豪鬼メモ

MT車練習中

ブロンプトンのホローテック2化とO.Symetric 52T+36T

ブロンプトンのボトムブラケットをシマノのホローテック2に換装して、さらに楕円チェーンリングをフロントダブルで付けた。剛性の向上とQファクタの最適化とチェーンリングの選択肢の増加が達成され、満足の行く結果が得られた。ただし、導入にあたってはパーツ毎の相性を入念に検討する必要があった。少なくとも、シマノ105のクランクアームFC-7100とTokenのボトムブラケットTK878EXの組み合わせであれば、ブロンプトンでも使える。

背景

ブロンプトンの純正のボトムブラケット(BB)は、四角い断面のシャフトとベアリングが一体となったカートリッジを使うスクエアテーパー方式である。TOKEN TK868TBTなどの良いベアリングを使ったスクエアテーパーのBBに換装するカスタマイズが定番で、クランクを空転させると気持ちよく回り、いかにも機械抵抗が低い感じがするらしい。それには劣るかもしれないが、私はTANGE LN-7922を使っていて、まあまあ満足していた。グリスアップした上で、チェーンを外して空転させるとめっちゃ回る。
mikio.hatenablog.com
www.youtube.com

ただし、空転させてよく回るかどうかは、実際のペダリングの際の力の伝達効率とは別の話だ。ペダルを踏みこんだ際には巡行時で25kgfとか、登坂やスプリントの際には100kgfとかの力がクランクにかかり、それをBBが回転トルクに変換した上でチェーンリングに伝達する。その際にBBシャフトが撓んで抵抗にならないようにするためには、BBシャフトの剛性が高い方が良い。剛性を高めるにはシャフトを太くするのが望ましいが、そうすると重くなってしまうので、太くかつ中空構造にして重量あたりの合成を高めたくなる。そこで、クランクと中空構造のシャフトを一体化させたものがシマノのホローテック2であり、SRAMやらカンパニョーロやらの会社も同様の太いクランクシャフトの規格を提唱している。スポーツバイクの世界では、スクエアテーパーはもはや過去の遺物だ。

とはいえ、ブロンプトンはスポーツバイクではないので、スクエアテーパーでも全く問題ないと思って、今まで使い続けていた。しかし、先日の東北と北海道を縦断する旅においては、スクエアテーパーの別の弱点に悩まされた。それは、使い込んでいるとクランクとテーパーの接合部が摩耗して、クランクが緩みやすくなってくることだ。特に旅先でそれが発生すると辛い。いったん緩み始めると、スリコギ運動の効果で数kmも進めばクランクが外れてしまうのだ。8mm六角レンチとアルミホイルをDIYショップで買って適宜締め込みながら何とか旅を完遂したが、正直かなりのストレスだった。アルミホイルをテーパーに巻くのは、摩耗して広がったクランクの穴とテーパーとの隙間を埋めるためだ。そうしないとペダリングによるスリコギ運動ですぐにまた緩んでしまう。加えて、クランクまたはテーパーが摩耗するほどにクランクの角度やQファクタが微妙にずれてくるという問題もある。いずれにせよ、クランクが急に緩んできて、しばらく乗っていると外れてしまうというのは、いただけない。スクエアテーパーはもうこりごりだと思った。ちゃんと整備していない自分が悪いのだが、クランクアームの穴の摩耗状態を定期的に調べる人はそんなに多くないだろう。

こうしてBBをホローテック2に変えると決断したわけだが、BBの規格を変えればクランクアームも変えねばならない。クランクアームを変えるなら、ついでにチェーンリングも変えてしまうことにした。というのも、ブロンプトン純正のクランクアームはBCD(PCD)が130の5アームであり、これも結構古い規格なのだ。BCD130につけられる最小のチェーンリングは38Tだが、ロードバイクやマウンテンバイクではもっと小さいチェーンリングをつけて登坂性能を上げるのが普通だ。よって、アームがより短いBCD110が主流になり、さらに軽量化のために4アームになったという経緯がある。最近のロードバイクは基本的にBCD110の4アームが標準であり、チェーンリングの選択肢もその規格が一番豊富だ。

今までは、O.Symetricの楕円52TとROTORの楕円39TのBCD130版を何とか見つけて、フロントダブルとして運用してきた。O.Symetricの52Tは低ケイデンスでも高ケイデンスでも漕ぎやすいので、ギアの段数が少ないブロンプトンでは重宝していた。ROTORの39Tは峠や激坂の攻略にはとても便利なのだが、できればもう少し軽い方が潰しが利くと思っていた。いずれブロンプトンで乗鞍岳や暗峠を攻略したい私としては、36Tあたりが欲しい。クランクをBCD110の4アームにすれば、該当する製品も探しやすくなる。
mikio.hatenablog.com

