ボヘミアの海岸線

海外文学を読んで感想を書く

2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』エミール・ハビービー

[よかったよ、違う風にならなくて!] Emile Habiby Al-Waka'i al gharieba fi ikhtifa Sa'ied Aboe an-Nash al-Moetasaja'il、1974.悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事作者: エミールハビービー,Emile Habiby,山本薫出版社/メーカー: 作品社発売…

『ヴォイツェク・ダントンの死・レンツ』ゲオルグ・ビューヒナー

彼には、天に向かって握りしめた巨大な拳を突き出して神を引きずりだし、雲の中を引きずり回してやれそうな気がしてきた。世界を歯で噛み砕いて、創造主の顔に吐きつけてやれそうな気がした。 −−ゲオルグ・ビューヒナー『ヴォイツェク・ダントンの死・レンツ…

「その国どこにあるんだっけ?」と一瞬思う海外文学

その昔、外国で出会ったオーストラリア人に「日本ってどこ? 中国と陸続き?」と聞かれたことがあった。「極東の島国」と答えると、相手はあっけらかんと「へえ、そうなの。アジアの遠くにある、というイメージしかなかったわ。教えてくれてありがとう」と言…

『密会』ウィリアム・トレヴァー

[愛は沈黙の裏に] William Trevor A Bit on the Side,2004.密会 (新潮クレスト・ブックス)作者: ウィリアムトレヴァー,William Trevor,中野恵津子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/03/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 32回この商品を含むブログ (…