遠藤さんとのラストチャンス
10月27日(金)
明日は遠藤さんとの何度目かの正直のピクニックの日。朝、僕は天気予報を見て愕然とした。3日前まで晴れだった天気予報が雨に変わっている。原因は台風。10月も下旬だと言うのに、なんと2週連続での台風だ。福岡からは結構離れているが、秋雨前線を刺激して週末はガッツリと雨らしい。遠藤さんと僕の互いの体調不調に加え、台風での中止は3回目。もう会わないほうがいいのだろうか?とも思える。
しかし、今回は雨で中止になっても会おうという約束はしている。カフェで軽くお茶でもして、来週のピクニックに繋げようか。多少お金はかかるが、これぐらいはいいだろう。僕は仕事帰りにLINEを送った。
18:39 金村) まさかの雨やな・・・
18:40 遠藤さん) お疲れ!
うん・・・
博多はまだ降ってないけど、家付近はもうポツポツ振り始めたらしい。
18:42 金村) 日曜日まで雨っぽいし。
ピクニックは絶望的やけど、どうしよう?
行きたいとこあれば、付き合うよ。お茶とかでもええし。
19:25 遠藤さん) 行きたいところ・・・うーん・・・
とりあえず、今日も残業だから、終わったら連絡するね!
19:25 金村) OK。今日もお疲れ様!待ってる。
20:48 遠藤さん) 明日、出勤になるかも・・・まだ分からんけど。
あぁ~イライラする。
21:01 金村) おぉ・・・大変そうやな。日曜日でもいいから。
この後、遠藤さんの連絡が途絶えた。最近、遠藤さんは残業続きだそうだ。これまではただただ大変だなと思っていたが、さすがにちょっと疑い始めた。これまでの会話から遠藤さんのだいたいの勤務先は分かっている。ネットで調べたところ、それほど大きな会社でもなさそうだ。普通のOLが深夜にまで及ぶ残業、さらには休日出勤なんてそんなあるんだろうか?しかも、このタイミングで・・・正直、イライラするのはこっちのほうだと思った。このままじゃ、土曜日に会うのは相当可能性が低そうだし、何だかんだ日曜日までキャンセルしてきそうな勢いだ。しかも、23時過ぎに過ぎになっても、返信は来ないので、期待せずに寝ることにした。
翌朝、起きるとLINEが届いていた。
23:56 遠藤さん) ごめん、遅くなって・・・
今帰りつきました。やはり、明日も出勤になったから、日曜日でもいい?
案の定の結果。遠藤さんの通勤時間は1時間弱と聞いているので、今帰りということは23時頃に仕事が終わって会社を出たことになる。そして明日も出勤?どんだけの仕事量なんだよ・・・もう嘘としか思えなかった。でも一応、日曜日とはっきりと言ってはいる。一度疑った時に激キレされたことがあるので、騙されたフリをすることにした。
7:41 金村) ごめん、僕も先に寝てた。
日曜日にしよう。また夜に計画立てようか?
このメッセージは遠藤さんに既読スルーされ、昼過ぎにようやく返事が返ってきた。
13:25 遠藤さん) 同僚の子が結構大きなミスしちゃって大騒ぎ。今日も遅くなりそう。
13:28 金村) そうなんや。ほんまお疲れ様。また夜話そ!
もはや日曜日も絶望的な雰囲気だ。しかしまあ遠藤さんは、ドタキャンするのが好きだな・・・相手を期待させておいて、落とすという最低の人間だとこの時確信した。で、予想定通りのドタキャンLINEが送られてきた。
21:28 遠藤さん) 今から帰ります。
明日なんだけど、上司と熊本のお客さんのところに納品とお詫びに行くことになってしまったよ・・・
21:28 金村) 本当にお疲れ様。では明日は無理そうかな?
21:30 遠藤さん) うん、明日は行けなくなってしまった。本当に申し訳ない。
行きたくないと一言言えば済む話なのに、少し期待させるようなことばかり言い、とんでもない嘘をつき直前で断る。申し訳ないなど微塵も思ってない言動を繰り返している。もはや愉快犯としか思えない。怒りがこみ上げてくる中、まだ0.00001%ピクニックに行けるかもしれないと思ってしまうところが僕のバカなところだ。
10月31日(火)
僕はラストチャンスだと思い、LINEを送ってみた。
19:31 金村) 今週も慌ただしい?週末こそピクニックに行きたいけど、どうかな?
20:07 遠藤さん) 慌ただしいというか、緊急事態というか・・・
私、今週末からしばらく土日祝出勤で、平日にお休みを取るという勤務体制になったと。
20:08 金村) そうか・・・
僕は心の底から怒りがこみ上げてきた。人を舐めるのもいい加減にしろよ。しょうもない嘘で約束を先延ばしにして、フェードアウトを狙う。どうして女という生き物は、こんなに心が腐っているのだろう。「すいません、もう行けません」と言えばいい話で、それがここまで話をした相手に対する誠意だ。しかし、女は決してそれをしようとしない。あくまでも自分から拒絶しないという体を取りたがるが、煮え切らない態度でかわそうとする。こんなふざけた、舐めた、不誠実な態度を取れば、ストーカー事件が頻発するのも無理はない。ストーカー事件というと、男の身勝手で一方的な気持ちばかりがクローズアップされるが、その背景には相当数の女のまずい態度があるのだろうとこの時確認した。
僕は本来、「このボケ、ブスのくせに嘘丸出しの言い訳で調子乗ってんちゃうぞ。だから結婚もできへんのや。しばくぞコラ」ぐらいのLINEを送ってやりたかった。もしくは途中までいい感じだったのに、どこで気持ちが変わったのか真実を知りたかった。しかし、そんな暴言を吐くor真実を知ろうとしても、遠藤さんがもはや誠実に対応するなどとは思えない。どうせ僕はコミュ障で、誰に対しても下に見られる運命なのだ。そう悟り、ここで遠藤さんとの関係を終わらせることにした。
あんなLINEやこんなLINEまでして、人生最大の恋のチャンスは、結局会うことすらできないという最低の結果で終わった。しかし、不幸中の幸いは、遠藤さんという最低の女に1円も使ってないということだ。やはり女には金を使わないに限る。人生において大事なことを学んだ1ヶ月半のトキメキだった。
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