先日、北海道新聞にて
『
日高線・鵡川―様似の廃止伝達 JR北海道社長、沿線8町に』
との記事があり、紙上でも一面・社会面にて大きく取り上げられました。
記事の一部を勝手ながら抜粋すると
JR北海道の島田修社長は21日、日高管内浦河町で説明会を開き、昨年1月の高波被害で不通が続く日高線鵡川―様似間(116キロ)の復旧を断念、廃止してバスに転換する方針を沿線8町に伝えた。
しかし、JRの方針が「一方的だ」などとして、4町長が欠席。
出席した町長らも受け入れの可否には言及せず今後、JRと道との沿線自治体協議会で正式に説明するよう要請した。とあり、JR北海道がJR日高線の鵡川―様似間の復旧断念を公式に発表しました。
これまで当ブログでも
『
新ひだか町の平成28年「まちづくり懇談会」とJR日高線の存続問題』
『
JR北海道事業見直しで、JR日高線の存続問題を考える』
『
JR日高線問題を改めて考える』
と、このJR日高線の存続問題については、上記ブログ記事にて、個人的な思いや考えを書いてきました。
今回のJR北海道の鵡川―様似間の復旧断念についても、個人的には非常に残念ではありますが、「来るべき時がきたか……」とも思います。
ただ、このJR北海道側と協議会メンバー側との説明会で、JR側から復旧断念の意向が伝えられたことがニュースにもなりましたが、このことについて思うことというか、あまりにも残念に感じたことを少々書いていきます。
まず、記事には
JR側は協議会メンバーの日高管内浦河、日高、平取、新冠、新ひだか、様似、えりもの7町に加え、胆振管内むかわ町にも説明会への出席を求めた。
公務や体調不良を理由に新ひだか、浦河、様似、えりもの4町長が欠席し、担当課長らが代理で出席した。とありますが、この年末時期で、自治体の首長も公務が入っていて、忙しいのは重々理解できます。
しかしながら、4町長が欠席して、担当課長らが代理出席するというのは、とても残念です。
欠席した4町長は、いずれもJR日高線の存続を強く求めていた町長でもありますし、日高線はえりも町までは通っていませんから、えりも町長が欠席するというのは、まだ分かりますが、新ひだか、浦河、様似の各町長は、存続を求めるならば、他の公務よりも優先して出席し、批判意見を直接ぶつけるなり、自らの意見を述べて建設的な意見の要望を述べるべきですが、その首長が欠席するというのは、この問題をそれほど重大に考えていないのか?とも考えてしまいます。
どこかの政党のように、欠席して、後から批判するような恥知らずなことだけはしないでもらいたいものですが、これで一気にJR日高線は廃止の方向に向かうことにもなるでしょうが、日高管内の各自治体は、今後の自治体の交通体系の見直しをしっかりと計画するのは勿論ですが、JR北海道に対しても、公共交通機関が廃止されることでの影響を、具体的に示して、JR北海道に対しての要望や要求をしっかりと通すべきとも思います。
新聞記事では詳細までは書かれていませんが、JR北海道が説明会で出した資料が、ネット上でのPDFファイルにて見ることができました。
「
日高線(鵡川・様似間)の復旧断念、並びにバス等への転換に向けた沿線自治体との協議開始のお願いについて」
興味のある方は、上記リンク先よりご覧下さい。
この資料には、協議内容でのJR北海道からの支援や補填についての内容も記載されています。
資料を読む限りは、JR北海道からの一定の支援についての提案もされており、これらの提案についても各自治体で協議していく必要がありますが、これまでのJR北海道と自治体の協議会メンバーとの話し合いでは、話し合いは平行線となるだけで、特に各自治体側からは具体的な要望意見が殆ど出ていなかっただけに、平行線を辿るだけでは、JR北海道から復旧断念の話が出るのも当然と言えるでしょう。
これからは少子高齢化で、地方は更に人口減にもなることは間違いありませんから、特に地方は、まちづくりもスマートシティー化を進めるより他にはないだろうし、具体的な将来設計を各自治体で細かなところまで練らなければなりません。
JR日高線の復旧断念ともなれば、おそらく全国的にも赤字路線は益々廃止されることにも繋がるでしょうし、地方は更に過疎化が進むことにも繋がります。
だからこそ、公共交通機関のあり方、地方の将来についてを、地方の各自治体、そして行政だけではなく、各住民も真剣に考えていかなければならない問題でもあります。
自治体には、ぜひとも地域住民に対して、今後の将来ビジョンを明確に示してほしいものですし、住民も生活に直結する問題にもなりますから、行政・民間・住民とで議論をして、これからの「まちづくり」に繋げていくべきでもあるでしょう。