市場調査

スクエアテーパーの緩みに悩んでいた旅先で、すでにオークションサイトを漁り始めていた。そうしたら、O.Symetricの52Tと36Tのセットが8000円とかなり安値で出品されていた。これは渡りに船と思って早速購入した。O.Symetricの中古はROTORと違ってなかなか出ないので、ドンピシャなのが入手できて嬉しい。

チェーンリングが決まったこの時点で、BCD110かつ4アームのクランクアームが必要になることも決まった。しかし、BBはまだスクエアテーパーにする余地があった。例えば、ProWheel社のRPL-521というクランクアームは、BCD110かつ4アームのスクエアテーパー方式なので、それだけ買えば既存のBBを流用して新しいチェーンリングを利用できるようになる。スクエアテーパーの欠点はあるが、新しいクランクなら摩耗の問題は当面は先送りできるので、それで安く済ませるのも良いかと思った。ただし、RPL-521を日本で入手するのがすぐにはできなそうだった。
pro-wheel.com

せっかくなら、ホローテック2化もしてみたい。例によって「ギア1段分軽くなる」とかいう選択支持バイアス満載の報告もネット上には散見されるが、実際どうなのか体験してみたい。アルテグラFC-R8000をつけている自分のロードバイクに乗る限り、剛性が高いBBとクランクだと、ペダルを踏み込んだ時の応答が良いと感じる。軽い(=少ない力で動く)というよりは、硬い(=入力に対する出力の反応がより機敏に得られる)という感じだ。ホローテック2をブロンプトンにつけても同じ気持ちよさが味わえるか確認したい。

ブロンプトンのホローテック2化でよく使われるのは、シマノULTEGRAのSM-BBR60というBBと、シマノ105のFC-5703というクランクアームだ。これはトリプルクランクであり、つまり3枚のチェーンリングを装着できるクランクアームである。実際には1枚か2枚のチェーンリングしか使わないとしても、アームの末広がりの度合いが大きく、Qファクタ(左右のペダルの根本の水平距離)が155mmあるので、そのままポン付けしてブロンプトンで使えるのが利点らしい。FC-5703は既に絶番になっているが、探せばまだ新品や中古が見つかる。しかし、5アームなので私は使えない。

ブロンプトンにおいては、クランクアームの末広がりの度合いが小さいと、アームとフレームが干渉する問題が起きる。具体的には、折り畳み時にアームとディレイラーが接触する問題と、同じく折り畳み時にインナーチェーンリングとチェーンステー(リアトライアングルの横線)が接触する問題がある。これらはホローテック2に特有の問題ではないのだが、ロードバイク用のクランクアームはQファクタを狭くするために末広がりが小さい傾向にあるため、ほとんどの製品はそのままではブロンプトンでは使えない。

今までブロンプトンで使っていたタンゲLN-7922とスギノRD2の組み合わせだと、Qファクタは164mmで、左右とも車体中心(シートポスト中心)からの水平距離が82mmであり、車体とのクリアランスは万全で、かつ左右の対称性も完璧だった。

自転車の種類やBBの種類にもよるが、一般的に、BBの筒は、車体中心に対して右(チェーンリング側)が短く、左(チェーンリングが無い側)が長い。これはチェーンリングのクリアランスを考慮してのことだ。ブロンプトンの筒は右が31mm、左が37mmなので、6mmの差がある。その上で、右クランクの末広がり角度の方が、左クランクのそれよりも大きく、結果としてQファクタの左右対称性が確保される。ただし、BBの筒の左右差やクランクアームの角度の左右差は製品毎に違うので、相性問題が発生する。ブロンプトンの場合、純正部品を使っていれば相性の問題はないが、社外品の部品を使う場合には相性問題についてよく考えねばならない。当然、ロードバイク用の部品をブロンプトンに取り付ける際にも相性問題が顕在化する。クリアランスだけでなく、チェーンラインの角度やQファクタの左右差についても確認する必要がある。

スクエアテーパーだとクランクアームとの相性問題のための調整をするにはBBシェルを買い替えてシャフトの長さが異なるものに変える必要がある。買い換えるのに費用はかかるが、シャフトの長さを自由に変えられるのは利点だ。一方で、ホローテック2の場合、規格でシャフトの長さが決められている。BBの筒に対してシャフトが長いマウンテンバイク用のクランクアームの場合、スペーサを噛ませることでQファクタを調整できるが、ロードバイク用の場合はその余地が乏しい。シマノのロード用クランクアームとシマノのロード用BBという組み合わせの私のロードバイクではスペーサが全く使われていない。ロード用の部品でQファクタを調整するには、原則的にはクランクアームを買い換えるしかない。ただし、左クランクアーム接合部の遊びの範囲であれば合計Qファクタの微調整ができるらしい。例えば、BBの右側に3mmのスペーサを入れると、その分だけBBの左側のシャフトが引っ込むので、噛み合い部が3mm減ることになる。3mm程度なら固定力に問題はないし、左クランクのロック用の爪もなんとかはまるらしい。実際、DURA-ACE FC-R9100に3mmスペーサをつけてフロントダブルで運用しているという報告がある。
bronori.hatenablog.com

