日本三大大仏の高岡大仏と、金屋町の古い町並みを歩く!/銅器の街高岡そぞろ歩き

3月の三連休最終日。若干霞んだ空ではあったけど、晴れて行楽日和になりました。
空が霞んでいると山や海に出かけても多分後悔してしまう。ならば街に出かけてみようではないか。
そう思い、娘を連れてやってきたのが富山県高岡市です。金沢から車で1時間ほど、ドライブとしてはちょうどいい距離感です。

高岡と言えば、銅器の街!
銅にまつわる観光地が、実は駅から歩いてでも行けるところにあるんです!

日本三大大仏の一つ(といわれている)高岡大仏!
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そぞろ歩きが楽しい鋳物師の町、金屋町!
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富山県、特に呉西エリアに住んでいる人なら誰でも胸張って「あんなとこ行ってもしゃ~ないちゃ~(しょーがないよ)」と口を揃えて否定しますが・・・
もっとアピールしてもいいと思いますよ!
ってなわけで、今回はたまに通りはするんだけどなかなか立ち寄らない街高岡の再発見のプチ旅リポートです(^^)!


2017年03月20日 富山県高岡市 高岡大仏


高岡は富山県下2番目の都市で、富山県をパカっと二つに分割した際の左(西)半分のエリア(呉西)の中心都市です。
北陸地方には町中に観光地が点在するようなそぞろ歩きの楽しい街がいくつかありますが、高岡もその一つ。
加賀藩主前田利長が開いた城下町で、市内には城址公園や古い町並み、国宝の寺院、それに伝統工芸高岡銅器の技術を用いて造られた大仏など、かつての加賀藩の歴史や文化がギュっと詰まっていて、何気に街歩きが楽しかったりします。

高岡市街地の観光地で真っ先に思い浮かぶのが高岡大仏ですかね~。
富山県民なら誰しもが知っているところで、石川県民の僕も存在はもちろん知っているし、これまで幾度となくこの近くの道は車で走っていてチラっと車窓から大仏さんを拝んでいました。
でも、実はゆっくりと訪ねたのは今回が生まれて初めてだったりするんです。今の今まで「後回しになっちゃった観光地」ってことかもしれないな(^^;


高岡大仏はその名も大佛寺というお寺の境内に鎮座しています。
お寺の入口には、「日本三大仏高岡大仏」の文字が。
三大大仏かもしれないというのは知っていはいたけれど、現地でここまで堂々とアピールしていたとは!
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日本人は「三大モノ」が大変好き。三名山とか三名園とか、いろいろありますよね。
大仏分野でも例外ではなく、「日本三大大仏」というのがあります。
三大大仏の筆頭は誰もが知っている「奈良の大仏」。そして二つ目はこれも誰もが知っている「鎌倉大仏」。ともに大都市から多くの観光客を呼び込み、年がら年中賑わっていて、名実ともに三大モノと言っていいでしょう。
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三大大仏筆頭 奈良の大仏(2007年05月05日撮影)

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三大大仏2番手 鎌倉大仏(2014年07月11日撮影)


これらの大仏が大仏界のワン・ツーであることは誰も疑いもしないし、不動の地位を得ています。
じゃあ三番目はというと、兵庫県にある「兵庫大仏」だとか、岐阜県にある「岐阜大仏」だとか、あるいはこの「高岡大仏」だとか、諸説あるみたいです。
まぁぶっちゃけると「言ったモン勝ち」なセカイなんですわ(爆)。
そういう意味で、高岡は現地でちゃんと三大大仏であることをアピールしていて、既成事実化しようしている匂いがプンプン。
「しっかり仕事しているなぁ」って印象受けましたね。
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僕ら北陸に住んでいる人間は、地元のよしみもあって三大大仏の三番手には高岡大仏を一応は推しますよ。
推しますが・・・、奈良・鎌倉の次点ということで大きく期待されてもらっても逆に困るんですよね・・・(苦笑)。
なので人に説明するときは、「一応、日本三大大仏の一つって言われたりもしているみたいですが」と婉曲的な言い方をしたりします。

