■タイ人の訪日ビザ免除に対するこちらタイでの反応■
タイ、マレーシアはビザ免除 越、比は数次査証発給河北新報、2013年6月25日
外務省は25日、タイとマレーシアの観光客、出張者に対する査証(ビザ)の免除措置を7月1日から始めると発表した。フィリピンとベトナムには3年の有効期間内なら何度でも入国できる数次ビザ(滞在期間15日)の発給を開始する。インドネシア向けに発給している数次ビザの滞在期間は15日から30日に延長する。
2013年7月1日より、タイ人に対するビザ免除措置が導入された。15日間まで滞在できる。2030年までに3000万人の訪日客確保を目指す日本だが、現実は2012年実績837万人といまだ1000万人代にも達していない。日本を訪れる外国人観光客といえば、中国、韓国が中心だが、歴史問題や主権問題がリスクとなっている。日本政府は報告書で特定の地域に依存するリスクを認識したと指摘、多元化を目指すべく東南アジアへのビザ緩和を決めた。
■タイの訪日観光客数は世界6位これまでタイ人が日本観光ビザを取得する手続きは面倒で、東北アジアに行きたい金持ちのタイ人は、90日まで手続きなしで渡航できる、ビザ相互免除協定を結んでいる韓国に流れていた。日本のビザ免除相手国は64カ国だが、韓国は110カ国に達しているとも聞く。ロシア人、インド人に対する条件も緩和するなど積極的だ。またKポップスの歌手を使ったプロモーションなども果敢に展開している。
なにかと面倒な日本旅行だが、料理や雪祭りなどタイ人が興味を持つポイントも少なくない。かくしてタイの高所得者は日本旅行に出向くわけだが、一人当たり消費額は13万円と高額。日本人のタイ旅行よりも高い。
タイ人の訪日客数は2012年で26万人、韓国・中国・台湾・香港・アメリカ人に次ぐ第6位になっている。今年だが、政府観光局(JNTO)の推計によると、1~5月期で18万人強、前年同期比53%増と好調だ。円安バーツ高が追い風となっている。7月1日からのビザ免除を考えると、昨年の香港(48万人)を上回る水準になっても不思議ではない。
■タイ人の反応とはさて、日本のビザ免除措置に対してタイ側の反応をお伝えしたい。
もちろん基本的には歓迎しているのだが、一方で不法滞在のタイ人が急増するのではとも懸念されている。かつてのニュージーランドがそうしたように、日本がビザ免除を取り消すようなことがあるかもしれないと政府筋は懸念している。また日本旅行が盛り上がって、タイ国内の旅行需要が減少すると心配している観光業者もいるようだ。
日本のビザ免除は訪日客を増やすことになるだろうが、タイ人が日本に抱いている最大のニーズは「日本で働きたい」ということであろう。ビザ免除措置は観光業にとってはメリットだが、国家全体の経済から見ればその効果はわずかなものでしかない。労働力の減少に苦しむ日本にとっても外国人労働力の活用は検討すべき課題となっている。
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