DURA-ACE FC-R9100のQファクタは146mmで、ULTEGA FC-R8100のQファクタは148mmで、105 FC-R7100のQファクタは148mmで、Tiagra FC-4700のQファクタは150㎜だ。私の従来のQファクタであった164㎜よりも、デュラで18mm、アルテと105で16mm、ティアで14mmも狭い。右側だけで考えると、デュラで9mm、アルテと105で8mm、ティアで7mmだけ狭くなる。右側に3mmのスペーサが利用できると仮定すると、デュラで6mm、アルテと105で5mm、ティアで4mmだけ、車体とのクリアランスが狭まることになる。LN-7922とRD2を付けたブロンプトンの車体を見てみると、折り畳み状態でインナーチェーンリングとチェーンステーとの距離は1.5mmくらい、同じく折り畳み状態でディレイラーとクランクアームとの距離は0.5mmくらいに見える。これ以上Qファクタが狭くなると、ディレイラーとの接触は避けられそうにない。実際、上述のデュラの報告でも接触しているようだ。

とはいえ、折り畳み時には前輪の邪魔にならないように右クランクアームは3時方向あたりにする決まりなので、ディレイラーとクランクアームのクリアランスは無くてもよい。クランクの角度を調整しないでお座りモードにするとディレイラーとクランクが接触するというのは気持ち悪いが、単にお座りモードにする際にもクランクの位置を調整する習慣をつければよいだけの話だ。インナーチェーンリングとチェーンステーのクリアランスについては確保しないとお座りも折り畳みもできなくなってしまうが、38Tより小さいインナーチェーンリングであればチェーンステーに歯が届かないので心配しなくても良いらしい。つまり、ホローテック2化でロード用の部品を使うに際しては、クリアランスの問題は考えなくて良い。

加えて確認すべきは、チェーンラインである。チェーンラインが斜めだと抵抗が増えるだけではなくチェーン落ちしやすくなるからだ。従来のLN-7922とRD2を付けた状態でのチェーンラインはほぼ完璧だ。アウターチェーンリングの車体中心からの距離とトップのリアスプロケットのそれはほぼ同じで、インナーチェーンリングの車体中心からの距離とローのリアスプロケットのそれもほぼ同じだ。つまり巡行で最もよく使うアウタートップと、虎の子であるインナーローの双方で、チェーンラインが最適化されている。外装2段をフロントダブル化した4段構成なので、残る組み合わせであるアウターローとインナートップのチェーンラインの傾きも高が知れている。

シマノのロード用ダブルクランクアームはどのグレードでもチェーンライン43.5mmという仕様だ。ここで言うチェーンラインは、アウターチェーンリングの歯とインナーチェーンリングの歯の双方の車体中心線からの距離の算術平均らしい。一方、RD2のチェーンラインは45.0㎜という仕様だ。RD2のチェーンラインは軸長113㎜のスクエアテーパーBBをつけた場合の値だが、規格が違うシマノの値とは比較できない。よって、自分で測った値を参照すると、インナーは43mmでアウターは50㎜なので、平均は46.5㎜ということになる。シマノに3㎜のスペーサを嚙ませると46.5㎜になるので、チェーンラインはほぼ同じになる計算だ。これが幸運なのか必然なのかは判然としないが、とりあえずチェーンラインの懸念はしなくて良さそうだ。

あとはデュラかアルテか105かティアかという選択をすることになる。結論としては、105にした。ティアのクランクシャフトは中空じゃなくて、チェーンリング込みで105より200gも重いらしいので除外した。また、無駄に高くてQファクタが狭いデュラも却下した。なので、アルテか105で手ごろなものを探すことになる。なお、クランク長は完成車で多く使われている170㎜より少し短めの165㎜が望ましい。私の身長164cm(股下74cm)から考えると170mmクランクは長すぎる。よって、RD2は165㎜にしていて、低ケイデンスでの踏み込みがそんなに重く感じない割には高ケイデンスでよく回せる絶妙なバランスだと感じている。

オークションサイトをしばらく物色し続けたが、チェーンリング込みのクランクセットでの出品が多く、アームだけの出品があっても大して安くなっていないものばかりだったので、困った。新品でもアームだけの販売は見かけない。なお、105の旧版のFC-R7000の方も売られてはいるが、主な違いはQファクタが146mmと狭いことだ。Qファクタが狭くてもクリアランスの心配はしなくて良いわけだが、広い方が潰しが効きそうなので、新しい方に絞って探した。


AliExpressでアームだけの新品が安値で売られていたのを見つけた。AliExpressは偽物も多いらしいので躊躇したが、結局はポチッた。偽物かどうかは重さを量ればかなりの確度で分かるし、購入時の説明文にきちんと製造者名と型番が書いてあるスクリーンショットを撮って保存しておけば、偽物だった場合に証拠として出して返金させられる。あと、デフォルトでは右クランクだけの値段が表示されているので注意だ。両クランクだと、170mmが7321円で165mmが11278円と大分値段が違う。ショートクランク需要が高い割に流通量は少ないということだろう。高くても165mmを選ぶしかない。


