脳梗塞 ワレンベルグな日々

ワレンベルグ(症候群)は脳梗塞の一種

訂正、もういちどベートーヴェン、 58才最後の日の休日、ワレンベルグのこゝろ

概要;

中山七里さんの5作目「もういちどベートヴェン・・」を読んだ。4作目「どこかで・・」の続きだが、一気に読み終えたのは、58才最後の日の土曜休日。嫁はパン教室で独り、、久しぶりに男の料理にも精を出し、嫁さん手作りパンでの夕食。
翌日、日曜出勤後、嫁さんに50代最後の誕生日を祝って貰った。

:長文です。

アフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しているこの「脳梗塞 ワレンベルグな日々」は、
脳梗塞経験者である自分が、日々感じたことなどを雑多に書いている日記。
先に始めていたNo+e版  
まつ@ワレンベルグな日々、時々No+e日記|note
にも、過去の就職までの自宅療養記をメインに日記を綴っている。
2022年大晦日に脳梗塞(ワレンベルグ症候群)で入院、4ヶ月後退院、しかし無職となった。
後遺症が出るなど就労せずしばらく自宅療養。入院からすでに一年半すぎ、日常生活はほぼ回復(ただし、後遺症はまだ続いている)。社会復帰(再就職)がようやく果たせたのは、今年2024年2月。
パート勤めのブログはこちら
ワレンベルグのパート生活(脳梗塞の狂想曲)

手製の薩摩芋のポタージュ、南瓜の素揚げ等を添えて

土曜、嫁さんは、パン教室でたくさんパンを作ってきてくれた。夜7時過ぎからの夕食は、そのパンと私自慢のポタージュで頂く。

翌朝、59才の日曜の朝は、嫁さんのパンといつもの朝食セットを食べて仕事に向かう。
仕事帰りは、休みの嫁さんがケーキを買ってきてくれて、お祝いしてくれた。
仕事の疲れも消える。脳梗塞の後遺症の歯痒さもおさまる。

さて、一気に読了した第5作目の物語は、4作目の続きで主人公 岬洋介は、大学を卒業後に司法試験をトップで通過した司法修習一年生の話となる。音楽の道を諦め、法曹界への道、検察庁の実務研修を受けるため配属となった、司法研修所が舞台となる。

ご存じの方にはくどくて恐縮だが、このシリーズは岬洋介の鮮やかな謎解きミステリーとクラシック音楽を融合させている。今回も前作に引き続きベートーヴェンであるが、物語は天才的なピアノを封印した岬が、司法研修生としても天才ぶりを発揮する、その物語が進んでいく。ネタバレというか、シリーズ1、2、3作で披露されている天才的ピアノ演奏家の姿から自明だが、後半は封印が解かれ、結局、法曹界の道を捨てピアノに戻るという流れになる。この第4,5作で、どのように封印されそれが解かれたかが、時間を遡って描かれているのだ。(前作4作目のことは下の記事)

第5作、謎解きミステリーとしては、司法研修生の岬が、研修生という枠を超えて、大胆に謎を解く(いわゆる冤罪のヒトを救い)、同時にピアノ演奏家としても息を吹き返しながら、最後、真犯人(え?というヒトが犯人だった)を追い詰めるという、まぁシリーズは続くが、1作目から5作目をここまで読んでいったヒトは、スゴイ!とうなる5作目の内容である。

岬が復活するピアノ演奏の表現、ベートーヴェンの楽曲の細かな表現、記述は、相変わらず濃密で圧巻はいうまでもなく、、
ミステリーの部分と音楽の部分、そして岬という主人公の生い立ちを上手くバランスさせながら、一つの物語に仕上げているところが、5作目、作者のすごいところである。

この物語を土曜の休みに昼前から読んでいたのだが、夕方4時でいったん読むのを止めて、料理に専念した。嫁が朝からパン教室に行ったので、夕食は出来たてのパンにありつける・・ということで、パンに合うスープ作りである。有意義な休日。
(長くなるがレシピと工夫点は以下である)

メインは、紅はるか(薩摩芋)である。今回は、キレイな色を出そうと思い、朱色の皮は敢えて取り除いた。そして南瓜やにんじんを加えたが、南瓜も皮を除いて加えた。
作り方はシンプルで、これらの材料をともかく鍋で潰しながら水分を加えながら、コンソメと塩と控えめに足しながら、ひたすら煮る。そして、とどめは料理家電のティファールのハンドブレンダー(電動撹拌粉砕機)でグリグリするだけである。で、ポタージュというからにはその時に牛乳だったり豆乳だったりを程ほどミックスするのである。
シンプルで、素材の旨み、それが肝である。