では、境内に入りましょう!
高岡大仏は高岡の中心市街地に突如姿を現します。
奈良のように立派な建物に護られているでもなく、鎌倉のように立派な境内にあるでもなく。
高岡大仏に与えられたロケーションは、商店や住宅や電柱がひしめき合う俗世界そのものです。
こういうロケーションだからこそ、実は三大大仏の中では市民に一番親しまれているのかもしれません。
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境内の建造物は極めてシンプル。
右が高岡大仏。左が大佛寺の寺務所、それから写真には写ってないけど鐘楼があります。
以上!
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境内に入ってすぐに目を奪われたのは、「3個300円」で売られている「大仏焼」というお菓子。
見本をパっと見た感じはたい焼きに近いですね。
形はおそらく大仏を象っていて、中身は定番のあんこの他に、カスタードクリームとチョコレートの3種類がありました。
3個なら割り引いてくれてしかも全部で3種類あるってことは、要するに一つずつ買いなさいってことだね(笑)。
ちょうど娘2人を連れて来ていたので、一つずつ合計3つ買うことにしました。
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見本の写真を撮っていたら、お店のおばちゃんから「どうぞ、これも撮っていってください」と、大仏焼器(?)の撮影の許可をいただきました。
いや、まぁそんなに撮りたいってワケでもなかったんですけどね(^^;。
せっかくだから撮っておこうかなっと。
よく見ると、形は上が四角っぽいやつと三角っぽいやつと丸っぽいやつの3種類あるようです。
3タイプとも同じ値段だけど、四角を引くと一番面積が多くてオトクってことになりますかね、まぁその差は微々たる量ですが(笑)。
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(大仏さんがすごくフレンドリーで、しかもピースしてる。焼き上がったものを見るとなかなか指の形までは分かりません。)


こちらができあがった大仏焼。中身はカスタードクリームです。
食感は大判焼き(今川焼)やたい焼きに比べてフワっとした感じ。個人的には表面をもう少しこんがりとそしてパリっと焼いてほしいところだけど、まぁ観光地で100円で食べられるんだから十分買い得だと思います。
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このテのお菓子は子供たちにも大人気ですね。
二人ともあっと言う間に食べ尽くしてしまいました。
これだけウマそうに食べてくれたらお父さんも嬉しい(笑)。
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さて、高岡大仏について少しだけ紹介しましょう。
現在の高岡大仏は三代目になります。
初代高岡大仏は1745年に建立しましたが、当時の大仏は今みたいな青銅製ではなく木造だったため火にはすこぶる弱く、初代大仏は建立から76年後の1821年に焼失してしまいました。
その20年後の1841年に二代目高岡大仏が同じく木造で再建されたものの、これも59年後の1900年の高岡大火で焼失。
「いい加減にしろ!」と市民が突っ込んだかどうかは分かりませんが、とにかく火に強い大仏を造ろうという流れになり、1933年に三代目が青銅製によって再建されました。
高岡市と言えば、伝統工芸品の「高岡銅器」が有名で(なんと国内の銅器の生産額の95%を高岡銅器が占めているってんですから驚き!)、三代目高岡大仏は高岡市民の手によって作られた、高岡銅器の傑作なんだとか。
さすがに銅は強いですね、三代目建立から84年経過しましたがしっかりと残っています!
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高さはおよそ16メートルですが、これは台座を含めた高さ。純粋な仏像の高さは7.4メートルで、奈良の大仏(15メートル)や鎌倉大仏(11.3メートル)に比べれば一回り以上小さいです。
でも、奈良の大仏や鎌倉大仏に比べて「男前」と言われています。
大きさでは勝負にならないのは分かってるんで、顔で勝負ってことかな(笑)。
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(男前・・・ですかね!?)


大仏さんは伏目がちですが、ちょうどその視線の先に立つことができます。
真正面から見るのとは少し違って、こうやって視線の先から見ると、なかなかに優しい表情に見えてきませんか!?
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大仏の台座の中に入ることができます。
台座の中には高岡の画家が描いた13の仏画が展示されています。
特に「地獄」の画は、小さな子どもには印象に残る絵であり、「悪いことをしちゃいけないよ」と教えるには格好の教材になると思います。
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こちらは焼失した二代目高岡大仏のご尊顔と言われています。
お顔はあまり被害がなく、こうして残されているんですね~。
それにしても、現在の大仏に比べるとスケールは随分小さかったみたいですね。表情も全然違います。
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高岡市 金屋町の古い町並み