BBシェルはDURA-ACEグレードのBB-R9100とULTEGRA/105グレードのSM-BBR60が定番らしいが、重さが前者が7g軽いくらいで走行性能に弁別できる差はないらしい。SM-BBR60と2655円比較的安く手に入るので、それにしようかと思った。

しかし、各所のレビューを見ていると、どうもBB-R9100とSM-BBR60の両者とも回転が渋いらしい。既述のように、空転させた時の回転の渋さは実際の高負荷での走行時の抵抗とは別のものだが、街乗りなどで低負荷で走行している際には体感できる程度の差があるのだろう。で、その負荷の原因は、BBのベアリングに異物が入らないようにするためのシールが徹底されているかららしい。シマノのBBはメンテナンスフリーを謳っているのでそうするのは妥当だろう。しかし、逆に言えば、グリスアップなどのメンテナンスをユーザが行うことが難しいようになっている。

一方で、TNIの製品などは、ユーザでのメンテナンスを前提としている。「セラミックBBは、雨・砂等に弱いので、定期的なメンテナンスが必要です。特に雨の日に使用後は、必ずオーバーホールを行う様お願いします」とな。清々しいくらいだ。

セラミックBBの方が回転が良いと言われるが、主な抵抗源がボールやグリスではなくシールなのであれば、必ずしもセラミックでなくても比較的よく回るBBは実現できるはずだ。そのコンセプトに基づいているっぽいのが、TokenのTK877EXとTK878EXだ。両者とも鋼鉄のボールベアリングだが、後者の方が耐久性が高く、その代わりに抵抗は大きいらしい。それでもシマノのBBよりはよく回るとのこと。値段は6200円と少し張るが、せっかくなのでこれにしてみよう。

メンテナンスフリーであるはずのシマノのBBでも、雨の中を何度か走ればダメになるらしい。それならば、自分でメンテできた方がよい。とはいえ、ブロンプトンには前輪にも後輪にも泥除けがついていて、前輪の泥除けのおかげで泥はねがBBにかかる頻度はロードバイクよりずっと低い(その点で泥除けを外すEバージョン化カスタムは損だ)。だったらより抵抗が低いと言われるTK877EXでも良さそうだと思ったが、連日に渡る自転車旅をよくする身としては、必要なメンテの頻度は低いほうがありがたい。よって、中庸とも言えるTK878EXが最適と考えた。
www.tokenproducts.com

TK877EXとTK878EXはカップ部分の幅が10.5mmであり、シマノの11.0mmよりも短い。その分は付属の0.5mmスペーサをつけて埋められるようになっている。なぜそのような設計になっているかというと、チェーンラインやQファクタの微調整をしやすくするためらしい。さらに3枚の2.5mmと2枚の0.6mmのスペーサも同梱されていて、結果としてロードにもMTBにも使える製品になっている。ロード用のBBをブロンプトンに無理やりつける今回のような場合、調整の余地が大きいというのは有難いことだ。より軽量なTK888という製品もあるが、チェーンラインやQファクタが調整できないので却下だ。

余談だが、FacebookのBrompton Hacksコミュニティでホローテック2化の相談をしたところ、ブロンプトンに105 FC-R7100をつけて運用している人がいた。その人はチェーンリング側だけにスペーサをつけて、走行も折り畳みもうまくいったと書いていたが、実際のBBの種類やスペーサに何を使っているのかは不明だ。とりあえず調整幅があるBBを選んでおけば実運用できることは間違いないっぽい。チェーンラインやQファクタの最適化はその先の話だ。

BBシェルの取り付けにはTL-FC32なる専用レンチが必要だ(BB-R9100ではそれに加えてアダプタTL-FC24が必要で、SM-BBR60ではアダプタTL-FC25が必要らしい)。さらに、クランクを外すためにクランクキャップドライバなる工具も必要になる。ていうかホローテック2の専用工具多すぎだろ。

てことで、クランク11278円+送料1493円、BBシェル6200円、レンチ1160円、クランクキャップドライバ291円の、合計20422円がホローテック2化に必要になる。チェーンリングの8000円も足すと28422円なり。なかなかの出費だが、かなり入念に市場調査した最善の結果なので、受け入れよう。

製品の確認

購入したチェーンリングとクランクアームとBBシェルと工具類が到着したので、まずは内容物と重量を確認しよう。

O.Symetricのチェーンリングの重さは、インナーの36Tが39.2g、アウターの52Tが129.3g、ボトルとナットが4組が20.0gで、合計188.5gである。


クランクアームR7100の重さは、シャフトとスパイダー付きの右が355.5gで、アーム単体の左が196.7gで、合計552.2gだ。他の人の計測とそんなにずれてはいないので、偽物ということはなさそうだ。

