クロムさん‐こんえき【クロム酸混液】
クロム酸混液
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/24 14:36 UTC 版)
クロム酸混液(-さんこんえき)は六価クロムを硫酸水溶液に溶解することによって調製される酸化剤である。50%程度の硫酸水溶液にクロム酸塩を溶解したクロム酸混液は実験室においてガラス器具に付着した不溶性の有機化合物を分解除去するために使用されてきた。しかし六価クロムは環境への負荷が高く、廃液の処理の問題から現在では使用されることが少なくなっている。 反応に使用するクロム酸混液としては、1889年にE. Beckmannによって報告された二クロム酸カリウムを15%程度の硫酸水溶液に溶解したベックマン試薬(Beckmann reagent)や1901年にH. Kilianiによって報告された二クロム酸ナトリウム二水和物を20%程度の硫酸水溶液に溶解したキリアニ試薬(Kiliani reagent)がある。これらは現在ではベンジル位メチル基をカルボン酸に酸化するのに使用される。アルコールの酸化にも使用されていたが、現在はよりスムーズに反応することが多いジョーンズ酸化にとって代わられている。 また硫酸水溶液の代わりに酢酸を溶媒とした六価クロム化合物も酸化剤として使用されている。これらはアルコールの酸化の他、アリル位、ベンジル位のメチレン基のカルボニル基への酸化に使用される。
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