鍋で潰す前に、材料はボールに少量の水をいれてレンチンし潰れやすくするという、時短テクも覚えたのである。今回は芋が主役で、これが割と早く潰れて、かなりねっとり系になる一方で、にんじんは、小さく切ったが固くてなかなか潰れにくい、レンチンしてもである。
しかし、最後はブレンダー様々で、ウイーンウイーンいわして、解かしてしまう。

幸運だったのは、嫁が、期日前投票に寄ってから帰ってきたので、帰宅が19時を過ぎたことである。少し凝ってみた。芋のポタージュは芋の素材の良さで甘く、濃厚なスープに仕上がっていた。少しトマトジュースで酸味を隠し味に入れてみて味を整える。

さらにこのポタージュに、薩摩芋と南瓜(小片、薄切)をオリーブオイルでカリカリに炒めたものをトッピングした。
さらにここに塩こしょうを少々、最後にオリーブオイルを小さじ一杯垂らす。

トッピングで見た目と食感(ここは皮付き)が加わり、オリーブオイルと塩が、甘めのポタージュにアクセントとなる。これは旨いモノが出来た!と悦に入る。
嫁が作ってきた、栗が入ったパンに、この芋ポタージュ、秋の共演(競演)である。
58才最後の夜は、嫁さんと2人、美味しい夜だった。
脳梗塞になる前は、互いの親の面倒を見るという2拠点生活で、離れ離れだったわけだから、こういうお互いが作ったもので美味しく過ごせるようになったのも、災い転じて何とか、
何かの巡り合わせ、みちびきなのかもしれない
。

入浴後、また本読みに戻る。最後の畳みかけるような演奏のシーン、それと平行して、謎解きにすっかり魅了される。もう心もお腹も満腹、満足のまま、眠りにつく。

 

翌日は、嫁が別のパンを朝食に切り出してきた。チョコマーブル。旨い。

いつもの、朝の主食ゴログラきな粉大豆にプレーンヨーグルト、リンゴ酢入りに、このパンを食べると少しカロリーオーバー(炭水化物オーバー)だが、美味しく頂く。
日曜の朝、59才になったこの日は、あいにく出勤日なのだ。
土日は施設勤務も接客、受付対応で結構忙しい、食べておいて損は無い。

曇り空の午前中から、洗濯やイベント準備などの立ち仕事、外仕事が多かった、陽射しは無かったが、異様に蒸し暑く、汗でべっとりだった。疲れた。

定時に終わり家に帰ると、休みの嫁さんが夕食を買ってきてくれていた。
昨日のパンも残っていたが、敢えてご飯。とんかつだった。
そこへ昨日、作り貯めたスープを小皿に取り、チンして一品追加した、オリーブオイル垂らしも忘れずに。ご飯にも合うんだな、これが。

夕食後には、ケーキが用意されていた。美味しい。
日曜、誕生日に仕事、その疲れも、これで吹っ飛ぶのだ。そして、脳梗塞とか後遺症とか、あるいは嫁の実家、義母の介護とか、いろいろあるが、
50代最後の歳、駆け抜けるのだ。

フルーツのタルト。ハッピーバースデー♪

なーんか食べてばっかりだが、
約22ヶ月前、大晦日に突然の脳梗塞、ワレンベルグ症候群で嚥下障害を発症し、唾すら飲み込めない日が一ヶ月以上続いて、どうなるんだろうとお先真っ暗だった。
もし、あのリハビリ病院転院初日の検査で、喉の飲み込み反応が戻って無ければ、
喉の手術とか胃瘻になっていたかも知れない。まだ恵まれているのだ、と思う。
こういう食べ物を味わうことなど、あの時は夢のまた夢だった。
嚥下はほぼ治ったけど、歩けるけどフラつきは取れないし、パートでしか働けないけど、
あの時は寝たきりや車イス生活になったらどうしようとお先真っ暗になった、立つことすら出来なかったのだから。

いま、こうして体が動かせ仕事が貰えるだけ、それだけでもありがたいことなのだ。

59才になった今宵は、中山七里さんの違うシリーズ(御子柴シリーズ)の1作目を読み始めることにした。
しょくざいのソナタ(2011年) である。

何とかのレクイエム(鎮魂曲)とか、何とかのロンド(輪舞曲)とか シリーズは確か6冊続いているようである、楽しみだ。