BBシェルTK878EXの重さを測るのは忘れたが、仕様上は98gだ。

従来の設定だと、Roterの39Tインナーチェーンリングが38.8g、O.Symetricの52Tアウターチェーンリングが96.4g、ボルトナット5組が19.5g、RD4の右が288g、左が211g、タンゲLN-7922が233gなので、合計886.7gだった。これをホローテック2化すると、合計740.7gになる。よって、146g軽量化したことになる。軽量化が目的ではなかったが、軽いに越したことはない。なお、従来つけていたディズナのチェーンリングガード(96.2g)には4アーム版が存在しない。ガードがないと足が汚れるので別の製品を探したのだが、レース用である4アームには街乗り用であるガードは需要がないらしく、どこも作っていない。

チェーンリングの改造

取り付け作業にあたり、まずはチェーンリングを右クランクアームに嵌めたいわけだが、ここで大問題に気付いた。シマノのクランクアームはエアロ形状になっていて、アウターチェーンリングはPCD110であっても、対応した形状でないと嵌められないらしい。凹型アームの出っ張りが同じく凹型のアウターチェーンリングの足と干渉してしまうのだ。105のR7100はシマノの中でもアルテのR8100とデュラのR9200としか互換していなくて、それより前の世代のR7100やR8000やR9000用のチェーンリングはつけられない。当然社外品のチェーンリングもそれらの互換性を考慮して設計されているもの以外はつけられない。残念ながら、私のO.SymetricのチェーンリングはR9000用のものらしく、R7100にはつけられなかった。R7000の方を買っておけばよかったとここで後悔した。

とはいえ、干渉している部分を削れば何とかなりそうだ。クランクアームを削るかチェーンリングを削るかは悩んだが、チェーンリングを削ることにした。チェーンリングの足の角っこの出っ張は強度に貢献していないっぽいので、削っても問題なさげだ。逆にクランクアームの出っ張りを削ると応力集中が起きて強度が顕著に下がりそうだ。てことで、近くの公園でひたすら電動ルーターを回してチェーンリングを削る作業した。うるさいし、削りカスがいっぱい出るので、とても自宅では作業できない。形状は実際にクランクアームと当てがって何度も調整した。

完成したのがこれだ。CDアルバム3枚くらい聞くくらい時間がかかったが、何だか達成感がある。とはいえ、そもそも互換性のある組み合わせにしておけば必要ない作業だったわけで、徒労感も同時にある。剛性や空力の微妙な改善のためだけに互換性を削るのはいかがなものかと思うけど、レースにも使う機材だから性能を最優先するシマノの姿勢も理解できなくはない。いずれにせよ、取り付けに成功したから良しとしよう。角っこしか削っていないので応力集中は起きないと思う。


取り付けとジオメトリの調整

やっと車体への取り付け作業に入れる。まずは、既存のクランクアームとBBシェルを外す。工具としては、8mmアーレンキーとコッタレスクランク抜きと20歯BBドライバが必要だ。なお、BBの筒(正式にはハンガーと言うらしい)にはネジ溝が彫ってあるが、ブロンプトンではこのネジ溝がいい加減なまま樹脂のBBシェルを圧入に近い形で入れているので、そのままだと普通のBBを入れられない。よって、自転車屋に頼んでタップ立てをしてもらう必要がある。おそらく工賃4000円くらいかかる。

本番の設定の前に、お試しで、ロードバイクと同じ設定でBBシェルとクランクをつけてみる。すなわち、右ワン(ドライブ側)には0.5mm*1+2.5mm*1のスペーサをつけて、左ワン(非ドライブ側)には0.5mm*1のスペーサをつける。

これでアームをつけてみると、右のQファクタは75mmで、左のQファクタは80mmだった。5mmも左右差があるのは気になるので、この設定は却下だ。

次に、本命の設定である。右ワンには2.5mm*2のスペーサをつけて、左ワンには何もつけないようにする。この状態だと、シートポストの中心線からBBカップの縁までの長さが左右とも47mmになる。シマノのロード用のクランクアームの開き角度は左右対称らしいので、この時点でQファクタの左右対称性は確認できる。

余談だが、私のロードバイクではスペーサを入れていないので、BBの筒の右が短いのがそのままQファクタの左右差に残っていることになる。ダブルクランクではそれが普通らしいし、私もロードバイクで左右差が気になったことはない。じゃあ何でブロンプトンでそんなに左右差を気にしているのかと言えば、今までつけていたスギノのRD4クランクが左右差を解消する仕様になっていたからだ。右アームの開き角度が大きいことで、スペーサをつけなくても左右差が解消されていた。それを気に入って使っていたので、クランクを新調することで左右差が生まれるのが気持ち悪い。