さて、高岡まで来て大仏だけ見て帰るのではちょっと物足りないので、もう一か所、是非大仏とセットで楽しみたい観光地があるので、そこも訪ねてみることにしました。
高岡大仏から徒歩で20分ほどのところにある、金屋町(かなやまち)というところ。
先ほど訪ねた高岡大仏は高岡銅器の傑作とされていますが、高岡銅器が生産されている町がこの金屋町です。
国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)にも指定されていて、昔の美しい町並みを現代に残す貴重なエリアになっています。
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そぞろ歩きをしてみましたが、なかなかいい町並みじゃない!
古い町並みと言えば我々金沢市民は黙っちゃいませんが、高岡の金屋町も風情がある町並みだと思いました。
山あいや海岸沿いの小さな集落ではなく、人口が10万人を超えるような比較的大きな都市の中心市街地に古い町並みがあるケースは北陸では金沢以外にはこの高岡しかないと思います。
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古い町並みを歩くのは好きですが、高岡にもこんな落ち着いた風情の町が残っていたとは意外でした。
いかんせん知名度がまだ低いせいか、観光客はまばらだし、食べ歩きしたくてもお店がない(^^;。その代わり落ち着いて楽しめるのがいいかもしれまん。
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通りを歩く限りでは、ここで銅器が作られているとは全く思えません。
それもそのはず、このエリアの家屋の敷地は通りから奥へ奥へと細長い形をしていて、通りから見えるのは母屋であり、その奥に中庭があってさらにその奥に銅器の工場があるそうです。
通りから見えているのは母屋であり、その奥にある銅器工場は通りからは見えないのです
銅器の生産には火を使いますが、万が一火災が発生した際に母屋や隣家に火が移らないように工夫がされているみたい。
通りには資料館があって、この辺りの町屋の様子や高岡銅器のことがよく分かります。
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何気なく銅像が置いてあるのが、いかにも銅の街だね!
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このお宅も一見何気ない民家に見えるけど、銅の加工工場があり、銅を使ったマウスパッドを作っているみたいです。
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(銅器のマウスパッド!?ちょっと気になるね・・・)


古い町並みにはつきものの石畳ですが、銅の街ということでこの石畳にも銅が使われているそうです。
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およそ500メートルにわたって続く金屋町の古い町並み。
特徴は「千本格子」(地元では「さまのこ」と呼ぶらしいです)で、こういった格子状の家が続く町並みは金沢のひがし茶屋街を彷彿させます。
この千本格子があるから、町並みに統一感が出るし、面がスッキリと見えるし、色合いが落ち着いて見える。
町全体が美しく見えるんですよね。
金沢の茶屋街は新幹線開業で人が増えすぎてしまいましたが、古い町並みをゆっくり楽しみたいなら高岡の金屋町もアリなのではないかと思いました。
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ってなワケで、高岡市の象徴とも言われている高岡大仏と金屋町でした。
高岡の市街地をゆっくり歩いたのは今回が初めてだったので、それなりに楽しめたかな!
高岡大仏や古い町並みを見るためだけに遠くからわざわざ高岡へやってくるとちょっと物足りない感があるかもしれませんが、付近には高岡以外にも、例えばチューリップで有名な砺波や、世界遺産の五箇山、富山湾の幸が楽しめる氷見など、北陸を代表する観光地がいっぱいあるので、それのついでに高岡を歩いてみてはいかがでしょうか。
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<高岡大仏>
【駐車場】あり(無料 ただし台数は多くない)
【入場料とか】無料
【所要時間】30分

【地図】


【リンク】
高岡大仏


<金屋町>
【駐車場】あり(無料)
【入場料とか】無料
【所要時間】30分

【地図】


【リンク】
ねっとこ金屋


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まっさ

>なべちゃんさん

こんばんは♪
「三大モノ」はいろんな説があって面白いですよね。
三名園や三名山は異論がないのですが、「三大七夕まつり」は大仏に似ていると思います。
仙台・平塚は不動のツートップだと思っていますが、3番手は?と言われると急に答えに詰まってしまいます。
最も言われているのは安城の七夕まつりなんだそうですが、実は同じく富山県高岡市の「戸出七夕まつり」も、安城ほどではないですが三大七夕まつりの一つとする説がチラホラ見られます。
高岡は大仏にせよ七夕まつりにせよ、地味に三大三番手を虎視眈々と狙っているみたいです(笑)。

滝についても、華厳と那智は確かに不動のツートップ。
ですが、なぜ落差日本一の称名滝が三大瀑布に入らないのかっていつも疑問に思うんですよね。


ちなみに、僕は三大モノが大好きで、どこか旅へ出かけるときは何か一つ三大モノをコースに含めたいと思っています。
もし何か面白い三大モノをご存知ならば、教えてくださいね!

