ジョーンズ酸化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 06:02 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動有機化学の分野において、ジョーンズ酸化(ジョーンズさんか、英: Jones oxidation)とは、クロム酸を使って1級または2級アルコールをカルボン酸またはケトンに酸化する化学反応をいう[1][2][3][4][5][6][7]。この反応に使われる酸化剤、無水クロム酸の希硫酸溶液はジョーンズ試薬と呼ばれる。
クロム酸は目的物をさらに酸化する酸化力を持つが、アセトンを溶媒として使用することにより、過剰に存在するアセトンが優先して酸化されるため過剰反応を抑えることができる。クロム酸による酸化は速度が速い発熱反応である。ジョーンズ試薬が不飽和結合を酸化することはあまりない。
脚注
- ^ Bowden, K.; Heilbron, I. M.; Jones, E. R. H. (1946). “13. Researches on acetylenic compounds. Part I. The preparation of acetylenic ketones by oxidation of acetylenic carbinols and glycols”. J. Chem. Soc.: 39. doi:10.1039/jr9460000039.
- ^ Heilbron, I. M.; Jones, E. R. H.; Sondheimer, F. (1949). “129. Researches on acetylenic compounds. Part XV. The oxidation of primary acetylenic carbinols and glycols”. J. Chem. Soc.: 604. doi:10.1039/jr9490000604.
- ^ Bladon, P; Fabian, Joyce M.; Henbest, H. B.; Koch, H. P.; Wood, Geoffrey W. (1951). “532. Studies in the sterol group. Part LII. Infra-red absorption of nuclear tri- and tetra-substituted ethylenic centres”. J. Chem. Soc.: 2402. doi:10.1039/jr9510002402.
- ^ Jones, E. R. H (1953). “92. The chemistry of the triterpenes. Part XIII. The further characterisation of polyporenic acid A”. J. Chem. Soc.: 457. doi:10.1039/jr9530000457.
- ^ Jones, E. R. H (1953). “520. The chemistry of the triterpenes and related compounds. Part XVIII. Elucidation of the structure of polyporenic acid C”. J. Chem. Soc.: 2548. doi:10.1039/jr9530002548.
- ^ Jones, E. R. H (1953). “599. The chemistry of the triterpenes and related compounds. Part XIX. Further evidence concerning the structure of polyporenic acid A”. J. Chem. Soc.: 3019. doi:10.1039/jr9530003019.
- ^ Djerassi, C.; Engle, R.; Bowers, A. (1956). “The Direct Conversion of Steroidal Δ5-3β-Alcohols to Δ5- and Δ4-3-Ketones”. J. Org. Chem. 21 (12): 1547-1549. doi:10.1021/jo01118a627.
参考文献
- Ley, S. V.; Madin, A. (1991). Comp. Org. Syn. 7: 253-256. (Review)
- E. J. Eisenbraun (1965). "Cycloöctanone". Organic Syntheses (英語). 45: 28.; Collective Volume, 5, p. 310
- J. Meinwald, J. Crandall, and W. E. Hymans (1965). "Nortricyclanone". Organic Syntheses (英語). 45: 77.; Collective Volume, 5, p. 866
関連項目
ジョーンズ酸化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/02/09 04:03 UTC 版)
「第一級アルコールからカルボン酸への酸化」の記事における「ジョーンズ酸化」の解説
硫酸水溶液に三酸化クロムを溶かすとクロム酸 (H2CrO4) を含む赤みを帯びた溶液となる。これがジョーンズ試薬である。ジョーンズ試薬をアセトンの一級アルコール溶液に加えると(ジョーンズにより初めて報告された)、一級アルコールがカルボン酸に酸化される。この古典的手法は相当な量のエステルが形成するにも関わらず頻繁に使われている。 HollandとGilmanは、この副反応は第一級アルコールのアセトン溶液をできるだけ希釈したジョーンズ試薬に加えるという、"逆に添加する"手法にすることにより抑えられることを証明した。 ジョーンズ試薬を第二級アルコールとも反応しケトンを生じる。第一級および第二級アルコールを含む化合物にジョーンズ試薬を反応させるとケト酸が生成する。
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