話を戻すが、右ワンにだけスペーサを2枚つけて実際にクランクアームをつけた状態でQファクタを測ってみたところ、左右とも77mmだった。そして、合計Qファクタは154mmということになる。R7100の仕様上のQファクタは148mmなので、6mmの差がある。2.5mmのスペーサ2枚で5mmの説明はつくが、残り1mmは何だろう。というか、左右のワンにつけるはずの0.5mm*2を省略しているので、スペーサで実質的に増えた幅は4mmだ。となると、仕様と2mmの誤差があることになる。測定誤差と、クランクの締め付けに多少遊びを持たせたことが原因だろうか。いずれにせよ、実測でQファクタの左右差がほぼないというのが確認できたのは良いことだ。

チェーンラインについても測った。アウターチェーンリングは車体中心線から50mmで、インナーチェーンリングは45mmだ。スプロケットのトップは49mmで、ローは45mmだ。最もよく使うアウタートップとインナーローのチェーンラインが車体中心線とほぼ平行なので、これは理想的と言っていいだろう。所詮は2*2=4の組み合わせなので、アウターローやインナートップの組み合わせであってもチェーンラインは悪くなく、機械抵抗を最小限に抑えられる設定ができたと言えるだろう。なお、FC-R7100とFC-R7000のチェーンラインの仕様は同じだが、アウターチェーンリングとインナーチェーンリングの間隔はFC-R7000の方が狭く、それはインナーがより外側にあり、アウターがより内側にあることを意味する。ブロンプトンの外装2速モデルにより適しているのはFC-R7000の方だ。ただし、将来的にリアスプロケットを3速以上にする余地や、チェーンリングをさらにワイドレシオにする余地を考えると、インナートップでチェーンラインが斜めになってもチェーンリングとぶつかりにくいFC-R7100の方が安心だ。

インナーチェーンリングのクリアランスに関しては、予想通り問題ない。折り畳んだ状態でもインナーチェーンリングの歯がチェーンステーに届かないからだ。楕円率の高いO.Symetricのチェーンリングなので長径と短径に大きな差があるが、36Tなら長径の歯でも届かないことを確認した。42Tとかだと確実に駄目だろう。

ディレイラーアームとクランクアームのクリアランスについてだが、やはり干渉してしまう。お座りモードでクランクを回転させようとすると、ディレイラーアームとクランクアームが接触するので、クランクを回転させられない。接触の度合いはわずかなので、右ワンのスペーサがあと0.6mmでも追加されれば、この干渉は避けられるだろう。しかし、そうすると理想的であったチェーンラインとQ-factorが乱れることになるので、わざわざやるべきではない。お座りモードでペダルを回転させる必要なんてないので、現状の設定で全く問題ない。走行性能の方が大事だ。

シマノの2ピースクランクアームには脱落防止ピンが付いてくるが、これはどう頑張ってもシャフト上の引っ掛け穴にはハマらなかった。引っ掛け穴の位置はスペーサをつけていない状態に最適化されていて、その直径は2mmほどなので、つまり2mmを超えるスペーサをつけた時点で無理なのだ。これを書くと、「脱落防止ピンをつけないで走行するなんて危険極まりない」と言われそうである。実際にその通りなので反論できない。しかも、今回は0.5mmのスペーサ2枚を抜いて2.5mmのスペーサ2枚を入れたので、アームとシャフトの噛み合い幅が4mmほど減っている。よって、クランクアームの保持力も減っている。脱落防止ピンはクランクアームの保持力には貢献しておらず、クランクアームが緩んで外れそうになった場合の安全装置に過ぎないが、保持力が減っているのに安全装置もないというのは不安になる。とはいえ、走行中にクランクアームが少しでも緩んだとしたら、それは踏み心地の違和感となってすぐに分かるものだ。スクエアテーパーで散々クランクアームが緩んで悩まされた私としては、ちょっとでも緩んだら即座に分かると断言できる。なので実用上のリスクは低いと思うが、乗る前の点検を徹底するとともに、出先にも5mmアーレンキーとクランクキャップ回しを携帯してしばらく様子を見ることにする。

各種調整を経て、完成した車体がこれである。めちゃくちゃ格好良くないだろうか。クランクアームの「105」の文字が白ではなく灰色なのが渋い。欲を言えばチェーンリングの「O.Symetric」の文字も灰色であって欲しかったが、いずれ燻んで渋い色になってくるだろうから良しとしよう。カスタム趣味のない人が見れば普通の折り畳み自転車に過ぎないが、趣味人が見れば、「お、やってるねー」って感じなのが良い。

性能考察

ホローテック2のクランクを使ったことで、剛性に関しては申し分ない状態になったと思う。その剛性は大きなトルクをかけた際に効いてくる。私程度の脚力では、直径24mmのシャフトが歪むほどの入力はできないだろう。一方で、街乗りのような、小さな入力でゆっくりと走る場合には、アームやシャフトの剛性というより、ベアリングの滑らかさが物を言う。それを確かめるべく、チェーンを外してクランクを空転させる実験をした。
youtu.be