2017/04/09 (Sun) 22:24
まっさ

>みんこさん

こんばんは♪
確かにおっしゃる通り、高岡は市街地に観光地っぽいところが結構ありますよね。
北陸の都市の中では観光資源に恵まれているほうだと思うけど、いかんせんプロモーションがイマイチなのか、全国的な知名度はまだまだ上がっていないという印象です。
これで、もし新幹線が新高岡じゃなくて高岡だったなら、もっといっぱい人を呼び込めたんだろうけどなぁ。


けれど、こういう静かな佇まいがいまだに残されているのは、貴重かもしれません。
金沢はどこも人がいっぱいになって、週末は落ち着いて歩けなくなりましたからね(^^;。

2017/04/09 (Sun) 22:09
まっさ

>金沢小町さん

こんばんは♪
前から一度歩いてみたいと思いながら、ず~と今まで歩いてこなかった街が高岡です(^^;。
今回、ようやく実現しました。

金屋町もよかったけれど、山町筋も綺麗な町並みって言われてますよね。
ただ、山町筋は車でサっと通ったけど、交通量が多そうだったので今回はパスでした。
小さな子供を連れて歩くならやっぱり金屋町のほうが安心かな(^^)。


北陸の街で、まだジックリと歩いたことがないところがたくさんあります。
越前大野や小浜なんかが気になります。
また機会があれば、そういう歩いたことのない北陸の街を歩いてみたいです。

2017/04/09 (Sun) 22:04
まっさ

>土佐けんさん

こんばんは♪
大きな大仏さんですが、でも奈良や鎌倉と比べるとどうしても小さく感じてしまいます(^^;
やっぱり奈良と鎌倉は別格ですかね。

富山もいいところですよ。
自然や花、そういうものを対象に観て回るなら、石川県よりも見所が多いかもしれません。
魚もおいしいです!
そうそう、今はホタルイカの身投げのシーズンで、新月の頃は青く光る波打ち際が楽しめます。
是非富山にも足を運んでみてくださいね!

2017/04/09 (Sun) 21:57
なべちゃん

こんばんは。

日本3大瀑布も、「華厳の滝」、「那智の滝」まではどこの地域でも共通ですが、
残りの1つは「袋田の滝」だったり、「秋保大滝」だったりと異なってくるようです(^-^;
名滝を有する各自治体が、3大の残る1つの椅子を争っているみたいです(^^)

ちなみに、私の地元で行われている七夕まつりは、「日本3大七夕まつり」に数えられています(´▽`)
でも、「3大感」は全くしないですけどね・・・普通の夏祭りです。はい。

2017/04/07 (Fri) 23:08
みんこ

あゝ、高岡大仏・・・・(笑)。
コメントを控えます。

金屋町にしても山町筋にしても
どうしてうまく人を呼び込めないのか。

高岡市出身です(笑)。

2017/04/04 (Tue) 19:07
金沢小町

あら〜偶然♪

私も2月の終わりに金屋町と山町筋へ行ったんですよ(*^^*)
金屋町は静かな通りですね
ちらほらと観光客がいる程度で風情がありました
キューポラの煙突の他にもウロウロしてたら廃墟がたくさんありました
フェチには堪らないんでしょうねw
山町筋は古民家の店舗やカフェが素敵でしたヽ(´▽`)/

2017/04/03 (Mon) 22:40
土佐けん

こんにちは

こんなに大きな大仏様がおられるんですね~
僕は大仏と言えば奈良と鎌倉しか知りませんでした。
岐阜や兵庫にもあるんですね。
調べてみましたよ^^
良い町並みですね~~
こう言うところ、助手が大好きですわ^^
富山には一度も行ったことが無いんです。
魚も美味しいところだから、行ってみたいですね!

ポチッ全部!

2017/04/02 (Sun) 16:29