法によって、白黒写真雑誌印刷できるようになったことでヌード写真雑誌掲載できるようになったが、同様にグロ写真一般出版物として写真集雑誌の形で発行されていたかは、追加調査が必要で待たれる

※この「文明開化」の解説は、「鬼畜系」の解説の一部です。
「文明開化」を含む「鬼畜系」の記事については、「鬼畜系」の概要を参照ください。

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