見て分かるように、クランクを空転させると5秒近く動き続ける。グリスアップしたスクエアテーパーのBBは30秒近く空転できるので、それに比べると明らかに劣る。とはいえ、ロードバイクにつけているシマノの純正BBだと1秒もせずに空転が止まるので、それに比べればTokenのTK878EXは大分良いと言えるだろう。ベアリングをグリスアップして保護シールの位置を調整すればもっとよく回るようにできる気がするが、空転性能をこれ以上追求するつもりはない。現状のグリスが枯渇するまではそのまま使うつもりだ。

今回の改造でQファクタは154mmになった。これは、以前の164mmよりも短く、一般的なロードバイクの148mmとかよりも長く、一般的なマウンテンバイクの176mmとかよりも顕著に短い。Qファクタはペダリングの際のスタンス幅を決める最重要要素なので、この違いは走行性能に大きな影響を及ぼす。機械抵抗の微妙な違いよりも重要と言える。一般的に、Qファクタが狭い方がケイデンスを上げやすく、広い方がトルクをかけやすくかつバランスがとりやすいそうで、ロードの設定にもマウンテンの設定にも合理性がある。それらの中間の設定であれば、少なくともパレート最適に乗っているので、154mmでも164mmでも間違いではない。街乗りでは発進での加速が多いので広めの方が楽だし、ギア比を下げずに登坂する場合にも広めの方が楽だ。よって、普段使いでは164mmの方が良い気がする。しかし、最近はロングライドをよくするようになった。そこでは一定の速度と高めのケイデンスで長距離を漕ぐので、狭いQファクタの方が良いような気もする。実際に乗ってみた感想としても、軽めのギアでケイデンスを上げた場合には154mmの今の設定の方がペダリングが円滑な気がする。しばらくは154mmのまま様子を見る。

そもそも、Qファクタが154mmになったのは、チェーンラインを整えて、かつ左右差を無くすという調整をした結果に過ぎない。ディレイラーとのクリアランスに目を瞑ると割り切るなら、もっとQファクタの小さいR7000やR9000などのクランクを使っても良かった気もする。逆に、Qファクタが広くてもいいからクリアランスを確保してお座り状態でもペダルを回したいというなら、162mmのディオーレのダブルクランクとかでも良いだろう。

実走

ホローテック2化したブロンプトンで実際に走ってみた。率直な感想としては、「大して変わらない」だ。乗り味がギア1枚分軽くなるなんて、絶対ありえない。そりゃそうだ。ギア比が変わっていないのだから。剛性が上がっただけなのだ。従来のスクエアテーパーだって鋼鉄でできているわけで、剛性が上がったと言っても微々たるものだ。とはいえ、発進や登坂で加速するためにペダルを強く踏み込んだ際には、確かに応答性が高まっているのを感じる。巡行時に弱い入力をしている際にも、踏んだ分だけ即座に自転車の速度が変わるのを感じる。この違いは確実であり、ブラインドテストで弁別できる自信がある。

これでドライブトレインはロードバイクにかなり近いものになったわけで、ロードバイクの本領発揮であるロングライドで効果を感じるか試してみた。酷暑の中、江ノ島まで行ってきた。多摩川サイクリングロードを南下して、1号で横浜まで行って、16号で横須賀まで行って、そこから丘を越えて逗子に行って、そこから134号で海を見ながら鎌倉を抜けて江ノ島に至り、469号で北上して藤沢と湘南台と大和を通り抜け、246号に乗って世田谷まで帰ってくるという123kmのコースである。進化した愛車をダッフィー写真ツアーのごとく撮りまくった。







ロングライドで特に感じたのは、重いギアのままで乗れる範囲が広がったことだ。それなりの坂に差し掛かって大きなトルクが必要になった際にも、その分だけ強く踏み込めばすぐに自転車が応答してくれる。従来の装備だと強く踏み込むとクランクとBBが「ギシギシ」と軋み音を立ててから車体が反応する感じだったのだが、新しい装備だとその一瞬の遅れが無い。軋み音が無いことは心理的にも有利で、どんどん踏み込んでいこうという気にさせてくれる。

巡行時に脱力して漕いでいる際にも、剛性の高さを感じることがある。従来感じていた、軽く踏み込んだ時の遊びが小さくなることで、入力のより多くが出力になっている感覚がある。巡行時に弱い入力をしている状況は、クランクを空転させている状況により近いので、剛性が低くともベアリングの空転抵抗が小さいスクエアテーパーのBBシェルの方が有利だと思っていたが、どうやらそうでもないらしい。遊びが大きいとガタついた古い機械を動かしているような気分になるが、遊びが小さいと最新の精密機械を動かしているような気分になる。結果として巡行速度が上がっていると嬉しいのだが、実際のところどうなのかは今の段階では判断できない。

