うかうかとわすれ

ひと月前の写真をゴミ箱の底から拾いましたので、ホコリをパンパン払って。

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laowa 25mm 0.95

歌人の穂村弘の読書日記が連載されているサイト(『本から顔をあげると、夜が』)から引用します。

 図書館の外にある椅子で、『テロリストのパラソル』(藤原伊織)を読んでいたら、作中に短歌が出てきて、おっと思う。
  殺むるときもかくなすらむかテロリスト蒼きパラソルくるくる回すよ
 テロリストが楽しそうに蒼いパラソルを回している、人を殺す時もこんなふうにするのだろうか、というほどの意味だろう。・・・小説などの中に短歌が出てくると嬉しいのは、知っている街やお店が出てくると嬉しいのと同じ理由かもしれない。つまり、短歌というジャンルは、歌人である自分が住んでいる街みたいなものか。
 ・・・日本のミステリーには、しばしばわらべ歌や短歌が登場する。謎めいた言葉の中に事件を解く鍵が隠されているのだ。


 雨霞雨霞(うかうか)と書きて萬葉假名ならむ 蝙蝠傘(かうもり)をまたおきわすれ來つ   (塚本邦雄:獻身)

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