ランタンの修理
- 2022/04/27
- 20:25
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私の父から、このランタンを直せないかと渡されました。
ニートに直せるわけないじゃないか、と思いつつも、記事にもなるしやってみました。
ランタンの仕様です。
- ブランド:コールマン
- 中国製
- 乾電池式 (単一が6本)
- 4ワット直管蛍光灯2本
これは20年くらい前の製品で、発光ダイオード (LED) が主流になるひとつ前の世代のものです。(ちなみに、もっと前はオイルやガス式だったようです)
これ、最後に使ったのは16年以上前です。あの頃は、今と違って家計に余裕があり、夏には海水浴やキャンプに連れて行ってくれたものです。今では考えられない、ほんとに良い時代でした。
本題に戻ります。
まず、どこが壊れているかわからないものは、次の手順で確認しながら修理していきます。
- 電池 (向き・電池切れ)
- 蛍光灯 (球切れ)
- 接点・端子 (緩み・サビ)
- 内部配線 (ハンダ切れ)
- 基板の部品 (故障・破損)
この順番が重要です。
いじりにいじって、実は電池切れでしたということもあります。
さっそく、いろいろと確認します。まずは電池。
ん?
電池のプラス極がみんなこっちを向いて入っていました。原因はこれか。
このようにプラスとマイナスを入れ替えました。で、スイッチオン。
点かない……
他にも原因があるようですね。次は電池切れの確認。
テスターで一気に電圧を測定しました。良さそう。(厳密には、この方法では、電池切れの確認はできません)
ほかに単一の乾電池6本なんて持っていないので、これをそのまま使います。
次は、蛍光灯の確認です。
電球と違って、蛍光灯は内部が見えませんから、切れているかはわかりません。
ですから、別の切れていない蛍光灯を用意しました。さっそく、それらと交換です。
え、取れた……
で、切れていないのと交換後に再びスイッチオン。
点かない……
次は、接点や端子です。緩みがあれば増し締めし、サビや汚れがあれば表面を磨きます。
さっそく、真ん中のナットがサビています。しかも、ゆるゆるでした。
どうせなら新しいナットに交換しようとも思ったのですが、なんと “インチねじ” でした。
インチねじ (左) の山とミリねじ (右) の山。それぞれ、ピッチが違って互換性はありません。
日本や中国,ドイツではミリねじ、アメリカではインチねじが使われます。コールマン社はアメリカの企業ですからね。
とりあえず、交換は諦めて、サビ落としだけにします。
電池や蛍光灯の接点も、磨いておきました。
さらに、汚いカバーを外します。
ちょっとかわいい(笑)
ここ、通電中にさわると感電します。君のひとみは10000ボルト。(世代がバレる……)
実際は50ボルトくらいだと思います。
汚いカバーは洗って、もとに戻しました。
念のため、ナットの下にワッシャー (平座金) を入れました。これで緩みにくくなります。
で、みたびスイッチオン。
点かない……
まさか、本当に壊れてるんじゃ……
次は、いよいよ分解です。
電池を取り出して、ねじを外します。
おっと。変な部品が落ちてきました。
これは、電池と中の基板を接続していたやつです。
とりあえず中身。
基板は、スイッチと
これはいじりたくないので、先ほどの折れた金具だけをなんとかします。
金具は、基板についていました。(上の写真では、折れた断面が見えます)
折れた以上は、どうしようもないですから、ほかのものを代用します。
で、こうなりました。
電線の
こういうのは、フラックス (ヤニ) を加えないと、くっついてくれないです。
念のため、電流の計算もしました。電池が9ボルト (1.5ボルト×6本直列) で、蛍光灯が最大8ワット (4ワット×2本並列) なので、約0.9アンペアとなります。実際には、もうちょっと多く流れるかも。
0.79mm2くらいの太さの電線の許容電流は、少なくとも10数アンペアらしいので、まあ余裕でしょう。
それから、電池を入れるところを戻して、素線をちょうどいい長さに切り、先端をねじに合わせて曲げました。
ちょっと汚いですが、狭くて曲げにくかったので勘弁してください。
最後に、ねじを戻します。素線とねじと金具が自然な感じになっています。
電池を入れなおして。
(笑)
よたび (?) スイッチオン。
素晴らしい!
ということで、いくつも問題がありましたが、もっとも深刻だったのは、電池と基板を結ぶ金具の破断のようです。
これ、直らなかったら、LEDタイプに改造するつもりでしたが、直ってしまったのでお預けです。
このランタンは、もっぱら災害とか停電用ですね。
とくに、ソーラー発電と組み合わせれば電池なんていりませんから、停電時には重宝すると思います。
もともとはキャンプで使ったランタンですが、もう、キャンプには行かないかな。キャンプをするほど家計に余裕はありませんし、私も親もこんな歳だし。
ランタンも私たちも老後という感じですね。
私の人生も修理できればいいのに。
閲覧ありがとうございました。
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