また、おそらくQファクタが狭くなったせいだろうが、引き足のための腿上げがしやすくなった。加速や登坂でトルクが必要な時はまず引き足を頑張ることにしているが、その際には目の前に立っている相手の顔面に膝蹴りを入れるような想像をして体を動かしている。足を引き上げるとともに、膝を前に突き出す感じだ。そうすると上引き足が上死点での前押し足に円滑に繋がる。この一連の動作を行う際には、ペダルと足の位置が横に離れているよりも、股関節の真下に近い位置にある方が楽にできる。Qファクタはたった10mmしか変わっていないが、120kmも走れば片脚毎に2万回くらいやる動作なので、筋肉の動かし方の微妙な違いが疲労度に利いてくる。

アウターチェーンリングのO.Symetric 52Tと11Tスプロケットの組み合わせは相変わらず最適だ。従来の装備でも52Tを付けていて気に入っていたので、この乗り味は変えたくなかった。当然ながら、BBやクランクアームを変えても、チェーンリングの形と歯数が同じならば、それに起因する乗り味も同じだ。すなわち、登坂や逆風で低ケイデンス&高負荷になっても上死点下死点が軽いので引っ掛かり感がなく漕ぎ続けられるし、平地巡行で高ケイデンス&低負荷になってもパワーゾーンの踏み応えがあるのでしっかり入力ができる。BBとクランクアームの剛性が上がったおかげで、低ケイデンス高負荷で頑張れる性能がさらに引き出されたと思う。二子玉川の坂くらいなら11Tスプロケでも登り切れる。それ以上の急坂でも18Tスプロケットと組み合わせればだいたい登れる。

インナーチェーンリングにO.Symetric 36Tを使いたかったというのがホローテック2化(実際にはBCD110化)の直接的な動機だ。フロント36Tとリア18Tを組み合わせると変速比が2.0まで下がるので、公道であればどんな激坂でも登れるだろう。藤沢の白旗神社の横の急坂で使ってみたが、軽々と登れた。軽く回せる割にはパワーゾーンでしっかり踏み込めるので、速度がそんなに落ちないというのもいい。また、インナーとアウターで同じ形のチェーンリングであることで、フロントシフトしても同じ乗り味なのは心理的に楽だ。これなら乗鞍岳も普通にいけそうだ。

結論としては、クランクを変えたおかげでロングライドがちょっと楽になった。疲労感が少ないだけではなく、乗っていて快適に感じる。やはり入力に対する応答が良い方が操作する喜びを大きく感じられる。例えるなら、絨毯とフローリングの上では、どちらが機敏に動けるのかという話だ。

変速比と快適速度

今回のカスタマイズで、フロントが52T+36Tで、リアが11T+18Tという変速設定になった。かなりワイド気味だが、広い範囲のケイデンスで乗りこなせる楕円チェーンリングのおかげで、快適に走ることができる。変速比4.73から2.00までカバーしているので、高速走行から激坂まで対応できる。変速比を表にするとこんな感じだ。ケイデンス50からケイデンス90までを快適範囲と仮定して、各ギア設定で対応できる速度域も算出した。

front teeth rear teeth gear ratio rotation dist slowest speed fastest speed
outer top 52 11 4.73 6.33m 19.00km/h 34.21km/h
outer low 52 18 2.89 3.87m 11.61km/h 20.90km/h
inner top 36 11 3.27 4.39m 13.16km/h 23.68km/h
inner low 36 18 2.00 2.68m 8.04km/h 14.47km/h

変速比のグラフはこんな感じだ。インナートップ3.27がアウターロー2.89よりも重いので、辛うじてギア比が被らない使い勝手になっている。インナートップ3.27は外装2速の純正の1速の54/16=3.37と似たような重さなので、インナー縛りでも街乗りの速度域なら実用になる。そしてインナーローの2.00は700Cのロードバイクに換算すると2.0*2096/1340 = 3.12に相当して、コンパクトクランクのインナー2速(34T/25T)と同じくらいだと言える。

対応速度のグラフはこんな感じだ。高速走行から街乗りから登坂まで隙間なく対応できていることがわかる。52T/11Tのケイデンス70だと26.6kmで走れるが、その速度域が私は一番好きだ。

なお、11Tを使っていると識者に言うと、すぐ摩耗するし壊れやすいから12Tを使ってチェーンリングを大きくしろと指摘されることが多い。しかし、52/11=4.72は56/12=4.66より重いので、チェーンリングを大きくするのでは得にくい変速比だ。57T/12T=4.75とか58T/12T=4.83にしても良いのだが、そんなでかいチェーンリングはなかなか売っていない。

まとめ

ブロンプトンのホローテック2化をするなら、少なくともTK878EXとFC-R7100を使うとうまくいく。BBとクランクアームの剛性が上がるだけで、わずかであってもパワーロスが減るとともに、快適性の向上が体感できる。そして、BCD110になったことでO.Symetricの52T+36Tがつけられたので、私が理想とするドライブトレインになった。これでどんな峠でも走破できそうだ。