「カスタマージャーニーマップ」と「エクスペリエンスマップ」の違いとは?
(2020/11/08 更新)
UXデザイン, サービスデザイン |
エクスペリエンスマップ, メソッド
こんにちは、@h0saです。
いきなりですが、業務でUXに関わっている皆さんは下のような図を何と呼んでいますか?
引用:Customer Journey Map as a Tool in Continuous Improvement
1. カスタマージャーニーマップ (Customer Journey Map)
2. エクスペリエンスマップ (Experience Map)
3. UXマップ (UX Map)
4. …
上記のどれかに当てはまったでしょうか。もしかしたら、特に意識せずにその場に合わせて1,2,3のどれでも使っている人もいるかもしれません。
Googleでそれぞれ検索してみると、以下のようなヒット数になりました(2015年5月13日現在)。
- “カスタマージャーニーマップ” – 10,700件
- “エクスペリエンスマップ” – 867件
- “UXマップ” – 4,240件
- “Customer Journey Map” – 2,240,000件
- “Experience Map” – 113,000件
- “UX Map” – 5,140件
これを見ると、日英ともに「カスタマージャーニーマップ(Customer journey Map)」が多く使われていることがわかります。
一方で、日本語では「エクスペリエンスマップ」が少なく、英語では「Experience Map」が多いですね。
さて、なんとなく似ているこれらの言葉ですが、実際のところ「カスタマージャーニーマップ(Customer journey Map)」と「エクスペリエンスマップ(Experience Map)」に違いはあるのでしょうか?
微妙なニュアンスの違いがある
UX Agencyの雄、Adaptive Path (今は Capital One の一員ですね)の資料によると、以下のニュアンスで使い分けるようです。
- Customer Journey Map: A specific archetype journey
– 特定の代表的な経験 - Experience Map: A generalised experience
– 一般化された経験
つまり、カスタマージャーニーマップはより特定の・限定された行動を、エクスペリエンスマップはより一般化・パターン化された行動を可視化している図、と捉えられます。
前者はなんとなくペルソナが見えていて、後者はペルソナが見えない、という感じでしょうか。
微妙なニュアンスの違いですね。
おわりに
以上、「カスタマージャーニーマップ」と「エクスペリエンスマップ」のちょっとした違いに触れてみました。
が、この記事を書いておいてなんですが、あんまり厳密に使い分ける必要はないと感じました。言葉はどれでもよく、大事なのはマップを作ることでチームが同じ認識を持てること、同じ方向を向けることです。感情曲線を使っていれば、呼び名は「へびさんマップ」でもいいんです。
というわけで、ややトリビア的な投稿となりました。
参考書籍
こちらの本は今回触れた “Customer Journey Maps” や “Experience Maps” はもちろん、”Service Blueprints” や “Mental Model Diagrams” まで詳しく紹介されています。図や写真も多く、お薦めです。早く日本語訳が出版されること期
追記:日本語訳も出版されました!